議会質問

平成27年度第3回定例会
本会議 一般質問

平成27年9月16日

インターネット議会中継


 1 精神障害者に対する「神奈川県重度障害者医療費助成制度」の適用について
【質問】

 重度障害者医療費助成制度については、5つの県が、既に精神障害等級2級まで対象を拡大している。また、県内市町村の状況としては、6市町が精神障害等級2級まで、対象を拡大しており、地域間で支援の内容に格差が生じていることから、各市町村の足並みが揃うよう制度の見直しに取り組む必要がある。
 また、身体・知的障害者に対しては、バス運賃の割引制度がある一方で、精神障害者に対しては、横浜市、川崎市を除く県域では割引がない状態が続いており、早急に改善する必要があると考える。
 そこで、重度障害者医療費助成制度について、対象を精神障害者等級2級へ拡大するべきと考えるが、この制度の見直しに関し、市町村との検討の場を設けることについて、所見を伺いたい。また、精神障害者へのバス運賃の割引を実施することについて、所見を伺いたい。

【知事答弁】
 渡辺議員のご質問に順次お答えしてまいります。
 はじめに、精神障害者に対する「神奈川県重度障害者医療費助成制度」の適用について、お尋ねがありました。
 まず、重度障害者医療費助成制度につきましては、平成24年度に重度の精神障害者1級を対象とする制度の見直しを行い、市町村に実施するよう働きかけを行ってきました。
 その後、順次拡大され、本年4月にようやく、すべての市町村で実施されるようになりました。
 そうした中で、助成制度のさらなる見直しについては、実施主体である市町村の財政負担や、他の重度障害との関連などの検討が必要であります。
 そこで、まずは市町村との検討の場を設け、制度の様々な課題について協議してまいります。
 次に、精神障害者のバス運賃割引についてです。
 県内には、路線バス事業者が25社あり、これらの事業者により構成されている神奈川県バス協会に対して、これまでも要請を行っています。また、国に対しても、関係機関へ働きかけるよう要望してきたところです。
 しかし、バス事業者によっては、採算の取れない路線を抱えるなど経営状況も厳しく、要望には応じていただけない状況が続いています。
 来年4月に、障害者差別解消法が施行されることを契機に、障害者間の不均衡をなくすことについて、バス事業者にご理解をいただけるよう、改めて要請してまいります。
【再質問】
 精神障害者のバス運賃の割引について伺います。
 精神障害者については、過去においては外見から障害が分かりにくいということから、本人であることが確認できないということによって、各種の公共交通機関において運賃の割引が進まなかった、こういう状況があります。
 しかし、平成18年10月に精神障害者保健福祉手帳が改正されて、写真を貼付することとなって、身体障害者、知的障害者と同様の手帳となったことから、バス事業者において他の障害者と同じように、バス運賃の割引を実施することが可能となっています。
 しかしながら、それ以降長い時間が経っていますが、未だ県域ではバス運賃の割引が導入をされていません。
 この点につきましては、加速的速やかに、精神障害者に対するバス運賃の割引を導入すべきと考えますが、例えば平成29年4月には、消費税の10%の引上げが予定されているなかで、バス事業者においても運賃等の改正を検討することも考えられます。
 こうした機会を捉えて、精神障害者への割引を実施するよう、県からバス協会に対して、先ほど御答弁のなかにありました、例えば財政的に厳しい、こういうバス事業者に対して、県費による助成を含めて、具体的な提言を行って前に進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
【再質問への答弁】
 それではお答えいたします。
 精神障害者のバス運賃の割引につきましては、議員のご提案、とっても重要なご視点だと思います。
 かつては本人確認できなかったけれども、今は写真で確認できるようになっているんだということ。
 しかも、消費税引上げのタイミングでどうだということ。
 こういったことは貴重なご提案と思いますので、こうした視点も踏まえて、今度の要請には臨んでいきたいと考えております。
【要望】
 何点か要望を申し上げたいと思います。
 また、今の再質問については、今言ったタイミングだけのご提案ではなくて、県の財政支援についても提言させていただきましたので、それを踏まえて前向きなご検討をお願いしたいと思います。
 更に重度医療費助成制度の対象拡大については、「協議の場を設ける」とのご答弁をいただきました。
 一歩前進のご答弁と思いますが、それについては様々な市町村の考え方もあると思いますので難しい面もありますが、県としては、その場での検討にあたっては前向きな姿勢で、ぜひ臨んでいただきたい、この様に強く要望させていただきます。

 2 医療メディエーターの活用と医療ADRの推進について
【質問】
 医療訴訟は、内容が複雑で専門性が高いことから、裁判によらず、話し合って解決に導く「医療ADR」制度を推進することが望ましい。また、医療機関が院内に「医療メディエーター」と呼ばれる中立的な立場の職員を配置し、患者と病院を橋渡しして解決に導く「院内ADR」という制度もあり、県立病院機構は、この制度を「院内医療メディエーション」として立ち上げたところである。
 今後は「院内医療メディエーション」の更なる有効活用や他の医療機関への周知とともに、「医療ADR」制度との連携も必要と考える。
 そこで、県立病院機構の「院内医療メディエーション」の有効活用や周知活動について、今後どのように取り組んでいくのか。また、「院内医療メディエーション」と「医療ADR」に取り組む院外の第三者機関との連携について、どのように考えているのか、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、医療メディエーターの活用と、医療ADRの推進についてお尋ねがありました。
 各医療現場においては、患者と医療関係者の相互信頼の下に医療が提供されることが大切です。
 そこで県立病院機構では、本年4月から、5つの病院すべてに、紛争の仲介役ともいえるメディエーターを配置して、患者や家族への支援を進めています。
 実際、メディエーターが間に入ることで、問題点が整理され、患者と医療者の双方が納得できる話し合いが行われる、といった効果も出ています。
 院内医療メディエーションは、裁判によらず、病院職員が中立的な立場で、紛争解決に向けて患者と医療者の橋渡しを行いますが、患者、医療者の双方から、病院職員が中立的な対応ができるのか、といった不安の声を寄せられることもあります。
 このため、患者と医療者の双方が、このしくみを十分に理解することが必要です。
 そこで、病院機構では、相談のある患者に対し、これまでの院内掲示に加え、ホームページも活用して、制度の紹介を行い、理解していただくよう努めていきます。
 あわせて、医師をはじめとする院内のスタッフに対しても、医療メディエーションの効果的な活用について周知を図るとともに、メディエーターが中立性を確保するための研修の充実など、資質向上に取り組んでいきます。
 次に、院外の第三者機関である、医療ADRとの連携ですが、病院機構の医療メディエーションはスタートしたばかりであり、まずは院内でしっかりと取り組み、事例を積み重ね、その体制強化に努めていきます。
 その上で、集積した事例を、モデル的取組みとして情報発信していきます。
 県としても、病院機構の取組みに期待しており、このモデル的事例を他の医療機関へ広めるとともに、院内医療メディエーションと医療ADRとの連携も含め、患者と医療関係者との信頼に基づく、より適切な医療提供体制について検討してまいります。
【要望】
 次に、医療ADRについてですが、これについては新たな制度が10月からありますので、厚生労働省でも連絡調整会議を設けて、検討を進めたように聞いております。同制度においては、県に相談、様々な対応が迫られると考えます。
 そのためには、先ほどご答弁があったように県立病院機構をモデルとして、多くの機関との連携を図りながら、様々な対応を、ぜひ、お願いをしたいと思います。

 3 社会インフラ点検におけるロボットの実用化・普及について
【質問】
 少子高齢化が進み、担い手が減少していくと言われている中、効率的に社会インフラの点検を行うためにはロボットの活用は非常に有効である。
 現在、さがみロボット産業特区では、「災害対応用ロボット」など3つのテーマのロボットの実用化を図っているが、今後は、インフラ点検に主眼をおいたロボットの開発・実用化にも取り組むべきである。
 その際、実証実験の場として橋梁やトンネルなど県所管の社会インフラ等を積極的に活用することで、開発のスピードアップや企業の立地にも繋がると考える。
 そこで、老朽化等により橋梁やトンネル等の社会インフラの点検の重要性が増加していく中、効率的に点検を行うロボットの実用化・普及を進めるべきと考えるが、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、社会インフラ点検におけるロボットの実用化・普及について、お尋ねがありました。
 「さがみロボット産業特区」で開発を進めている災害対応ロボットの中には、トンネルや橋梁などの社会インフラの点検に応用できるロボットがあります。
 災害対応とインフラ点検は、人が立ち入ることができない場所での作業が中心となるため、開発するロボットには、高精度なセンサーや高い耐久性など、共通した技術や性能が求められます。また、高度経済成長期に集中的に整備された社会インフラが、急速に老朽化しており、維持管理の省力化やコストの低下を図るため、ロボットの実用化が求められています。
 そこで、今後は「さがみロボット産業特区」で培ってきた技術やノウハウを生かし、インフラ点検用ロボットの実用化にも精力的に取り組んでいきます。
 その際、現場のニーズに即し、かつ、精度の高いロボットを早期に実用化するには、実際に使用されている社会インフラを使って実証と評価を行い、改良を加えていくことが効果的です。そのため、今後は、県が維持管理しているトンネルや橋梁、道路といった施設を使って、インフラ点検用ロボットの実証の場を用意します。
 また、電波法や道路交通法等の規制により実証が難しい場合には、特区の規制緩和等を積極的に活用することで、神奈川であれば実証ができるという優位性をアピールし、ロボット関連企業の集積を加速していきます。
 さらに、実証を経て商品化されたインフラ点検用ロボットを、県の「モニター制度」を活用し、県や市町村が一定の期間借りて、実際に使ってみて、性能や使い勝手の良さを評価します。そして、その結果を広く発信することにより、国や企業への導入を促進していきます。
 こうした取組により、インフラ点検用ロボットを神奈川でいち早く実用化し、広く普及を図ってまいります。
【要望】
 社会インフラ点検におけるロボットについて、前向きなご答弁をいただき、ありがとうございました。
 これにつきましては、国も2030年には、インフラ点検ロボットの世界シェアを30%にすることを目指すということを表明しております。
 ぜひ神奈川県がそのトップリーダーとなるべく、体制強化をぜひ図っていただきまして、多くの実証実験が行われるよう取り組んでいただきたいと要望いたします。

 4 大規模災害時の消防航空広域運用体制づくりについて
【質問】
 大規模災害が発生すると72時間以内の救出・救助が重要となるが、他県からの支援を速やかに受け入れ、県民を救える体制を整備する必要がある。特に、ヘリコプターは、迅速性・機動力を活かした多様な任務を果たしているが、狭い空域の中で多数のヘリコプターが任務を遂行するためには、各機体が情報共有し、最適な運航管理を行う必要がある。総務省消防庁は、消防ヘリコプターと災害対策本部等の間で、必要な情報を共有し、最適な任務を迅速に割り当てる「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D−NET)」の導入を進めており、本県も、消防ヘリコプターに導入するなど整備が進んでいる。
 そこで、本県の災害対策本部においても「D−NET」システムを導入し、大規模災害発生時に、ヘリコプターの円滑な運用と、安全な救助活動を実施できる体制を整備する必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、大規模災害時の消防航空広域運用体制づくりについて、お尋ねがありました。
 いわゆる「D−NET」は、全国の消防ヘリを総合的に運用するために、国の消防庁が導入を進めているシステムです。
 今後、D−NETの導入が進めば、消防庁は、ヘリの位置情報や機体の性能、災害情報などから、一元的な運航管理を行うことが可能となります。
 しかしながら、救援ヘリの大半を占める自衛隊や警察のヘリは、D−NETを導入しておらず、それぞれ、個別のシステムで運用されています。
 また、消防ヘリについても、D−NETの導入は、全体の2割に満たない状況です。
 したがって、現時点では、県が災害対策本部を設置した場合、関係機関と調整を行いながら、ヘリの情報を一元管理しています。
 また、県では、毎年実施している「ビッグレスキューかながわ」において、消防、警察、自衛隊、海上保安庁、在日米軍の航空機が参加した訓練を行っています。
 今後とも、こうした取組を通じ、関係機関との連携を深めることにより、災害時のヘリの運航調整について、より実効性の高い統合的な管理に努めてまいります。
 私からの答弁は以上です。

 5 薬物依存対策プログラムの普及について
【質問】
 国では薬物依存症に関する専門的な相談支援や関係機関・依存症者の家族との連携等を試行的に開始するため「依存症治療拠点機関設置運営事業」を開始し、依存症治療拠点機関として、本県では県立精神医療センターが指定を受けた。センターは、薬物の再使用の予防に重点を置いたスマープ(SMARPP)という物質使用障害治療プログラムを作成し、成果をあげている。この取組を県内の多くの医療機関に普及していくこと、また、再乱用防止という観点では、民間団体との連携した取組も、薬物依存症者への支援の充実につながると考える。
 そこで、薬物依存症者への支援を充実するためには、薬物依存に対応できる医療機関を増やしていくとともに、民間団体など関係機関との連携を図ることが重要であると考えるが、依存症治療拠点機関が指定されたことを踏まえ、今後、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。(保健福祉局長)
【保健福祉局長答弁】
 保健福祉局関係のご質問にお答えします。
 薬物依存対策プログラムの普及についてお尋ねがございました。
 薬物依存症は、薬物にのめりこみ、薬物摂取の衝動を抑えられなくなる精神疾患です。
 自分の状況を認識できず、治療開始が困難であること、また、治療を開始しても、再使用の可能性が高いという特徴があります。一方、適切な治療と支援により回復が十分可能な病気です。
 県立精神医療センターは、患者が自分の状況に気づき、再使用の予防に役立つ、スマープ(SMARPP)という独自の治療プログラムを開発し、先進的な取組みを行ってきました。
 また、昨年10月に、国から、全国に5つある「依存症治療拠点機関」の一つに指定され、患者やその家族への専門的な相談支援、精神科医療機関等への助言・指導などの取組みを強化しています。
 患者への支援・再使用防止という点では、スマープを、精神医療センターから他の医療機関へ拡大することは、非常に重要な取組みです。
 そこで、この10月に、精神科が置かれている県内全ての病院や、薬物依存者を支援する民間団体を対象に、スマープの内容や効果について詳しく紹介する研修会を開催いたします。
 また、再使用の防止のためには、退院後の日常生活の中で継続的な支援を行なうことも重要です。
 このため、ダルクなど経験豊富な民間の患者支援団体とも積極的に連携してまいります。
 今後も、県、医療機関、民間団体が相互に連携し、薬物依存者の支援の充実に努めてまいります。
【要望】
 スマープは現在、精神医療センターの対応になっています。できれば、多くの医療機関が対応できるように、二次医療圏に一つ程度こういう機関が展開されることを要望させていただきたいと思います。

 6 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの資質の向上と拡充に ついて
【質問】
 本県において不登校は大きな課題であり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、専門的な知見を有する人と学校が協働で対応することが大変重要であると考える。
 スクールカウンセラーの業務は、児童・生徒だけでなく、教職員や保護者にもカウンセリングなどを行い、一人ひとりの状況に応じて教職員と連携し、適切な対応を行うことであり、全てのスクールカウンセラーが果たすべき役割を理解し、任務にあたることが大切である。
 さらに、文部科学省によると、教員に加えて多様な専門スタッフを配置し、様々な業務を連携・分担してチームとして職務を担う体制を整備することが重要であるとしている。
 そこで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用がより重要となっている中、資質の担保や力量の向上と拡充について、どのように取り組んでいるのか、所見を伺いたい。(教育長)
【教育長答弁】
 教育関係について、お答えします。
 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの資質の向上と拡充について、お尋ねがありました。
 社会がますます多様化、複雑化する中で、子どもたちが抱える課題も深刻の度合いを増しています。専門的な知見をもって子どもたちに対応するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの役割は、大変重要となっています。  お尋ねのスクールカウンセラーなどの資質の向上についてですが、県教育委員会では、まず、採用にあたって、臨床心理士などの資格や、福祉施設での相談経験などを重視しています。
 また、採用後も、県教育委員会で作成した生徒から相談を受けるにあたってのガイドラインを用いて、事例検討も含めた研修等をきめ細かく実施しています。
 特に、小・中学校に採用されている3年未満のスクールカウンセラーに対しては、今年度から、新たに教育事務所等に配置した、経験豊かな5名のスクールカウンセラーが、巡回でアドバイスを行っています。
 こうしたスクールカウンセラーなどの資質の向上を図る取り組みとともに、その拡充にも努めてきました。
 具体的には、今年度、県立学校においてスクールカウンセラーを3名増員しました。また、スクールソーシャルワーカーについても、小中学校を対象に、12名増員するとともに、新たに県立学校で10名を配置しております。
 今後とも、こうした取組により、全ての子どもたちが、安心して学校生活を送れるよう、引き続きスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの質の向上と配置の拡大に努めていきます。
 併せて、今後は教員自らが、スクールソーシャルワーカー的な視点をもって子どもたちを支援していくことも必要です。そこで、社会福祉関係の大学などと連携した研修の実施も検討してまいります。
 答弁は以上でございます。

 7 運転免許制度における高齢運転者対策について
【質問】
 県警察では、高齢運転者の交通事故防止を図るため、運転免許証の自主返納の奨励等の取組を行っていると承知しているが、特に、運転免許更新手続の際の70歳以上の方を対象とした「高齢者講習」や、75歳以上の方の「認知機能検査」といった、道路交通法に定められた制度を適正かつ円滑に運用することが重要であると認識している。
 本年6月には、75歳以上の高齢運転者対策の強化を目的とした改正道路交通法が公布されたが、法改正後に「認知症の恐れがある」と判定された人は、違反経験がなくても医師の診断が義務付けられることとなり、医師から認知症と診断された場合、「免許取り消し」、または「免許停止」となるなど新たな制度が導入されるにあたって、諸準備を推進することは必要不可欠であると考える。
 そこで、運転免許制度における高齢運転者対策の現状と改正道路交通法の施行を見据えた今後の取組について、所見を伺いたい。
【本部長答弁】
 「運転免許制度における高齢運転者対策」についてお答えします。
 まず、高齢運転者対策の現状についてですが、昨年末現在、県内における65歳以上の運転免許保有者数は約95万人であり、今後も、増加するものと見込まれております。
 議員ご指摘のとおり、昨年中の65歳以上の高齢運転者による交通事故の割合は、約18パーセントを占め、10年前と比較して約2倍となっておりますことから、高齢運転者対策を強化しているところであります。
 具体的には、高齢運転者の安全運転を支援するため、高齢者講習の充実を図るとともに、認知機能が低下した方には、運転免許証の返納を勧めたり、医師の診断に基づいた運転免許の取消しや停止処分を行うなどの対策を講じております。
 また、昨年6月から施行された道路交通法では、運転免許更新時における安全な運転に支障のある病状の有無に関する質問票の提出や医師の届出制度が規定されました。
 これらの制度に的確に対応するため、相談専用ダイヤルの設置や担当職員の増員配置等を行ったところであります。
 次に、本年6月に公布された改正道路交通法の施行を見据えた今後の取組についてであります。
 今回の改正では、75歳以上の高齢運転者対策として、認知機能が低くなっていると判定された方は、直ちに、医師が行う臨時適性検査の対象となるなど、さらに安全性を高めた内容が規定されたところであります。
 これに伴い、県警察といたしましては、高齢者講習を行っている自動車教習所や、医師会等に対する情報提供を随時行うなど、関係機関との連携を引き続き強化してまいります。
 また、運転免許の更新時はもとより、各種会合・行事等の機会を通じ、広く県民の皆様に対して改正内容の周知を図ってまいります。
 加えて、運転に関する適性相談や質問票の審査に的確に対応できる職員の育成、また、高齢者講習や認知機能検査の手続が円滑にできるような方法等について、他の都道府県警察の取組も参考にしながら、計画的に諸準備を進めてまいります。
 以上でございます。


議会質問

平成26年度第3回定例会
本会議 代表質問

平成26年9月11日

インターネット議会中継


 1 県民を守る災害対策の推進について
【質問】

(1) 地震防災対策の市町村支援の充実強化について
 平成24年度に創設した市町村地震防災対策緊急推進事業は今年度が最終年度である。市町村はこの補助事業を最大限に活用し、県内の地域防災力の強化に一定の成果があったが、まだまだ取組が必要である。
2020年に向けて県民も観光客も安心でき、世界に誇れる安全な神奈川とするには、地震・津波への対策は急務であり、今後も、市町村が継続して地震防災対策を推進するため、財政面で県の支援の充実強化が不可欠である。県は市町村支援事業の補助を充実させ、市町村の計画的な地震防災対策を促進すべきである。
そこで、今年度で時限となる市町村地震防災対策緊急推進事業について、3年間の事業の成果をどのように評価しているのか。また、来年度以降の市町村支援の充実強化について、どのように考えているのか、併せて所見を伺いたい。

【知事答弁】
 渡辺議員のご質問に順次お答えしてまいります。
 はじめに、県民を守る災害対策の推進について、2点お尋ねがありました。
 まず、地震防災対策の市町村支援の充実強化についてです。
 東日本大震災の発生を機に、大規模災害時の確実な災害情報の提供や避難場所の確保など、緊急的に対応すべき課題が明らかになりました。
 そこで県は、市町村の地震防災対策を支援するため、平成24年度に、「市町村地震防災対策緊急推進事業」を創設しました。
 県は、平成26年度までの3年間で、約9億円の支援を行い、市町村では、これを活用して、約40億円の地震防災対策を実施してきました。
 これにより、神奈川県全体の消防防災力の一層の向上が図られ、補助制度としては、大きな意義があったものと考えております。
 しかしながら、この補助事業は、3年間の緊急事業であり、今年度で終了します。
 一方で、県は、最新の知見を基に、首都直下地震、南海トラフ地震などの被害想定調査を実施しており、今年度末に結果をとりまとめる予定です。
 この結果に基づき、県や市町村は、地震被害を少しでも抑えるため、減災に向けた新たな対策を、集中的に展開していく必要があります。
 このようなことから、市町村からも、補助制度の継続の強いご要望をいただいているところです。
 こうした状況を受け、現在、県では、来年度以降の県の地震防災対策の方向性や、市町村支援のあり方について、庁内で議論を進めているところです。
 県の財政状況や、県全体としての施策の課題等を総合的に勘案しながら、判断してまいります。
【質問】
(2) 災害時の船舶の活用について
 大規模災害時に人命救助や物資輸送などを迅速に行うため、相模湾、東京湾に面した本県では、船舶は有効な手段となる。実際、東日本大震災では、船舶が支援物資や人員の輸送等に使われた。災害時には津波による沿岸部への影響や余震に対する懸念等から、自衛隊や海上保安庁などの公的機関による船舶の応援が重要となるが、緊急時を過ぎた時点からは、民間船舶の活用も必要である。
 国土交通省の大規模災害時の船舶の活用等に関する調査検討会の最終報告では、過去の震災における反省として、どこに船があり、どこに連絡すればよいか分からなかったとの指摘がある。大規模災害時に備え、民間と協定を締結し、事前の調整と連携が必要である。
 そこで、災害時の船舶の活用について、船舶を保有する海上自衛隊や海上保安庁などとの連携強化、また、民間船舶との協定など一層の取組が必要と考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、災害時の船舶の活用についてです。
 大規模災害時には、船舶は、人員や物資などの輸送手段として、重要な役割を果たします。そこで、県では、船舶を保有するさまざまな関係機関や団体等と、本県が被災した場合を想定して、連携を進めています。
 「ビッグレスキューかながわ」では、海上保安庁の巡視艇による救援物資や、海上自衛隊の輸送艇などによる救助部隊の輸送訓練を実施しました。また、津波対策訓練では、漁業団体などで構成する「神奈川県水難救済会」による救出救助訓練を行っています。
 一方で、地震災害時に海上輸送が確保されるよう、県では、耐震性を備えた9つの港を物資受入港として、指定しています。
 また、船舶の確保の面では、国や漁業関係団体、屋形船の団体などと協定を結び、災害時に備えています。
 さらに、港の規模や設備に対応した船舶を確保するため、東京湾や相模湾での豊富な運行実績を持つ民間事業者と、年度内の協定締結に向けて調整を進めています。             来年度は、この協定事業者に対して訓練への参加を呼びかけ、協定の実効性を高めていきます。
 海に面した本県においては、大規模災害時における船舶の活用は、東日本大震災の事例からも重要なものと考えております。今後も、訓練等により、平時から関係機関や事業者との連携を強化し、万が一の際に効果的に船舶の活用ができるよう、対策の充実に努めてまいります。

 2 がん対策について
【質問】
(1) 県立がんセンターにおけるがんワクチンセンターの進捗状況について
 昨年、新しいがんセンターがオープンし、本年4月に同センター内にがんワクチンセンターが設置された。がんセンターがワクチン療法の臨床研究に取り組んでいくことは、がんワクチン療法の進歩、薬事承認に寄与するものと期待している。すでに、研究の核となる医師を確保し、札幌医科大学等からワクチンの提供を受ける予定であり、臨床研究に必要な業務手順の作成、治験審査委員会における承認など、投与に向けた準備が進められている。
 先日、がんセンターでがんワクチンの臨床試験が開始されるとの発表があり、合計30の症例を集めるとのことだが、多くのがん患者ががんワクチンによる治療を心待ちにしている中では、可能な限りより多くの症例への取組が望まれる。
 そこで、がんワクチンセンターについて、投与の拡大や今後のスケジュールなど、どのように進めていくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、がん対策についてお尋ねがありました。
 まず、県立がんセンターにおけるがんワクチンセンターの進捗状況についてです。
 がんワクチンセンターでは、本年4月の開設後、わずか5か月間で準備を終え、この9月から臨床試験を開始します。
 今回は、治療の難しい膵がんなどを対象として、3種類の臨床試験を行うこととしており、本日、9月11日から、協力いただける患者さんの募集を始めました。
 患者さんの募集については、記者発表やがんセンターのホームページへの掲載のほか、県内病院への依頼、全国的な臨床研究のネットワークの活用などにより、患者さんや医療関係者に広くお知らせします。
 今回スタートした臨床試験は、将来的な薬事承認を目指して行うものです。
 そこで、投与の拡大についてですが、薬事承認に必要な臨床試験は、少人数を対象とした段階を経た後、より多くの患者さんを対象とした段階に進みます。
 がんセンターの状況は、30例程度の少人数を対象とした試験段階であり、ワクチンの有効性や安全性を確認し、良い結果が得られれば、次の段階に進むこととなります。
 また、肺がんなど、対象となるがんの部位についても、順次、投与を広げていく予定です。
 今後のスケジュールですが、少人数を対象とした今回の臨床試験については、2年から5年程度の期間を見込んでいます。
 多くの患者さんが、がんワクチン療法に期待していますので、安全性に配慮しながら、一日も早く薬事承認を取得できるよう、県として引き続き支援してまいります。
【要望】
 がんワクチンセンターの進捗についてでございますが、今の少人数で、2年から5年かかるというご答弁がありました。
 これは、専門性の問題もあるかと思いますけれども、県民が期待しているのは、いち早くがんワクチンが承認されることであり、県内どこの病院に入院しても、がんワクチンの投与が受けられることであります。そのための取組の加速化を、強く望むところであります。
 さらには、患者の方々の中には、一刻の猶予もない状況の方々も、多く存在しておられます。それらの方々は、臨床試験の段階であっても、早くがんワクチンを投与してもらえないかと望んでおられます。
 症例の拡大に、ぜひ、先ほどもご答弁いただきましたが、さらに速やかに取り組んでいただきたいことを、要望させていただきたいと思います。
【質問】
(2) 緩和ケアについて
 がん患者が可能な限り質の高い生活を送れるよう、がん診断時も含め、治療、在宅医療、相談などの様々な場面で適切な緩和ケアが提供される必要がある。また退院後は、在宅緩和ケアの推進による切れ目のない緩和ケアの提供体制が構築される必要がある。
 国では、本年1月に、診断時からの緩和ケアの提供に向けて、専門的知識や技術を有する緩和ケアチームの整備、苦痛のスクリーニングや症状緩和に努めること、地域医療機関との連携協力体制の整備など新たな項目を、がん診療連携拠点病院の指定要件に設定した。今後、拠点病院への新指定要件の徹底と在宅緩和ケアの推進が重要な課題である。
 そこで、県は、県内のがん診療連携拠点病院におけるがん診断時から在宅医療に至るまでの緩和ケアの着実な実施に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、緩和ケアについてです。
 緩和ケアについては、かつては、終末期の患者を対象としていました。しかし、現在は、がんと診断されたときから患者やその家族が経験する、身体的・心理的・社会的苦痛を、医療機関がしっかりと受け止め、迅速かつ適切な緩和ケアを実施することが求められています。
 このため、県では25年3月に策定した「神奈川県がん対策推進計画」で、がん診断時から緩和ケアを推進することを重点施策の一つとしています。
 現在、県内17箇所のがん診療連携拠点病院では、新たな指定要件を達成するための取組みを進めています。
 具体的には、まず、緩和ケアチームについては、がん看護専門看護師などの専門的な知識や技能を有する看護師を配置しています。
 また、がん患者の苦痛の程度を知るために、分かりやすい質問票を使い、がん患者と家族が抱える苦痛の緩和に向けて、医療スタッフと緩和ケアチームが連携して取り組んでいます。
 今後、県としても、適切な緩和ケアの推進に向けて、拠点病院を訪問し、直接、医療従事者にヒアリングを行い、取組みの内容を確認し、助言するなど、新たに定められた指定要件の水準の確保を図っていきます。
 加えて、県では今後、在宅緩和ケアの推進に向けて、がん患者やその家族が、身近な地域で切れ目のない緩和ケアを受けられるよう、拠点病院と連携して、地域の医療関係者を対象とした緩和ケア研修を実施し、人材の育成にも、引き続き取り組んでまいります。

 3 障害者支援について
【質問】
(1) 今後の障害者地域生活支援について
 県は在宅重度障害者等手当の見直しで生まれた財源を活用し、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱に定めた基本方針をもとに具体的な取組を進めている。しかし、県財政は依然厳しい状況で、プログラム大綱の実施期間も今年度までであり、今後、取組を充実できるのか危惧している。また、重度障害者医療費助成制度において精神障害者のみ入院医療費は補助対象外となっており、身体障害者・知的障害者との不均衡が生じている。
 そこで、@県の財政状況が厳しい中でも、障害者のための取組を充実していくには、在宅重度障害者等手当の見直しにより生まれた財源を使うものと理解しており、その活用額を明示していくべきと考えるが、所見を伺いたい。また、A重度障害者医療費助成制度において、精神障害者保健福祉手帳1級の障害者の入院医療費を補助対象にすべきと考えるが、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、障害者支援についてお尋ねがありました。
 まず、今後の障害者地域生活支援についてです。
 県では、平成21年7月に、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱を策定して以来、障害者の地域生活支援を推進するためのさまざまな事業を実施してきました。
 プログラム大綱の実施期間は今年度までとなっていますが、障害者の地域生活を支えるために必要な事業は、今年度に改定を行う、「神奈川県障害福祉計画」に盛り込み、今後もしっかりと実施していきます。
 そこで、お話のあった在宅重度障害者等手当の見直しによる財源の活用額の明示についてです。
 プログラム大綱事業の中には、当初、県単独で充実したものが、その後、国庫の対象事業に移行したものや、事務の効率化などの理由から、その他の事業と統合したものがありますので、活用額について、正確な算出ができない状況があります。
 このため、これに代わるものとして、障害者の地域生活を支える事業費総額と、県費投入の規模を公表していきます。
 また、重度障害者医療費助成制度については、市町村が医療費を助成する場合に、県がその一部を補助する仕組みとしています。
 精神障害者保健福祉手帳1級の障害者に対する入院医療費への補助拡大については、障害者団体の皆様からの要望が大きいことは承知していますが、市町村の財政的負担の問題などの課題もありますので、慎重に検討していきます。
 今後も、障害者の地域生活支援を推進していく県の方針に変わりありません。誰もが安心して豊かに暮らすことができる地域社会の実現を目指してまいります。
【要望】
 障害者支援について
 我が会派は、精神障害者の医療費の助成については、2級への対象拡大も必要と考えていますが、まずは、精神障害者1級の入院費助成について、既に14市町が実施をしております。そういう意味では同等の考え方でぜひお願いしたいと思います。
 障害者差別解消法が施行されることも踏まえて、ぜひ前向きに、積極的に検討を願いたいと要望させていただきます。
【質問】
(2) 特別支援学校の教育環境について
 知的障害教育部門高等部の生徒はスクールバスの乗車対象外だが、毎日、保護者が送迎しなければならないケースも生じている。一人ひとりの障害の状況を把握し、必要がある生徒にはスクールバスの乗車を認めるべきである。また、タブレット型コンピューターの配備と活用も重要である。神奈川県全体の特別支援学校におけるタブレットを含む教育用コンピューターの整備状況は、全国39位と低位にある。電子化全開宣言でも、特別支援学校では様々な場面で情報機器の整備が必要とされている。
 そこで、知的障害教育部門高等部の生徒のスクールバスへの乗車についての考え方を伺いたい。また、県立特別支援学校へのタブレットを含めた教育用コンピューターの配備の状況と今後の計画、タブレットを活用してどのような教育を行おうとしているのか、所見を伺いたい。(教育長)
【教育長答弁】
 特別支援学校の教育環境について、お尋ねがありました。
 まず、知的障害教育部門高等部の生徒のスクールバス乗車の考え方についてです。
 知的障害教育部門高等部の生徒は、現在、教育の一環として、卒業後の就労など、将来の自立と社会参加に向け、公共交通機関を利用して、自力通学を原則に取り組んでいます。こうした中、障害の程度や、地域の公共交通機関の状況などにより、自力通学が困難な生徒については、市町村やNPOの移動支援事業の利用をお願いしてきました。これらのサービスが提供されてなく、利用できない場合は、保護者に行き帰りの送迎の負担をおかけしています。
 今後の考え方ですが、まずは、地域の交通事情や保護者の送迎に要する時間、生徒の障害の状況等を総合的に把握します。その上で、知的障害教育部門高等部の生徒のスクールバス乗車について、どのような工夫ができるのか、考えてまいります。
 次に、県立特別支援学校での教育用コンピューターの配備とタブレット型端末の活用についてです。今年度末までのタブレットを含む児童生徒用の教育用コンピューターの整備は、計1,028台を計画しており、その結果、児童生徒5.5人に1台となる予定です。
 今後は、当面、国の第2期教育振興基本計画で示された3.6人に1台を目指して、計画的な整備に努めていきます。
 こうしたタブレットの活用ですが、例えば、言葉で表現することが苦手な生徒も、画面を指で操作することで音声を出力することができます。このような特性を活かし、生徒の自主的な意思の伝達を支援するツールとしていきます。また、高等部の職業教育では、タブレットを活用し、製品の組立作業等の手順を写真や動画で示すことで、自立して学習に取り組めるようにしていきます。
 このように児童生徒が、障害の状態に応じて、タブレットを教育の様々な場面で利用することで、主体的に学ぶ意欲を育み、将来の自立と社会参加に繋げてまいります。
 以上でございます。

 4 医療・介護施策について
【質問】
(1) 難病対策の改革に係る新たな制度について
 本年5月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が可決成立し、来年1月1日の施行が目前に迫っている。今回の国の難病対策の改革では、医療費助成の対象となる疾患の拡大、新たな医療提供体制として指定医療機関や指定医の制度、相談支援体制として難病対策地域協議会の設置などが打ち出されている。
 こうした中、来年1月1日の法施行に向けて、県が行うべきことは実に盛りだくさんであり、このわずかな期間に準備を終えて、円滑な制度移行が可能なのか、医療側、患者側ともども、混乱をきたさないか、不安を感じる。
 そこで、平成27年1月1日の法施行に向けて、円滑に制度移行を行うため、様々な課題に対して、どのように重点的に取り組もうとしているのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】

 次に、医療・介護施策についてお尋ねがありました。まず、難病対策の改革に係る新たな制度についてです。
 医療費助成の対象となる難病を大幅に拡大することなどを目的とした「難病の患者に対する医療等に関する法律」が、平成27年1月に施行されます。
 現在、県では患者の皆さんの混乱を招かないよう法律の施行に向けて準備を進めていますが、今後取り組むべき課題としては、三つあると思います。
 まず第一に、対象疾患が、これまでの56疾患から、法施行の段階で110、さらに来年夏には約300に拡大することから、対象疾患の患者の皆さんに対して制度の周知をしっかりと行うことです。
 そのため、新たに対象となる疾患について、県のたよりへ掲載するほか、患者の皆さんが訪れることが多い医療機関などにポスターを掲出するなど、様々な機会を通じて周知していきます。
 第二に、難病患者の社会参加のため、地域における支援策を充実させる必要があります。
 法制化により、難病患者の療養生活支援のため、保健福祉事務所、医療・福祉等の従事者などで構成する難病対策地域協議会を設置することとされました。
 そこで、県内すべての地域で、この協議会を設置するよう、政令市、保健所設置市とも早急に協議して取り組んでいきます。
 第三に、医療費助成を受けるためには、医療機関や医師が指定を受ける必要があります。
 そこで、県医師会、県病院協会、県薬剤師会を通じて各医療機関に周知し、ご理解いただき、より多くの医療機関、医師が指定機関となるよう働きかけていきます。
 こうした取組みを着実に進め、平成27年1月の法施行に向けて、より多くの難病患者の皆さんが、この制度を大いに活用できる環境を整えてまいります。

【質問】
(2) 生活支援ロボットの更なる普及促進策について
 生活支援ロボットは、まだ種類も少なく、価格も高い。爆発的に普及させていくためには、購入時のコストを下げる直接的な支援が必要であり、購入やリースをしようとする県民や施設に対し、県からの補助金の交付を行うことは、有力な手法である。
 また、県民個人や家庭への普及の手法としては、県民が製品化されたロボットのモニターとなって一定期間使用し、改善点を提案することも考えられる。さがみロボット産業特区は製品化される前のロボットの実証に力点を置いているが、その枠組みを広げ、実証の一環として個人がロボットを利用することで、両者にメリットが生じると考えられるため、積極的な検討が必要である。
 そこで、今後、実際に生活支援ロボットを県民の間に広く行き渡らせるため、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】

 次に、生活支援ロボットの更なる普及促進策について、お尋ねがありました。
 はじめに、ロボットの価格の低下についてです。
 県では、ロボットの価格を可能な限り抑えるため、3つの取組を進めています。
 一つ目は、介護ロボットに対する介護保険の適用の促進です。本年7月には、特区として、パワーアシストハンドやパルロなど、5つの介護ロボットへの介護保険適用を国に申請しました。これが認められれば、利用者の負担は10分の1に軽減され、普及を強力に後押しすることができます。
 二つ目は、国の補助事業の活用です。先般、介護者の腰の負担を軽減するロボットの介護施設への導入・実証について、国の補助が採択されました。こうして購入費用等を抑えることで、導入・定着に弾みがつきます。
 三つ目は、「神奈川版オープンイノベーション」の展開です。すでに、移動支援シルバーカーなど5つの共同開発が進んでおり、複数の企業が優れた技術を持ち寄ることで、一から開発するよりもコストを抑えることが期待できます。
 このように、まずは、ロボットの価格の抑制につながる取組を精力的に進めてまいります。その上で成果を確認し、より実効性の高い支援策を検討してまいります。
 次に、ロボットを気軽に試すことができるよう、製品化されたロボットのモニター制度について、ご提案をいただきました。
 モニターとなる方にとっては、購入するよりも気軽に使用でき、メーカーにとっても売上の増加や性能の向上につながるなど、双方にメリットが見込まれる素晴しいアイデアです。
 今後は、企業や利用者の意見も聞きながら、具体的な実施方策等について、検討を進めてまいります。
 こうした普及・浸透を図る取組を多角的に進めていくことで、「さがみ」発のロボットを県内外に広く行き渡らせてまいります。

【再質問】
(2) 生活支援ロボットの更なる普及促進策について【再質問】
 生活支援ロボットの更なる普及促進策についてですが、今知事からは様々な取組にご答弁いただきました。その中でもモニター制度については、非常に前向きなご答弁をいただいたかと認識しておりますが、先ほど質問の中でも入れさせていただきましたが、本日、知事は国のロボット革命実現会議の委員になられたところであります。規制の壁を破り、革命といわれるような取組を実現していただきたいと思っていますが、本県がモデルとなるような取組をリーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、ロボットの個人・家庭への普及支援に前向きに取り組んでいただきたいと考えますが、再度、知事の決意を伺います。
【知事答弁】

 それではお答えいたします。
 本日は、議会の皆様のご理解を得ながら、「ロボット革命実現会議」の第1回の会合に出席してまいりました。安倍総理、小渕経済産業大臣、そして各省の大臣・副大臣等がずらっと居並ぶ中で、せっかくの機会でありますから、この「さがみロボット産業特区」の取組、ヘルスケア・ニューフロンティアといったものについて、強く訴えてきたところでありました。
 参加している色々なメンバーは、製造業、観光、介護事業、農業と様々な分野でありましたが、私のような立場の人間は私だけでありましたので、それだけ「さがみロボット産業特区」への注目度が高いということを実感した次第でありました。
 こうして見て頂いても分かるように、本県がすでにモデルとなっているのだということを、私はもう自覚をしております。
 その中で、個人に、家庭に普及していくためには、どうすればいいのかというのは、ずっと考えてきた大きなテーマであります。この間発表しましたが、「さがみロボット産業特区」を皆さんに実感していただくという意味で、「さがみロボット産業特区」の特別なホームページも作りました。また、それを紹介する動画、これも大変気合の入った動画であります。これを見ていただくと、ワクワクするような感じがする、そういった動画も作らせていただいたところであります。
 そういうことがある中、どんどん今「さがみロボット産業特区」にロボット関連産業が集積しつつあります。この流れを通じて、個人そして家庭への普及を促進していくことに全力を注いでまいりたいと思っております。ありがとうございました。


 5 子ども達の将来を守るための支援について
【質問】
(1) 学びへの意欲ある若者のための私学助成について
 意欲と能力のある若者が、私立学校へ進学する場合には、入学金や授業料等、いわゆる公私間格差が依然として存在している。
 その中でも専門学校は、高度な職業教育を受けられ、就職につながりやすいが、一方で学費負担が重いため、国において、専門学校生への新たな経済的支援のあり方の検討を始めている。
 私学助成のあり方については、「神奈川の教育を考える調査会」の最終まとめの中で、学費補助への重点化や各校の魅力向上などが反映される経常費補助方式の検討などの方向性が示され、現在、私学助成制度運営協議会において検討を進めている。
 人材こそ県の財産であり、一人ひとりの可能性を最大限に発揮できる社会の実現に向け、県が若者を更に支援すべきである。
 そこで、県として、学びへの意欲ある若者のための私学助成について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、子ども達の将来を守るための支援について、2点お尋ねがありました。
 まず、学びへの意欲ある若者のための私学助成についてです。
 これからの神奈川を担うのは若者であり、その学びの機会を確保していくことは大変重要です。
 このため、公立学校とともに公教育の一翼を担っている私立学校への助成は、本県にとって重要課題の一つであると認識しています。
 こうした認識のもと、本県では、これまで、学校運営の経常的経費に係る補助や、保護者の学費負担の軽減を図るための補助により、私立学校の振興を図ってきました。
 今年度当初予算においては、私立学校経常費補助として、約454億円を、また、私立高校等の学費補助として、国の就学支援金と合わせて約122億円を計上しています。
 こうした中、これからの私学助成のあり方については、「神奈川の教育を考える調査会」からの提言を受け、学識経験者や私学関係者で構成される「神奈川県私学助成制度運営協議会」を開催し、様々なご意見を伺いながら、検討を進めているところです。
 一方、専門学校生への経済的支援に係る補助制度はありませんが、現在、文部科学省において、専門学校の実践的職業教育機関としての役割に着目し、専門学校生への補助制度の創設を検討しています。
 本県としては、全国どこの専門学校でも同じ水準の補助が受けられる、国の制度として実施するよう、全国知事会を通じて国へ要望しているところです。
 引き続き、意欲ある若者が学ぶことのできる環境づくりのため、国に対して必要な働きかけをしていくとともに、教育調査会の提言を受けた、学費補助の重点化や、各校の魅力向上が反映される経常費補助方式など、私学助成のあり方を検討してまいります。
【質問】
(2) 子どもの貧困対策の推進について
 本年1月に施行された子どもの貧困対策の推進に関する法律を受け、国は8月末に今後の国の取組等をまとめた大綱を閣議決定した。この法律では、都道府県に対し、大綱を勘案した都道府県計画の策定を規定しているが、努力義務にとどまっている。
 一方、県も児童扶養手当や高校生等の奨学金制度の運用など、各局が子どもの貧困対策に関連する施策を実施しているが、子どもの貧困対策は、生活困窮者対策や女性の就労支援といった親への支援も含めた非常に幅広い対策が必要であり、これまでのような縦割りではなく、全庁的に取り組むことが特に重要である。 
 そこで、子どもの貧困対策について、県の姿勢として、まず努力義務とされる子どもの貧困対策の推進に関する計画を策定するのか伺いたい。また、県として、この問題について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、子どもの貧困対策の推進について、お尋ねがありました。
 貧困は、子どもたちの生活や成長に様々な影響を及ぼしますが、その責任は子どもたちにはありません。
 子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る「子どもの貧困対策」は極めて重要です。
 国でも、こうした認識のもと、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定され、今年1月に施行されました。
 この法律では、政府は子どもの貧困対策に関する基本方針などをまとめた「大綱」を定め、都道府県はこの「大綱」を勘案して、子どもの貧困対策に関する計画の策定に努めることとされました。
 8月末に閣議決定された「大綱」では、全国で16.3%とされる子どもの貧困率や、ひとり親家庭の子どもの高校進学率などの指標と、その改善に向けた重点施策が示されました。
 本県では、グランドデザインで子どもの安心のための総合的な支援をプロジェクトに掲げ、子どもの自立支援等に取り組んできたところですが、子どもの貧困の視点からは、体系化・総合化されていませんでした。
 そこで、今回の法と大綱の趣旨を踏まえ、本県でも、子どもの貧困対策を総合的に推進するため、県計画を策定することといたします。
 子どもの貧困対策は、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援など、非常に多岐にわたるため、庁内の各局はもちろん、市町村とも連携して総合的に進める必要があります。
 今後、全ての子ども達が、夢と希望をもって成長していける社会の実現に向け、この計画に基づき、子どもの貧困対策に横断的、総合的に取り組んでまいります。

 6 公的オンブズマン制度の導入について
【質問】
 行政に対する監視、チェック機能は極めて重要である。議会では議会基本条例を制定し、会期日数を増やすなど機能を強化し、県民の様々な意見を反映できる取組を進めている。また、県も広聴制度や監査制度などが一定の役割を果たしているが、県民等の意見をどこまで反映させるのかは、行政側の裁量の中での対応に留まっている。                         オンブズマンに期待される機能として、特に重要なのは、行政監視機能と行政改善機能である。行政監視を目的とした民間オンブズマンもあるが、任意団体であり調査権限や勧告権限はない。そのため、行政監視、改善機能を十全に果たす機関として、より公平な住民目線を持ち、公に認められた立場で、調査や勧告を行う権限を付与された公的オンブズマンの存在が必要である。
 そこで、公的オンブズマン制度の導入について、どのように考えているのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、公的オンブズマン制度の導入についてお尋ねがありました。
 県行政を進めるにあたって、外部からの視点で行政をチェックするということは大変重要であります。
 このため、行政の事務が適切・効率的に行われているかを独立した立場でチェックする監査委員制度があり、議員から選出された委員と識見を有する委員により、毎年、全ての所属を監査いただいています。
 また、平成11年度からは、公認会計士などの外部の専門家による包括外部監査制度を導入し、監査機能の専門性、独立性を強化しています。
 毎年度実施している包括外部監査では、これまで、基金の管理運用や労働事業など51件のテーマについて取り上げていただいています。
 こうした監査における指摘事項や意見については、真摯に受け止め、県の行政運営の改善に反映しています。
 さらに、「わたしの提案」制度や「知事あての手紙」などにより、県民の皆様の個別のご意見を受け止めています。これに加え、「対話の広場」や現場訪問などで率直なご意見を直接伺っており、速やかに県政に反映できるよう努めています。
 最近の事例では、新聞報道もされましたが、病気で長期間入院し苦労された高校生からこの6月に届いた手紙をきっかけとして、9月には、早速各学校が教員を病院へ派遣して学習支援する制度を始めたところです。
 こうした取組みを通じ、行政運営の改善に努めておりますので、現段階では、公的オンブズマン制度を取り入れる考えはありません。引き続き、今後とも県民の様々なニーズに的確に対応し、信頼される県政運営に取り組んでまいります。
 私からの答弁は以上です。
【要望】
 否定的なご答弁だったと思いますが、公的オンブズマン制度の導入について、現行制度が機能しているというご答弁は、しごく当たり前と考えます。しかし、この制度を導入した他県若しくは県内の市町村は、知事がご答弁にあったような監査制度や提案制度が機能していないわけではありません。
 その上でさらにこういう制度を設けております。不祥事発生を機にして多くの県がこの制度を導入しています。不祥事という観点からは、本県も過去にもありましたし、今後もないとは限りません。現行の制度を補完する意味で検討を前向きにお願いしたいということを要望させていただきます。


議会質問

平成25年度第3回定例会
本会議 一般質問

平成25年9月13日

インターネット議会中継


 1 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の区域拡大等におけるヘッドクォーター機能について
【質問】
 第6回ライフイノベーション地域協議会で、特区の目標実現を加速させるために13の区域を新たに追加することを国と調整しているとの報告があった。特区の取組みは、着実に進展していると考える一方、先日視察した関西イノベーション国際戦略総合特区では、関西広域連合と関西経済連合会が共同して、ヘッドクォーターとも言うべき常設事務局を設置しており、他の特区と比較して優位性があると感じた。
 本県は、横浜市、川崎市と共同で国家戦略特区への提案を過日行い、県内2つの特区を連携させた「ヘルスケア・ニューフロンティア」を目指してもいるところであり、なお更、国や他県とも連携できる体制整備が必要と考える。
 そこで、ライフイノベーションの一層の加速に向け、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区等における本県に相応しい効果的な推進体制について、どのように考えるのか所見を伺いたい。
【知事答弁】
 渡辺ひとし議員のご質問に順次お答えします。
 はじめに、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区等における本県に相応しい推進体制について、お尋ねがありました。
 京浜臨海部の特区については、県、横浜市、川崎市や大学、民間事業者などで組織する「ライフイノベーション地域協議会」を設置し、行政と民間が一体となった推進体制を作っています。その上で、事務局機能については、県、横浜市、川崎市の3団体が一枚岩となって取り組んでおります。
 こうした中、議員のお話にもありましたとおり、特区の区域拡大を国に申請し、また、一昨日には、ヘルスケア・ニューフロンティアの実現を目指し、3団体共同で、国家戦略特区への提案を行ったところです。
 そこで、このような政策環境の変化も踏まえ、今後の特区の推進体制を、さらに確かなものとしていきたいと考えております。
 まず、他の特区との連携について、例えば、東京都のアジアヘッドクォーター特区とは、国主導による検討会が設置されており、こうした場をしっかりと活用し、連携を深めてまいります。
 また、国家戦略特区が採択された場合には、担当大臣や自治体等で構成する「統合推進本部」が設置される予定であり、こうした体制も活用して、着実に推進してまいります。
 本県では、本年4月にライフイノベーション国際協働センター(GCC)をスタートさせました。
 アドバイザーにFDAの元次官を迎え、海外との橋渡しを行い、企業の国際展開に向けたサポートが具体的に動き出すなど、スピード感を持った民間主体の取組が進んでいます。
 そして、本県にとって、最も効果的な推進体制というのは、何よりも、知事であるこの私自身が「ヘルスケア・ニューフロンティアを何としても実現したい」という強い想いを持っていることであります。安倍政権との太いパイプも活用しながら、先頭に立ってしっかりと取り組んでまいります。
 今後、国家戦略特区を踏まえ、ライフサイエンス関連の企業・研究拠点・人材等の集積が進む、本県のポテンシャルを活かした、より効果的な推進体制について、横浜市、川崎市としっかりと検討してまいります。

 2 県立がんセンターにおけるがんワクチンセンターの推進について
【質問】
 本年3月の第1回定例会予算委員会において、「がんワクチンセンター」の設置について、知事から、本年オープンする新しい県立がんセンターに、がんワクチンセンターを設置する方向で、県立病院機構と協議するという答弁があった。
 県立がんセンターにおける「がんワクチンセンター」の設置については、多くの患者さんがこうした治療の実現を待っている状況であり、ワクチン選定等の課題があるとは承知しているが、早期実現が切望されている。
 そこで、現在、県立病院機構と「がんワクチンセンター(仮称)」の設置に向けて、協議を進めているものと認識しているが、現時点で、設置に向けてどのようなスケジュールが想定され、取組みが進むのか伺いたい。
【知事答弁】
 次に、県立がんセンターにおける、がんワクチンセンターの推進について、お尋ねがありました。
 現在、我が国の医薬品は大幅な輸入超過となっており、この解消のためには、日本発の革新的な医薬品の開発が急がれています。
 そうした中で、もともと日本が先行していたがんペプチドワクチンは、いまや世界中で熾烈な開発競争が行われているところであり、日本での研究開発が、より加速化されるよう、私も参与となっている政府の健康・医療戦略参与会合の場で意見を述べました。
 この結果、本年6月に決定された健康・医療戦略に、がんペプチドワクチンを始めとしたがん治療薬の研究開発が、位置付けられたところです。
 また、がんペプチドワクチン療法は、がんの第4の治療法として期待されている治療法であり、多くの患者さんが、一日も早い治療の実現を望んでいます。
 このため、県は、承認前ではありますが、県立がんセンターで、臨床研究として、がんペプチドワクチン療法に取り組むこととしました。
 現在、県立がんセンターでは、がんペプチドワクチンの提供先との調整を進めており、速やかに、接種するがんワクチンを決定し、併せて責任者となる医師を確保して、来年4月の「がんワクチンセンター」開設を目指しています。
 その後、人員体制を整えたうえで、臨床研究に必要な業務手順の作成や、倫理委員会での承認を経て、がんペプチドワクチンの接種を開始したいと考えております。

 3 胃がん対策におけるABC検診について
【質問】
 胃がんは、本県では部位別のり患者数で男性2位、女性3位を占めるが、早期発見・早期治療により5年相対生存率が大きく向上するがんである。その胃がんの大きな原因といわれるのが、ピロリ菌の存在で、わが党では、胃がん対策を推進するため、このピロリ菌の除菌治療を慢性胃炎まで拡大し、保険適用とするよう、働きかけを続け、今年2月から保険適用となった。胃がんの検査方法として、国は、エックス線検査のみを検診項目として定めているが、県内の市町村でも、胃がんのリスク検査として、採血による血液検査により、胃の中のピロリ菌の有無と胃の粘膜の萎縮を調べ、胃がんの発症リスクの度合いに応じて、分類・判定する、いわゆる「ABC検診」を既に導入しているところもある。
 そこで、県として、ABC検診についてどのように考えるのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、ABC検診についてお尋ねがありました。
 がんは、死亡原因の第1位であり、約3人に1人ががんで亡くなっています。一方で、検診などによるがんの早期発見や、医療技術の向上により、がん患者の生存率は向上し、今や半数以上の患者が治る時代となっています。
 このため、県では、今年3月に策定した「神奈川県がん対策推進計画」において、がんの早期発見を重点施策のひとつとして位置づけ、がん検診の受診促進に取り組んでいるところです。
 胃がん検診は、健康増進法に基づき市町村が実施しておりますが、その検診項目や方法については、国が有効性の検証・評価を行った結果、その指針により、問診とエックス線検査によることとされています。
 ABC検診は、将来がんになるリスクを見るもので、受診時に胃がんに罹っているかどうかを判定するものではありません。
 県としましては、現在、推進している「ヘルスケア・ニューフロンティア」の中で未病の見える化を進めようとしています。この未病の見える化とは、病気の一歩手前や病気になっていない未病の段階の健康状態を明らかにすることです。このABC検診は、その意味で有意義な手段の一つであると考えております。

 4 障害者地域生活支援の現状と今後について
【質問】
 県では、障害者の地域生活を進めるため、障害者に対して支給してきた在宅重度障害者等手当の見直しと合わせ、平成21年に「かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱」を策定し、大綱に定めた基本方針をもとに具体的な取組みを進めてきたが、これまでの取組みを見ると、障害者グループホーム等サポートセンターの設置等に取り組んできたことは承知していても、見直し財源の活用としては甚だ不十分である。プログラム大綱は平成26年度をもって対象期間が終了するが、我々議会並びに関係者の方々に約束した取組みは、未達成であり財源活用が不十分である。
 そこで、@プログラム大綱事業の重要な事業である、重度障害者医療費助成制度における精神障害者への拡充について、市町村の取組み状況を伺うとともに、A今後も障害者の地域生活支援を推進するためには、27年度以降も、プログラム大綱に位置づけられている事業を継続・充実していく必要があると考えるが併せて伺いたい。
【知事答弁】

 次に、障害者地域生活支援の現状と今後について、お尋ねがありました。
 まず、重度障害者医療費助成制度についてですが、昨年度から重度の身体障害者と知的障害者に加え、重度の精神障害者の通院医療費についても助成対象とし、障害者の地域生活支援の充実を図っています。
 この制度は、市町村が通院医療費を助成する場合に、県がその一部を補助する仕組みとしており、昨年2月に県と代表の市町で検討会を設置し、精神障害者への適用拡大を市町村に働きかけてきました。
 その結果、精神障害者を対象としている市町村は、平成23年度末に12だったものが、現在は、倍以上の27市町村となっています。さらに実施を予定している市町もあり、今年度中には30程度の市町村に広がる見込みとなっています。
 次に、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱に基づく事業についてです。県は、住まいの場であるグループホーム等の設置や利用を促進する事業、医療的ケアを行うホームヘルパーを養成する事業など、様々な事業をプログラム大綱に位置づけ、障害者の地域生活を支援する取組みを進めています。
 こうした取組みにより、この3年間で、グループホーム等の利用者数は2割の増、ホ
ームヘルプサービスの利用者数は3割の増、家族のレスパイト、休息のためにも重要な短期入所の利用者数も3割の増となっており、障害者が、地域生活を送るために必要な福祉サービスの利用状況は、着実に拡大しているところであります。
 今後も、プログラム大綱に定めた基本的な方向性に沿って、誰もが安心して豊かに暮らすことができる地域社会の実現を目指し、必要なサービスが必要な人に行き届くよう、障害者の地域生活支援を推進してまいります。

【再質問】
 障害者地域生活支援について再質問をさせていただきます。
 県は障害福祉サービスの利用が増えているとしていますが、それは先ほどの質問でも述べましたが、国の法定サービスの増であります。
 在手見直し議論の際は、県単独財源が浮く分は、県独自の事業に充てるとの理解で、我々県議会も納得し苦渋の決断をいたしたところであります。
 しかし、平成21年度、制度見直し前の、在宅重度障害者等手当ての当初予算額は約43億円でしたが、経過措置期間が終了した、今年度は約6億円になっています。その差額は、約37億円になりますが、一方、そのうち手当の見直し財源活用額は、今年度も約15億円でしかありません。
 緊急財政対策には一定の理解を示すところでありますが、約束は約束としてプライオリティーの問題として、履行すべきだと考えます。政治・行政が今求められているのは、それは信頼だと思います。
 まだまだ、事業内容と活用額が不十分と考えます。精神障害者の医療費補助範囲の拡大、または、障害者の方が高齢化した家族の支援をするという通常の逆の現象も新たな課題として出てきているなど、県が単独で行うべき事業は多々あります。
 ゆえに、27年度以降もプログラム大綱に基づく事業を継続すると共に事業の拡大に努めるべきと考えます。また、そのため、27年度以降もプログラム大綱を策定し進行管理していくべきだと思いますが、最後、所見を伺います。
【再質問への知事答弁】

 ご指摘につきましては、平成21年6月定例会の常任委員会において、当時の保健福祉部長が、在宅重度障害者等手当の見直しと併せて、地域生活支援を推進するためにプログラム大綱を立ち上げるにあたって、新規と既存の施策の充実分を約16億円程度と推計するとの答弁をしたと認識しております。
 平成24年度には、プログラム大綱事業の予算額は40.6億円、在宅重度障害者等手当の見直し財源活用相当部分は16.1億円でありました。
 25年度につきましては、施設整備の完了、実績を踏まえた所要額の精査などにより、プログラム大綱事業の予算額は37.6億円、見直し財源活用相当部分は14.9億円となっていますけれど、緊急財政対策を実施している中、重度障害者医療費助成制度の精神障害者への適用など施策の充実を図るなどプログラム大綱事業の充実に努めたところであります。
 この質問のプログラム大綱、27年度以降も拡大するべきではないかということでありますけれども、平成27年度以降というのは、本県の財政状況、給付費等の県費負担金の動向を見守り、市町村や関係者の意見、意向を聞きながら、障害者の地域生活支援に必要な事業を実施してまいりたいと思っております。
 また、この平成27年度以降のプログラム大綱のあり方につきましても、次期障害福祉計画を策定していく中で、検討していきたいと考えております。

【要望】
 我々が大綱を作れと言うのは、見える化をするという県の様々な施策の流れの中で、大きな計画の中に入れるのではなくて、そうすると国の取組も、県の独自の取組も包含されてしまって、なかなか見えてきません。そういう意味では大綱を別途作り、もしくは別途何らかのかたちで管理をして、どのような進行管理になっているのか、進捗になっているのかやるべきと、このように要望させていただきたいと思います。

 5 自殺対策について
【質問】
 本県では、自殺者数が6年ぶりに1,800人台から1,600人台となり、減少傾向の兆しが見えてきたが、未だ多くの方が尊い命を自ら絶っているという状況に変わりはなく、自殺対策は、喫緊の課題として、今後とも、重点的に取り組むべき対策である。自殺の背景にはさまざまな社会的な要因が複雑に関係しており、自殺対策を総合的に推進する必要があることから、平成23年3月に、「かながわ自殺総合対策指針」を策定し、対策を推進してきている。国は、平成24年に「自殺総合対策大綱」の見直しを行い、今後は、地域レベルの実践的な取組を中心とする自殺対策への転換を図る必要性が掲げられている。
 そこで、自殺対策については、自殺未遂者対策など、地域の特性に応じた取組が必要と考えるが、そうした観点から、県は、今後、どのような対策を講じていくつもりなのか所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、自殺対策についてお尋ねがありました。
 平成24年の本県の自殺者数は、1,644人と減少したものの、依然として深刻な状況が続いており、自殺対策は継続的に取り組むべき課題です。
 私は、知事に就任して、最初の県民との対話の広場、「かながわの『いのち』を守る」での意見を受け、平成23年11月から、こころの電話相談の拡充とフリーダイヤル化を実施しており、相談件数は、以前の5倍となっています。
 去る9月10日の世界自殺予防デーには、私も、茅ヶ崎駅周辺で、自殺対策の街頭キャンペーンを行いました。
 また、悩みに気づき、話を聞き、相談につなげる「ゲートキーパー」については、平成24年度末で、グランドデザインに掲げた目標2万人を上回り、3万人以上の養成を行ったところです。
 本県の自殺者数が、6年ぶりに減少に転じたことは、こうした相談支援、普及啓発、人材養成等に長年にわたり取り組んできたことが要因の一つではないかと考えますが、今後は、本県の実情に合わせた実践的な取組を充実していくことも必要です。
 本県では、自殺者の5人に1人が、自殺未遂歴のある方であり、自殺未遂者の支援に重点的に取組む必要があります。
 昨年度、救急医療機関に対して行った自殺未遂者の実態調査では、自殺未遂者へのフォローについて、その必要性は感じるが、対応できていないといった状況でした。
 そこで、今年度は、救急医療機関と保健所が連携し、地域において、自殺未遂者やその家族のための相談支援体制を構築していきます。
 また、地域の特性ということですが、本県の鉄道における自殺者数の割合が全国平均よりも高いという面もあります。そのため、鉄道関連の自殺対策も重要であります。
 そこで、本定例会に、補正予算として審議をお願いしていますが、自殺対策に効果があると見込まれる青色照明を駅に設置する鉄道事業者に対して、その費用を助成していきたいと思います。
 このように、これまでの取組に加え、きめ細かな対策に取り組んでいくことにより、自殺者数の一層の減少に繋げてまいります。

 6 富士山火山対策について
【質問】
 県は、大規模地震への備えとして、地震災害対策推進条例を制定するなど、対策強化を打ち出しているが、大規模災害は地震だけではなく、火山対策、とりわけ日本最大の活火山である富士山への対策が重要である。実際、富士山の最後の噴火である宝永噴火では、江戸でも降灰に見舞われ、足柄平野でも火山灰による洪水など、大きな被害が発生した。人口が増加した現代において、富士山が噴火すれば、その影響は大きいと推測され、事前の対策を検討しておく必要がある。
 そこで、富士山の噴火への対応には、多くの課題があるが、こうした課題に対して、県は、国や関係自治体と連携し対策を進めるべきと考えるが、どのように取り組むのか伺いたい。
【知事答弁】
 次に、富士山火山対策についてです。
 富士山が噴火した場合には、県民生活や産業活動などに、広域的な影響が及ぶことが想定されます。
 そこで、これまでも、山梨、静岡両県とも連携しながら、ハザードマップの作成などに取り組んでまいりました。
 富士山火山対策には多くの課題がありますが、まずは、噴火の被害から命を守ることが重要です。
 そこで、3県の連携による取組みを、さらに進めるため、昨年6月には、国の関係機関等も参加する「富士山火山防災対策協議会」を設置したところです。
 この協議会では、噴火の際に人命を保護するための「広域避難計画」を、今年度中に策定します。
 来年度は、この計画をもとに、3県が合同で、富士山噴火を想定した実働の避難訓練を実施する予定です。
 また、富士山が噴火した場合には、本県全域で大量の火山灰が降ることが想定されています。
 降灰によって、家屋の倒壊や降雨による土石流の発生のほか、道路・交通機関、さらには産業や都市機能への深刻な影響も想定されます。
 8月に大きく噴火した桜島の事例も参考になりますので、本県職員を鹿児島県に派遣し、降灰への対策や対応状況などを調査しました。
 鹿児島県とは、今年度から、様々な分野で交流を始めておりますので、温泉地学研究所も交え、降灰対策も含め、火山噴火対策に対する連携を深めていきます。
 今後とも、こうした先進事例や、5月の国の提言「大規模火山災害対策への提言」などを参考に、山梨県、静岡県や、県内市町村等とも連携し、富士山の噴火対策に取り組んでいきます。

 7 森林や崖地に関する防災対策の強化について
【質問】
 地震災害対策では、森林や崖地の安全対策の視点も大変重要である。例えば、大きな津波で、高台に避難する場合、そこに至る経路の森林などの手入れがされておらず、通行が妨げられる事態や、崖が崩れて道を塞ぐといった事態も想定される。安全に避難させる対策を進めるうえでは、危険箇所を確認し、事前対策などを検討しておく必要があり、公共施設と同様に総点検を行い安全性を確認することも緊急の課題である。
 本県は、首都直下地震などの発生が懸念され、この秋には国の被害想定も出ることから、今後、条例や計画に基づく地震災害対策の着実な推進や更なる見直しも必要である。
 そこで、今後、発生が懸念される首都直下地震などへの対応として、森林や崖地などにおける地震災害対策について、広域自治体である県の地域防災計画の見直しを図るとともに、総合的な観点から取り組む必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、森林や崖地に関する防災対策の強化についてです。
 大正12年の関東大震災では、都市近郊の急傾斜地から丹沢山地に至るまで、県内各地で山林等の崩壊が多数発生し、大きな被害をもたらしました。
 また、東日本大震災でも、東日本各地でがけ崩れ被害が発生しています。
 地震により斜面が崩壊すると、生命や財産への直接的な被害だけでなく、避難行動の支障となる可能性があります。
 そこで、県では、「地域防災計画・地震災害対策計画」に「がけ崩れ対策」を位置づけ、急傾斜地崩壊対策や治山事業などに取り組んできました。
 それに加え、土砂災害のおそれのある区域を県が指定し、市町村と連携し、点検パトロールやハザードマップなどによる周知を進めています。
 また、本県では、今年から2年間の予定で地震被害想定調査を進めています。
 この調査の中で、住宅地に近い急傾斜地や、山岳部における山腹の崩壊危険箇所について、地震ごとの危険度評価と被害の想定を行うこととしています。
 今後、調査結果をもとに、斜面崩壊などによる被害の軽減対策を検討し、県の地域防災計画の見直しに反映していきます。
 今後とも、危険箇所に関する情報発信や避難対策など、総合的な観点から、森林や崖地の防災対策の充実を図っていきます。

 8 居住コミュニティの再生策について
【質問】
 県内には、建築後40年を超える住宅団地が数多く存在し、建物の老朽化にあわせ、居住者の高齢化も進み、更には若年層が転出することなどにより、コミュニティの希薄化が進み、様々な問題が懸念されている。こうしたコミュニティの再生には、単に住宅対策という切り口ではなく、様々なものが関係しており、住宅部局だけでなく、関係部局が横断的に協議や検討を行える場が必要であり、エリアマネジメントの発想で展開する事が大事である。県はそうした取組を市町村が本格的に実施できるよう、市町村向けまちづくりマニュアルを作成すると承知しているが、地域の皆さんと調整を進めながら、上手にコミュニティの再生へと誘導していけるコーディネーターの存在も不可欠である。
 そこで、多世代近居のまちづくりを進め、居住コミュニティの再生を目指して、どのようなまちづくりのマニュアル作成や取組みをしていこうとしているのか伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、居住コミュニティの再生策についてです。
 県内の住宅地においては、急速な高齢化と併せて、子育て世帯や若者の地域からの流出により、居住コミュニティの活力低下が問題となっています。
 こうした住宅地は、今後さらに増加することが見込まれることから、県は、居住コミュニティの再生を目指して、子どもから高齢者までの多世代が、近くに住んで互いに支え合う「多世代近居のまちづくり」に取り組んでいます。
 具体的には、住宅地の形成過程や利便性など、特徴の異なる4つのモデル地区において、市町村や住民の皆さんと一緒に、地域の活動状況やニーズを調査し、まちの将来像をまとめています。
 この取組みの中で、例えば、活動の中心となる、まちづくりの担い手の存在が重要であることなど、様々な留意点が明らかになりました。そこで、こうしたモデル地区における検討の成果を、まちづくりのマニュアルとして、平成26年夏を目途にまとめていきます。
 今後は、このマニュアルを、様々な機会をとらえて市町村に説明し、活用を促すのに併せて、コーディネーターの派遣などの、支援を行うことにより、多くの地域で、居住コミュニティの再生が実現できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 私からの答弁は、以上です。

 9 いじめ防止対策推進法について
【質問】
 「いじめ防止対策推進法」が、先の通常国家において成立した。
今般の法制化において、最も重要な点は、すべての学校現場に対して、実情に応じた「学校いじめ防止基本方針」の策定を求めるとともに、各学校において、複数の教職員、心理、福祉等の専門家等によって構成される組織の設置を義務付けたことであるが、各学校が一から方針づくりや組織づくりを行うことは、難しいだけでなく、非効率であり、各学校の取組方針や内容がばらばらになり、混乱を生ずることも予想される。
 こうした混乱を回避するには、まず、県が、率先して、基本方針を示すなど、いじめの根絶に向けて、これまでよりも一歩踏み込んだ取組みを進めることが重要である。
 そこで、教育委員会として、「いじめ防止対策推進法」の施行を受け、本県のいじめ防止等の取組みついて、どのように充実していこうと考えているのか、所見を伺いたい(教育長)
【教育長答弁】
 教育関係について、お答えいたします。
 「いじめ防止対策推進法」の施行を受けた本県の対応について、お尋ねがありました。
 本県では、いじめの根絶に向けて「チームでの対応」や「定期的なアンケートの実施状況」などを確認する、県独自の点検調査の実施や相談体制の充実など、いじめの未然防止や、早期発見・早期解決に向けて取り組んできました。
 しかしながら、全国でいじめによる重大事件が相次ぐ中、本県でも、本年4月に、湯河原でいじめを受けていた中学生が自殺をするという大変痛ましい事件が起こりました。
 こうしたことを背景に、本年6月に「いじめ防止対策推進法」が成立し、この法律によって、国や地方公共団体、学校などの責務と、社会全体でいじめ防止対策に取り組むことが明確に示されました。
 現在、国ではこの法律に基づく「いじめ防止基本方針」の検討を進めており、県としても、国の方針に基づいた『県のいじめ防止基本方針』を市町村や各学校現場に示すことが重要であると考えています。こうした考えから、県が率先して検討を進めることとし、本年8月に、県民局や保健福祉局、警察本部などの関係部局を交えた検討組織を立ち上げ、県の基本方針や『いじめ問題対策連絡協議会』について、検討に着手をいたしました。検討の中では、県と市町村、各学校が一体となって、いじめ防止対策の取組を進めるため、県の基本方針や連絡協議会の構成などについて、様々な議論が行われています。
 今後、9月末には国の基本方針が示されることとなっておりますので、国の基本方針を踏まえて、本県をはじめ、市町村や各学校のいじめ防止対策がより推進されるよう、取り組んでまいります。
 以上でございます。


議会質問

平成24年度第3回定例会
本会議 一般質問

平成24年12月17日

インターネット議会中継


 1 がんにかかわる最先端の取組みについて
【質問】
 「がん」は、依然として治療が難しい部分も多く、新しい治療法や医薬品の開発が望まれる。国際戦略総合特区の代表的な取組みとして、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康状態や病気の可能性を明らかにする技術「アミノインデックス」がある。アミノインデックスは、少量の血液で、簡易にがんである目安を把握し、対応できることから、がん検診の受診促進へもつながる。さらに、報道によれば、「知事が、がんワクチンについて、提供する場を作っていけるか、検討を進めている」とあった。「がんペプチドワクチン」とは、がん細胞だけが持つペプチドを目印に、免疫を高め、がんを攻撃するワクチンであり、取組みが進むことは、がん患者にとって、大いに期待感をもつものである。
 そこで、「アミノインデックス」の今後の普及に対し、県としてどのように取組んでいくのか、所見を伺いたい。また、未承認の「がんワクチン」を使った治療をする場の設立に向け、検討に至った背景と今後の展開について、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 渡辺議員のご質問に順次お答えいたします。
 まず、アミノインデックスの今後の普及についてお尋ねがありました。   アミノインデックスは、少量の血液により、がんであるリスクを評価するだけでなく、今後、生活習慣病分野での活用も、期待されています。
 また、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区において、アミノインデックスを活用したテーラーメイド医療、個別化医療への展開が位置づけられており、現在、さらに機能の向上のための研究開発が進められています。 アミノインデックスが、特区の大きな成果となるためには、多くの方々に活用されることが必要であり、県は、職員向け人間ドックのオプションとして、来年度からの導入に向けて現在、健診機関との調整を進めています。  
 こうしたことを通じて、アミノインデックスを取扱う健診機関が増え、多くの方々に活用されることにより、特区の目指す個別化・予防医療の実現を図っていきたいと考えています。
 次に、がんワクチンによる治療の場を検討するに至った背景と今後の展開についてです。
 「がんペプチドワクチン療法」は、がんの3大治療である外科療法、化学療法、放射線療法に続く、第4の治療法として期待されている免疫療法の1つであり、がんペプチドワクチンは、長年、夢の治療薬と呼ばれ、世界で開発競争に突入しています。
 このワクチンの研究開発の第一人者であるシカゴ大学医学部の中村祐輔教授が9月に帰国された際、「わが国の医薬品は大幅な輸入超過となっており、革新的な医薬品の開発が望まれている、このがんペプチドワクチンは、まさに、こうした課題解決につながるもの」というお話をいただきました。
 また、過日、がんの患者会の方から、がんペプチドワクチン療法による治療の実現に対する要望をいただいており、多くの患者さんが一刻も早い治療の実現を待っていらっしゃる状況です。
 こうしたことを背景として、まだ研究開発段階にありますが、県内に、「がんワクチンセンター」という、ワクチンを提供できる場を作るよう、現在、検討を進めているところです。
 また、がんワクチンセンターで得られたデータを活用して、がんペプチドワクチンの研究開発が進められ、国際競争に勝てる日本発の医薬品として、大きなイノベーションを起こすことを、期待しているところであります。
【再質問】
 アミノインデックスについて、現在の検査費用は私の知る限り、検査機関によっても違いがありますが、1回あたり概ね1万8千円から3万円と、やや高額であります。
 県職員による人間ドックでオプションという答弁がありましたが、この金額では受診者が本当に受けるのかどうか、疑問があります。
 このままでは普及について、要は広がっていかないのではないか、という懸念があります。
 この技術は国際戦略総合特区をPRする象徴のひとつにもなりうるものでありますし、広く普及啓発をしていくべきものだと考えています。そのためには、検査費用への助成や、また、技術開発企業などに県から働きかけて、例えば、人数限定で費用を安くさせるなどの取組みが必要と考えますが、このあたりについて知事の所見を伺いたい。
【知事再答弁】
 アミノインデックスの検査費用についてのご質問であります。
 県が、今、アミノインデックスの検査費用に対して直接的に補助するということは考えておりません。ただ、販売数量が増加していきますと、検査費用は自ずから下がってまいりますので、県ではまず、取扱健診機関の拡大を進めて、できるだけ多くの方々に活用されるよう、普及に努めているところであります。
 また、このアミノインデックスの提供者である味の素に対しては、これまでも、研究開発費の投入などによって価格の引下げを要望してきました。他に値段を下げる手段がないか、県と企業がともに知恵を出しあいながら、県民が利用しやすい価格となるよう、取り組んでいるところです。
【要望】
 アミノインデックスの普及について、使用量が増えれば、拡大をしていけば、低減化されるという、御答弁がありました。
 私もその通りだと思います。
 そういう意味では、しっかり様々な拡大の対策を打たなければいけないと思いますが、例えば、今の答弁では、まず先駆けとして、県職員の方々の人間ドックのオプションで使っていきたいというお話がありましたが、私はさらに踏み込んで、例えば県職員や警察、教職員、県の毎年、数万人規模で行っています健康診断、この検査項目に、何とかアミノインデックスを採用する、このような対応はできないか、それによって先導的に普及を図っていく、こういうことも必要ではないか、このようなことの要望をまずさせていただきたい。

 2 飲酒運転撲滅に向けての取組みについて
【質問】
 平成14年の道路交通法改正により、飲酒運転の基準値の引下げ、罰則強化がなされたことで、飲酒運転による交通事故は大きく減少した。飲酒運転は、犯罪であることを認識しながらも、危険性を軽視し、敢えて運転行為に及ぶ大変悪質なものであり、事故の被害者や遺族にとっては、凶悪犯罪と同等の被害者感情を抱く。こうしたことは、体感治安の悪化にもつながり、飲酒運転の事故が減少したとはいえ、いまだ発生している状況を鑑みれば、対策は十分とはいえない。飲酒運転がなくならない背景には、常習飲酒者の存在や飲酒行動を抑制できない依存症の問題が指摘されており、福岡県では、違反者にアルコール依存症の診断を義務付け、履行しない場合は罰則を科すことなどを内容とする「飲酒運転撲滅条例」を制定し、取り組んでいる。
 そこで、飲酒運転の撲滅に向けては、地域の実情を踏まえた具体的な取組みが必要であり、本県としても、条例制定も含めた一層の取り組みが必要と考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、飲酒運転撲滅に向けての取組みについてお尋ねがありました。
 飲酒運転については、死亡事故など重大な事故に直結するほか、飲酒の発覚をおそれ、卑劣な「ひき逃げ」を引き起こすなど、体感治安を悪化させる要因にもなると認識しています。
 このため本県では、毎年度、定めている「神奈川県交通安全実施計画」において飲酒運転根絶に向けての基本方針を示し、活動の推進母体として公民一体で組織する、「神奈川県交通安全対策協議会」を中心に年間を通じて県民運動を推進してきました。
 具体的な活動としては、
 ・ 飲酒を伴う席に行く場合に、あらかじめお酒を飲まない人を決めておく「ハンドルキーパー運動」
 ・ 飲酒運転事故の被害者・遺族の声を冊子やホームページで伝える啓発
などに取り組んでいるところです。
 とりわけ平成18年に、福岡県で発生した悲惨な飲酒運転事故を契機に、毎年「飲酒運転を根絶しよう県民大会」を、県民総ぐるみで展開しています。
 これらの取組みの結果、本県の飲酒運転による交通事故の発生件数は、平成19年の292件が昨年は199件へと、着実に減少しています。
 しかし、飲酒運転は、常習飲酒運転者によるものも多いと考えられ、その根絶に向けては、「飲酒運転はしない、させない、許さない」という社会認識を徹底していかなければなりません。
 今年4月に「福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」が施行されています。
 県としては、その実施状況や他県の様々な取組みなども参考に効果的な対策のあり方について研究してまいります。
 今後とも県民運動を幅広く継続して展開し、県警察とも連携のうえ、飲酒運転は絶対に許さない社会づくりを推進していきます。
私からの答弁は以上です。

 3 若者の防犯活動への参加促進について
【質問】
 県内では、2,000団体を超える自主防犯活動団体があり、刑法犯認知件数が、減少したことは、こうした団体の地道な活動が大きく貢献している。しかし、多くの団体では、高齢化などが課題であり、高校生や大学生といった若い世代に、活動への参加を促していくことが大切である。県でも、若者の防犯活動への参加促進のため、平成23年度から「セーフティかながわユースカレッジ」を開催していると承知している。このユースカレッジは、若者にとって大変有意義な機会であり、より多くの大学生、高校生が受講してもらえるよう、今後とも積極的に進めていく必要がある。一方、若者が地域で活動中の団体と一緒になっての活動を始めるためには、こうした講義や情報提供だけではなく、地域活動団体との橋渡しをするような取組みも大切であり、例えば、くらし安全指導員のノウハウを活用することも一つの方策ではないかと考える。
 そこで、切れ目ない地域防犯力を構築していくために、若者の防犯活動への参加促進に一層取り組むべきと考えるが、所見を伺いたい。(安全防災局長)
【安全防災局長答弁】
 安全防災局関係のご質問についてお答えします。
 若者の防犯活動への参加促進についてお尋ねがございました。
 防犯活動への若者の参加を促進していくことは、人材の裾野を広げ、地域防犯力を一層向上していくうえで重要な課題であります。
 このため、大学生や高校生などを対象に防犯意識の向上を図る「セーフティかながわユースカレッジ」を昨年度からスタートさせ、本年度も8月と、先週、12月13日に開講したところ、多くの若い人たちに参加していただき、先進的な活動事例の発表や活発な意見交換が行われました。
 また、本年度から新たに、県の「くらし安全指導員」が学校を直接訪問して講義や指導を行う、若者向けの「防犯出前講座」を実施しています。
 さらに、実際に防犯活動をしている学生の写真やメッセージを県のホームページに掲載し、防犯活動をより身近なものとして感じてもらうような取組みも行っているところです。
 こうした取組みの成果として、例えば、「ユースカレッジ」の受講者が中心となり、厚木市内の大学では、防犯ボランティアサークルを立ち上げ、小学生の下校時の見守り活動などを行っています。
 また、保土ヶ谷区内の高校では、地元の防犯団体と合同パトロールを行うなど、着実に活動が広がりつつあります。
 学生の皆さんには、これらの経験を生かし、卒業後もそれぞれの地域で防犯活動に参加していただくことを期待しています。
 県としては、今後とも大学等と連携して、若者の「ユースカレッジ」への参加促進を図ります。
 また、県内各地域で防犯教室等を行っている「くらし安全指導員」のノウハウを活かして、若者と防犯団体との交流の機会を設けるなど、一層幅広い取組みを進めてまいります。
 私からの答弁は以上です。

 4 高等学校奨学金について
【質問】
 県は、平成21年度から、国の臨時特例交付金を活用して、5千人を超える奨学金の貸付けを行っている。この交付金の活用期間は、平成26年度末まで延長されたが、追加交付は、今後必要と見込まれる額の約45%に止まっており、財源不足に陥ることが懸念される。また、旧日本育英会から高校奨学金事業が都道府県に移管されたことに伴い、国から支払われている、いわゆる移管交付金についても、その配分方法が本県の実態に見合っておらず、臨時特例交付金の追加交付と併せ、移管交付金の配分方法の見直しも、国に強く働きかけていくことが求められる。また、高校に入学が決まり、入学準備を進めていく中では、様々な経費が必要となるが、公立高校においては減免制度もある入学金と違い、その他の経費については課題がある。
 そこで、現在の奨学金の貸付規模を維持していくために、どのように対応していくのか。
 また、制服などの進学準備の経費は、高額であり4月以前に必要となるにもかかわらず現在の奨学金制度では対応できないが、その支援は、どのようになっているか、併せて伺いたい。(教育長)
【教育長答弁】

 教育関係について、お答えします。
 高等学校奨学金の貸付規模の維持と貸付の時期について、お尋ねがございました。
 本県では、平成20年度まで、できるだけ多くの希望者に、高等学校奨学金の貸付けができるよう、毎年、14億円規模を確保し、約4千人に貸付けを行ってまいりました。
 国は、平成21年度に、緊急経済対策として臨時特例交付金を交付し、3年間、希望者全員に貸付けができる制度を創設いたしました。
 そこで、本県では、この臨時特例交付金を活用し、貸付規模を20億円に拡大して、希望者全員に貸付けを行ってまいりました。
 その後、国は、依然として厳しい経済情勢が続いていることから、臨時特例交付金の活用期間を、平成26年度まで、3年間延長しました。
 しかしながら、本県に対する国からの交付額は、貸付けに必要な額の約45%に止まっており、本県が、現在の貸付規模を維持するためには、その財源の確保が大きな課題となっています。
 さらに、もう一つの財源である旧日本育英会からの移管交付金も、本県の貸付規模に見合った額が交付されていない、という課題があります。
 そこで、県教育委員会では、臨時特例交付金の早期の追加交付と、移管交付金の配分方法の見直しを、再三、国に要望しております。
 また、今月に入り、臨時特例交付金の早期の追加交付について、本県が全国の都道府県に呼びかけを行い、課題を共有する24府県の連名で、改めて、国に要請を行いました。
 県教育委員会といたしましては、すべての希望者に貸付けができるよう、国に対する働きかけと併せて、返還金の回収率の向上に取り組むとともに、奨学金基金の取り崩しなと、あらゆる手立てを講じ、貸付規模の維持に努めてまいります。
 次に、奨学金の貸付時期についてでございます。
 現在、奨学金の貸付決定の時期は、中学生が受験する高校を決めるまでに、間に合うよう、改善されており、その貸付時期も、平成22年度からは、従前より2か月早い、5月下旬となっています。
 しかしながら、制服や教科書代など、入学以前の経費の必要性も認識しております。
 そこで、県教育委員会といたしましては、高校進学が決定し、入学前に奨学金の貸付けを希望する中学生に対し、3月中に貸付けができるよう、貸付制度の改善を検討してまいります。

【要望】
 高等学校奨学金について、特例交付金に関連をし、貸付規模を維持するとの前向きな答弁をいただきましたし、本当に前向きに、3月交付というご答弁までいただきました。本当にありがとうございました。親御さん等々、非常に喜ぶのではないかなと思っていますが、その上で要望させていただきますけれども、現状の規模の確保、また、必要とするすべての方へ貸し付けることは最重要課題と私自身は考えています。現状の奨学金事業が一循環をしてくれば、一般財源からの拠出はほとんどなくなると、このように考えられます。それまでの期間の拠出の問題だと思います。よって、私の質問では、特例交付金の26年度という期限で質問させていただきましたが、その特例交付金の活用期間後も、一般財源を活用してでも、拠出してでも、貸付規模の維持に努めてもらいたいと、このような要望をさせていただきたい。

 5 中小企業に対する事業継続計画策定支援について
【質問】
 企業が、災害時に、事業を継続、あるいは早期に復旧させるための「事業継続計画」、いわゆるBCPが、注目を集めている。BCPを策定することで、取引先の確保やマーケットシェアの低下防止が図られるなどのメリットがあり、BCPの策定が企業価値を高めることにつながるが、県内中小企業のうち、BCPを策定している企業は、策定中を含めても7%にすぎない。県では、中小企業のBCP策定支援として、今年度は専門家を無料で派遣する事業を実施していることは承知している。また、県は、地震災害対策を総合的に推進するため、「神奈川県地震災害対策推進条例」の制定に取り組んでおり、条例案では、事業者の責務として、「地震災害発生時においてできる限り事業を継続することができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。」と規定されている。
 そこで、地震災害対策推進条例の制定を契機として、今後、中小企業におけるBCPの普及啓発と策定支援について、どのような考えで取り組んでいくのか、所見を伺いたい。(商工労働局長)
【商工労働局長答弁】
 商工労働局関係のご質問についてお答えをいたします。
 中小企業に対する事業継続計画、いわゆるBCPの策定支援についてお尋ねがございました。
 BCPは、企業が災害や事故、感染症の拡大などにより被害を受けた時、重要な業務を可能な限り早期に再開できるよう、その対策を予め取り決めておく計画で、企業自身にとって、多くのメリットがある取組でございます。
 例えば、昨年の東日本大震災が起きた時、県内の金型鋳造メーカーでは、BCPを備えていたため、被災した宮城工場の復旧作業をいち早く行い、操業停止期間を最小限に留めることができました。
 このような災害時の企業活動の早期回復は、県民生活にとって必要な物資の供給や雇用の維持といった面で、安全安心の確保にも寄与することから、県は、これまで、BCPの普及に取り組んできました。
 具体的には、昨年度、商工会・商工会議所の経営指導員などを対象に研修を行い、BCPに関する相談に対応できる「BCP普及推進者」を全県で86名養成をし、中小企業への普及に努めていただいています。
 また、経営コンサルタントなどを対象に専門研修を実施し、中小企業に出向いてBCPの策定を指導助言をする「BCP作成指導者」として、51名の方に登録いただきました。
 今年度は、この作成指導者を中小企業に派遣をする事業を実施をしており、現在、希望のあった42社のBCP策定支援に取り組んでいるところです。
 こうした取組を踏まえ、今定例会に提案をした「神奈川県地震災害対策推進条例案」では、事業継続に必要な体制整備などを、事業者の責務として位置づけています。
 今後は、これまでの取組の成果を活かしながら、さらなる普及啓発と策定支援を進め、BCP策定企業の拡大を図ってまいりたいと考えています。
 このため、まずは、条例の周知を含め、商工会等と連携したセミナーなどにより、多くの企業にBCPの理解を深めていただくとともに、普及推進者等を通じて、機会あるごとにBCPの必要性をアピールしてまいります。
 また、BCP策定に関心のある中小企業には、作成指導者を直接派遣をすることや、模範となる策定事例を県のホームページ上で「見える化」するなど、具体的な策定支援策を検討してまいります。
 私からの答弁は以上でございます。
【要望】
 最後に1つ要望させていただきます。BCPの取組みについてご答弁をいただきました。これについてはですね、普及に向けて他県では数値目標を設けて取り組んでいるところもあります。そういう意味では、神奈川県としても数値目標を検討すべきと考えますし、その目標を完遂するためにどのようなことが必要なのか、例えば、ご答弁にありました無料作成支援事業をどのくらいの規模でいつまで行っていくのかということを検討していく必要があると、このように考えていますので、この点、ご要望させていただきます。他の要望等につきましては、また、詳細につきましては、委員会等でさらに深めてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

 6 県営水道事業の経営計画について
【質問】
 県営水道事業は、平成27年度までを計画期間とする県営水道事業経営計画により施設整備を推進しているが、水道料金収入は、この計画における財政収支見通しと大きく乖離している。厳しい経営状況にあっても、様々な経営改善に努め、経営計画に定めた目標の達成に向け、施設整備を進めている点は、評価するが、財政収支の見通しは、平成23年度までしか示されず、現在は、各年度の予算編成による事業運営を行っており、施設整備を計画どおりに実施できるか、不安が残る。また、県民は、さらなる地震災害対策の強化・充実と迅速な対応を求めており、老朽施設の更新財源の確保も課題である。
 そこで、水道料金収入が減少を続ける中、今後の水道施設の整備を、どのように進めるのか、伺いたい。また、県営水道事業経営計画は平成27年度までだが、平成26年4月からの新たな公会計制度の導入への対応も含め、この計画期間にとらわれることなく様々な状況変化を反映した新たな経営計画と財政収支見通しを策定し、県民に示す必要があるが、どのように考えているのか、併せて伺いたい。
【企業庁長答弁】
 企業庁関係についてお答えいたします。
 「県営水道事業の経営計画」について、お尋ねがありました。
 まず、「今後の水道施設の整備」についてです。
 県営水道の経営環境は、現行の県営水道事業経営計画を策定した平成18年度以降、リーマンショックの影響による景気低迷や、東日本大震災の発生、節水機器の普及などにより大きく変化をしています。このため、水道料金収入は計画よりも大きく減少しております。
 こうした中にあっても、様々な経営改善を行いながら、経営計画に掲げた主要事業を着実に進めているところであり、計画最終年度の平成27年度末までには、目標を概ね達成できる見通しとなっています。
 今後の施設整備にあたっても、引き続き料金収入の増加が見込めない中で、老朽化した施設の大量更新や、東日本大震災を踏まえた耐震対策の強化などの課題に対応していくためには、これまで以上に効率的な施設整備を進めていく必要があります。
 このため、施設の統廃合や規模の縮小を進めるとともに、適切な維持管理による施設の長寿命化を図るなど、更新に係るコストの削減に努めていきます。
 さらに長期的には、県内の大規模水道事業者が連携して、水道施設の共通利用を進めることにより、施設を再構築していく構想の具体化にも取り組み、効果的かつ計画的に整備を進めてまいります。
 次に、「新たな県営水道事業経営計画と財政収支見通しの策定」についてです。
 水道料金収入の減少や、施設整備に係る課題などの水道事業を取り巻く経営環境の変化に加え、本年度末には、厚生労働省から、今後の水道の目指すべき方向性を示す「新水道ビジョン」が公表される予定です。
 また、平成26年度からは、新たな地方公営企業の会計基準が適用されることとなっています。
 これらのことを踏まえますと、これを機に新たな県営水道事業経営計画と財政収支見通しを策定する必要があると考えています。
 そこで、現在、企業庁では計画作りに先がけ、水道事業をはじめ、企業庁全体の事業について、
経営環境の変化に適切に対応し、安定した経営を継続していくための経営の基本的な方針について、議論を始めたところでございます。
 私からの答弁は以上です。


議会質問

平成23年度第2回定例会
本会議 代表質問

平成23年6月23日

インターネット議会中継


 1 知事の政治姿勢について
 (1)地方分権改革について
【質問】
 第1次一括法は、地方自治体の自由度を高め、地方の創意工夫を生かした住民本位の施策を推進する上で不可欠な義務付け・枠付けの見直しを行うもので、重要性が非常に高いと考える。
 これまでは、例えば道路の構造の技術的基準など、国が定めていたが、県や市町村の条例等で定めることで、独自性を取り入れることが可能となる。基準を定める際に、県民、関係する事業者や団体の意見を聴き、十分に理解を得る努力が求められ、また、条例で定めた基準が県と市町村で異なることもありうるので、市町村と十分に意思疎通を図る工夫が必要である。また、国と地方の協議の場が果たしていく役割を担う場を、本県においても設け、県と市町村が議論することも、一つの「神奈川モデル」として考えてもよいのではないかと思う。
 そこで、@第1次一括法の成立を受け、本県では今後の条例を含めた各種の基準の策定等に当たり、県民への説明や関係団体との調整など、どのように取り組んでいくのか、また、A市町村とどのように調整を進めていこうとしているのか、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 渡辺議員のご質問に順次お答えしてまいります。
 はじめに、知事の政治姿勢について何点かお尋ねがありました。
 まず、地方分権改革についてです。
 第1次一括法に関する県民への説明や関係団体との調整などの取組について、お尋ねをいただきました。
 このたび「義務付け・枠付けの見直し」によって、地方自治体が、条例で施設の設置や管理の基準を定めることができるようになります。
 そこで、神奈川の実情に応じた基準作りに当たって、案の策定段階では、かながわ県民意見反映手続の実施はもちろんのこと、関係団体や事業者の皆様から、さまざまな機会を活用して、広く意見を聴いて進めてまいります。
 また、条例や規則の公布後は、県のたより等あらゆる広報媒体や会議の場などを通じて周知を図り、その円滑な施行に努めてまいります。
 次に、基準を定めるに当たっての市町村との調整についてです。
 第1次一括法の趣旨を踏まえれば、市町村においても、地域の実情にあった基準を、自らの判断と責任で決定することとなりますので、結果として、県と市町村の基準が異なることも、十分考えられます。
 しかしながら、見直された事務の中には、県民から見れば、基準をそろえた方が望ましいと考えられる事務もございますので、できるだけ早い段階から、県の考え方をお示しし、市町村と十分に調整してまいります。

 (2)事業の継続的実施について  ア
【質問】
 平成23年度の障害者の地域生活支援施策の予算総額は増額だが、メニューによって前年度より減額のものもあり、手当見直しで生み出した財源を地域生活支援の充実に十分活用できておらず、第1回定例会で公明党県議団の小野寺議員がこの点について指摘した。昨年12月に障害者自立支援法等が改正され、視覚障害者の移動支援などの充実が図られたが、障害者の地域生活をめぐる切実な状況は解消されておらず、県が取り組むべき施策は少なくない。
 例えば、特別支援学校の障害児の通学支援は、十分な支援が行き届かず地域のバラつきもあり、県単独の施策を大幅に充実させることが急務である。また、精神障害者は、県の重度障害者医療費助成制度の対象になっておらず、地域で安心して適切な医療を受けられるよう新たな支援メニューを創設すべきと考える。
 そこで、経過措置が終了する平成24年度においては、手当を見直した財源を十分に活用して、障害者の地域生活支援を一層充実すべきであり、仮に十分な施策を実施できないのならば、経過措置のさらなる延長も考慮せざるを得ないと考えるが、平成24年度の本格実施に向けて、知事の決意を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、障害者の地域生活支援についてお尋ねがありました。
 障害者が、住み慣れた地域で、安心して心豊かに暮らすことができるよう、障害者の生活を支えていくことは、大切なことであり、いのち輝くマグネット神奈川を実現するために、大変重要であると考えております。
 このため県では、在宅重度障害者等手当制度の見直しと併せて、平成22年度から、「障害者地域生活支援推進プログラム大綱」に基づいて、障害者が地域において生活するための支援の充実に取り組んでおります。
 平成23年度は、重度障害者のため、デイサービスの事業所や住まいの場であるケアホームの新設、医療的ケアの研修の充実などを新たに位置づけ、平成22年度から実施しているグループホームの設置推進や、介護者の休養を支援するサービス、いわゆるレスパイトの充実などの事業も含め、プログラム大綱事業に取り組んでおります。
 また、具体的にお話のあった、特別支援学校に通う障害児の通学支援や、重度障害者の医療費助成制度の対象に精神障害者が加えられていないことなど、今後、検討していくべき課題は、まだあると考えております。 
 まず当面は、市町村と連携して、プログラム大綱に位置づけた事業に、今年度、しっかりと取り組んでまいります。その上で、事業の実施状況を見ながら、平成24年度の取組みについて改めて検討を行い、障害者が地域において生活するための支援の充実に努めてまいります。
【再質問】
 障害者施策について、具体的に通学支援とさらには精神障害者に対する医療受診、この具体的な提言も入れさせていただいて、質問をさせていただいたところです。この点につきまして、再質問をさせていただきたいと思います。
 私は、前松沢知事が行ったことについて、知事との引継ぎの中で、黒岩知事は、松沢県政でできあがったものを、うまく使い、スピード感を増す、そのような発言をされています。そういう意味では、一連の質疑の中にもありましたが、知事のスピード感、この姿勢に対して期待をしているところであります。
 また、松沢前知事は、どちらかというと、福祉政策については消極的だったと、私はこのようにとらえておりますが、黒岩知事は、「いのち輝く」と訴え、国際福祉大学でも教鞭を取っておりました。そういう意味では、知事の福祉政策に対する取組み、これを期待をしているところであります。
 その上で、この重度障害者手当の見直しについては、要は県議会としても、実はさまざまな懸念があり、特に経過措置、さまざまな事業執行については懸念があり、議会としてさまざま議論をさせていただいた結果、経過措置、当初1年だったものを、2年に延長させていただいて、賛同をさせていただいた経緯があります。そういう意味では、その延長した期間について、さまざまな事業がプログラム大綱にもとづいて進捗しているのか、これをしっかりチェックしていく、これはわれわれ議会としての責任でもあります。そういう意味で、再三この点について質問をさせていただいている点であります。
 それでは、財政的な話をさせていただきますと、この経過措置がなくなる平成24年度は、この手当見直し財源という角度で見れば、約40億円の財源が出てくるわけであります。当然、それ相当の事業が期待をされています。さらには、プログラム大綱を作った際には、当然関係者はそれ相当の期待をされています。しかしながら、平成23年、22年、各年度とも、約19億の見直し財源、これは半分ですね、に対して、約10億の事業しか執行されていません。さらには、平成22年度の障害者の地域生活支援事業費、総額は予算ベースで約30億ありましたが、うち手当見直し財源は約10億円でした。しかし実際に業務執行できたのは、執行率として、全体として30億の約9割弱、さらには、手当財源の部分については、約8割程度、こういう状況でありました。
 このことを危惧して、われわれは議会のたびにこの問題を質問をさせていただき、そのことをこの23年度で真剣に取組んでいくという答弁はいただいておりますが、まことに心配をしています。
 先ほどのご答弁の中で、今年度、通学支援についても、精神に対する医療費の補助についても、課題を整理をし、検討する、このようなご答弁はありましたが、この経過措置が今年度で終わってしまいます。ついては、可及的速やかに、24年度に対応できる体制を、また支援を、スタート、展開をしていく、就労、福祉に対する造詣と、また、スピード感に期待をするところでございますので、知事の決意を含めて、再質問、再答弁を願います。
【知事再答弁】
 答えさせていただきます。まずは、障害児の通学支援についてであります。
 特別支援学校へ通う障害児の通学支援につきましては、平成22年度、市町村が移動支援として事業を開始した場合の事業費に対する補助を創設しました。
 昨年度、この事業を活用した市町村はありませんでしたが、今年度は3市町が通学支援に取り組み始めておりますので、引き続き、他の市町村に働きかけてまいります。
 さらに、通学負担の軽減という視点で、教育委員会とも相談しながら、もう少し幅広く検討していくことも必要と考えております。
 在宅重度障害者等手当の経過措置の延長という、このお話でございます。まず当面は、今年度、市町村と連携して、プログラム大綱に位置づけた事業にしっかりと取り組んでまいります。
 その上で、事業の実施状況を見ながら、平成24年度の取組みについて改めて検討を行い、障害者が地域において生活するための支援の充実に努めてまいります。
 それでもなお、かかる事業が活用されないという場合には、経過措置の期間を延長する、ということも議論をしていく必要があると考えております。
 議員ご指摘のとおり、いのち輝くマグネット神奈川、という私の基準にもとづいて、今後の福祉政策を判断してまいりたいと考えております。
【要望】
 残念ながら時間がありませんので、要望に終わらせていただきたいと思いますが、今、知事の答弁にもありました通学支援、これについて、今年も手を挙げた市町村があったというご答弁でございましたが、これも、新たな市町村を加えても、6市町であります。神奈川県下の特別支援学校が在住している市町は12市町もあります。そういう意味では、まだまだ足りない、そういう意味ではスピード感がないと思います。
 さらには精神の医療費補助をしている市町は11市町に及んでおります。そういう意味では、この均てんを図るなどの意味でも、県がしっかり制度を、メニューを作るべきだということを、要望をさせていただきたいと思います。
 それ以外についても、まだまだ要望をさせていただきたいこともありましたけれども、時間がきましたので、あとは常任委員会等でさせていただきたいということを理解していただき、私の質問を終わります。

 (2) 事業の継続的実施について イ
【質問】
 本県では、EVが量産・販売される前の非常に早い時期から普及に取り組み、EV普及の施策を積極的に展開してきた。EVの普及は、地球温暖化対策だけでなく、県内産業の活性化の観点からも必要と考えられるため、EVを取り巻く環境の変化を踏まえて、これまでにない視点も入れてEVの普及を進めていく必要がある。
 6月補正予算案として、EVの使用済み電池を再利用する蓄電プロジェクトが提案されているが、それだけでなく、EVそのものを蓄電池として活用することで、家庭用太陽光発電パネルとEVとをセットにして施策展開することも考えられる。
 そこで、EVの普及推進について、特に急速充電器の設置場所の偏在といったこれまでの課題に対して、どのように進めていくのか、所見を伺いたい。また、前知事が進めてきたEV普及の取組と、知事が掲げる太陽光発電パネル普及策とをうまくつないでいきたいとしているが、どのように施策展開するのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、電気自動車(EV)の普及についてのお尋ねです。
 まず、急速充電器の整備についてです。
 EVについては、平成20年4月に「EVイニシアティブかながわ」を策定し、2014年度までに、EVの普及目標を県内3,000台にするとともに、急速充電器を県内に100基整備することとしております。
 その整備に当たっては、EVユーザーが、自宅など車の保管場所で200V(ボルト)の普通充電を行うことを前提に急速充電器は緊急時と想定しました。この想定に基づき、10q(キロメートル)四方に1基を整備するとともに、利用しやすい主要幹線道路沿いや、高速道路のサービスエリア等への整備を促進してまいりました。
 その結果、今年5月末の時点で95基整備されており、総数はもとより、主要幹線道路沿い等への整備については、ほぼ目標を達成したと考えておりますが、10q四方に整備がされていない地域も一部残っておりますし、整備済みの地域においても、距離が遠い、夜間の使い勝手が悪いなどの声もあります。
 そこで、これまでに整備した急速充電器の利用状況や、EVユーザーのニーズ等を調査し、保管場所以外での充電網の今後の整備について、民間事業者との役割分担も含めて検討を行ってまいります。
 次に、EV普及の取組と太陽光発電パネル普及策との連携についてです。
 東日本大震災が発生した際に、100Vの交流電源用コンセントを装備した車が、非常時の電力供給源として活躍したことが注目されました。
 これを受けて、自動車メーカーでは、EVの電池で炊飯器などの家電製品を使えるような装備、さらには、住宅に電気を送り込む機能を、EVに追加するような検討が行われていると聞いております。
 EVの蓄電池を家庭に接続できるようになると、太陽光で発電した電力を一旦EVに蓄電して、夜間や非常時に利用することも可能となります。
 そこで今後は、県が中心となり、太陽光発電とEVの関連企業が連携し、太陽光発電とEVの一体的な普及や、両者を組み合わせた電力の効率的な使い方の検討などに、取り組みたいと考えております。
 併せて、EVで一定期間使用後の電池を、家庭用蓄電池として再利用し、太陽光発電設備と組み合わせた実証試験を行う「蓄電プロジェクト」を、6月補正予算案に提案しており、こうしたことも、EVと太陽光発電普及の取組をつなげる、もうひとつの方向として進めていきたいと考えております。

 (2) 事業の継続的実施について ウ
【質問】
 知事は、選挙で「グローバル企業を引き付けよう!」、「海外の企業誘致等の先頭に立ちます。」といった政策を掲げた。
 こうした考え方は十分に理解できるが、神奈川の地域経済を支えているのは中小企業であり、中小企業に目配りをした政策を考えていく必要がある。その意味では「インベスト神奈川2ndステップ」の取組をより一層強力にアピールしていくことが重要となるが、現在の社会経済情勢も踏まえ、企業へのインセンティブがより強く働くよう、制度内容の一部を見直すことも必要である。例えば、事業認定の要件緩和など、企業が支援策を受けるためのハードルを下げることなどの措置や、ソーラープロジェクトとの連携といった視点も加味することも考えられるのではないか。
 そこで、これまでの企業誘致の実績や、現在の企業を取り巻く環境の変化、さらに本県が目指そうとする方向性を踏まえて、企業誘致にどう取り組んでいくのか、また、今後、「インベスト神奈川2ndステップ」をどのように展開していくのか、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、インベスト神奈川についてお尋ねがありました。
 本県では、これまで、全国トップクラスの助成金や、きめ細かなワンストップサービスにより、市町村とも連携を図りながら企業誘致に取り組んできました。
 その結果、県内には日本を代表するグローバル企業の研究所や、高い技術力を有する中小企業の新たな生産拠点など数多くの企業が立地し、本県の産業経済の活力の維持・向上に寄与したものと認識しています。
 もとより、企業誘致は、中小企業振興などの地域経済の活性化、雇用の創出、そして税収の確保など、多面的な効果をもたらすものであり、中長期的な視野に立ち、今後とも力を入れて取り組む必要があると考えています。
 次に、昨年からスタートした「インベスト神奈川2ndステップ」の今後の展開についてのお尋ねがありました。
 これまでの企業誘致の成果を踏まえ、「2ndステップ」では「企業立地に対する直接支援」から「立地後の成長支援」へと力点をシフトするとともに、「がんばる中小企業への支援強化」をコンセプトとしており、これまで10社の立地計画を認定しました。
 しかしながら、円高の進行や東日本大震災の影響など、企業を取り巻く状況は厳しいものがあり、新たな工場建設など、設備投資に対する意欲が低迷しているのも事実です。
 このような状況を背景に、企業の方々からも、事業認定にあたっての最低投資額の要件緩和や対象業種の拡大など、認定制度に対する意見をいただいています。
 ご指摘のあったソーラープロジェクトとの連携も含め、こうした課題について検討し、県内外の企業、中でも神奈川の地域経済をしっかりと支える中小企業にとって「インベスト神奈川2ndステップ」がより使いやすい制度となるように取り組んでまいります。

 2 地震防災対策について
 (1) 被災者支援システムの導入推進について
【質問】
 「被災者支援システム」は、住民基本台帳、家屋台帳、被災状況の情報を一括管理することで、迅速に被災者支援ができ、このシステムを利用した宮城県山元町では、周辺自治体と比べ、スムーズに「り災証明書」を発行したなどの効果が上がっているとのことである。
 震災後、新たに東北3県で30近くの自治体、全国でも約140の自治体が、既に導入または準備を進め、県内自治体でも導入済みが3団体、検討中が10団体で、全国的に導入機運が高まってきている。
 こうしたことから、このシステムを県内の多くの自治体で活用していただきたいが、今回の大震災でも実証されたように、被災者は市町村域を越えて広範囲に避難し、遠隔地に避難した被災者への支援のために、避難先自治体との情報共有が課題になると考えている。
 そこで、この「被災者支援システム」を導入する市町村は多くなってきており、本県の市町村においても導入を促進していくべきと考えるが、広域的な避難に伴う自治体間の連絡調整などへの県の関わりなども含めて、所見を伺いたい。
【知事答弁】

 次に、地震防災対策について何点かお尋ねがありました。
 まず、「被災者支援システム」の導入推進についてです。
 このたびの東日本大震災では、津波により多数の死者、行方不明者や、広範囲にわたる壊滅的な建物被害が発生するとともに、市町村の庁舎や職員も被災したことで、避難所への救援物資の供給や、生活再建に必要となる「り災証明書」の発行が困難な事例も多くあります。
 「被災者支援システム」は、住民の氏名・住所や、家屋に関する情報を、あらかじめ登録しておくことで、「り災証明」の発行、避難所や応急仮設住宅の管理など、市町村が行う被災者支援業務を処理するシステムです。
 実際、今回の震災では、岩手県宮古市と福島県須賀川市が、このシステムを利用して、各部署で別々に入力していた住民情報を、一元化して活用することで、作業効率が向上したとの報道がされています。
 本県では、現在、3つの市町が「被災者支援システム」を導入しております。このシステムを導入した市町からは、個人情報を扱うことから、部署や職員をあらかじめ定めておくことや、また、大規模自治体では既存システムとの整合性を図ることが課題であると聞いています。
 また、広域避難に伴う自治体間の連絡調整につきましては、今回の震災では、被災市町村が、被災者の避難先を把握できないといった課題が生じたため、国は、避難者の情報を、都道府県を通して被災市町村に提供する「全国避難者情報システム」を、本年4月に構築したところです。
 市町村における「被災者支援システム」の利用については、4月に設置した「県・市町村地震災害対策検討会議」などを利用して、「全国避難者情報システム」と併せて市町村と情報を共有し、意見交換を行い、促進に向け取り組んでまいりたいと考えています。


 (2) 防災行政無線等の充実・強化に対する支援について
【質問】
 東日本大震災では、地震発生直後に巨大な津波が襲来したため、自治体の災害情報の伝達のあり方が、あらためて問われることとなった。
 防災行政無線は、従来から無線通信の高度化のためのデジタル化や、聞こえにくい地域の解消等の課題とともに、今回の震災では、停電により情報伝達が不能となるといった事象も発生したと聞いている。
 また、相模湾近海を震源とする大地震が発生した場合には、津波情報の迅速、的確な伝達にあわせ、一時的に避難できる場所を確保することも重要と考える。県は、昨年度まで地震防災対策に活用してきた法人二税の超過課税について、今年度からは、道路等の社会基盤整備に重点的に活用することとしたが、東日本大震災を踏まえると、引き続き、災害時の情報伝達体制の充実や緊急的に避難する津波タワ−の整備など津波対策に積極的に取り組む必要があると考える。
 そこで、住民への災害情報伝達や、避難誘導等は市町村が担うこととなるが、防災行政無線の整備や緊急的な避難場所の確保など県も市町村を支援し、対策を進める必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、防災行政無線等の充実・強化に対する支援について、お尋ねがありました。
 非常時において、住民に対して緊急情報を一斉に伝達する市町村の防災行政無線は、災害時の情報伝達方法としては、基本的なものです。
 しかし、実際に津波に襲われた地域では、防災行政無線が「聞こえなかった」、あるいは「聞きとれなかった」と言われております。また、このたびの震災を踏まえると、無線局施設の耐震化や、停電時における電源の確保といった課題もありました。
 津波避難対策については、海辺にお住まいの方々や、夏の海水浴シーズンを控え、海に訪れる人たちの安全を確保するうえで、早急に取り組むことが求められています。
 そこで、6月補正予算を計上し、防災行政無線に関する調査をはじめ、避難所案内看板や海抜表示板等の設置、避難ビルに関する調査など、市町村が緊急的に行う事業の支援に取り組んでまいります。
 また、今後進める津波対策につきましては、県・沿岸市町等で構成する「津波対策推進会議」や、有識者による「神奈川県地震災害対策検証委員会」で検討を始めたところです。
 今後は、こうした場において、市町村の津波避難に関するソフトやハードの事業について検討し、連携・協力を図る中で、対策を進めてまいります。

 (3) 県内中小企業の事業継続計画(BCP)作成支援について
【質問】
 本県では、BCPの普及啓発に努め、中小企業向けに「BCP作成のすすめ」の発行などに取り組んできた。しかし、平成21年度の県の調査では、BCPを作成している中小企業は、作成予定のものを合わせても約3割であり、その後も思うように増えていないのが実情である。BCPを作成する企業が増えない理由として、内閣府が平成21年度に実施した調査では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」ことなどが挙げられているが、一方で、今回の大震災を受け、県が実施した調査では、BCPの必要性を感じている企業は、全体の半数にのぼっている。
 そこで、BCP作成に向けた気運が高まってきている今こそ、支援ツールの見直しや普及、指導体制の充実など、中小企業のBCP作成支援に係る取組を強化する必要があり、こうした状況を踏まえ、本県における中小企業のBCP作成を促進するために、今後、県として、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、県内中小企業の事業継続計画BCP作成支援についてお尋ねがありました。
 BCPの作成は、地震などの緊急事態が発生しても、重要な業務の早期復旧が可能となるほか、取引先や市場からの評価が向上するなど、企業にとって様々なメリットがあります。
 県としても、中小企業が安定した経営を続ける上でBCPは重要と考えており、これまで、BCP作成のためのハンドブックの策定や、各地域の商工会議所と連携したセミナーの開催など、普及、作成支援に努めてまいりました。
 しかしながら、東日本大震災を受けて、県が4月に実施したアンケート結果では、行政に対してノウハウの提供や普及活動などを期待する声も、なお多く寄せられており、今後も、一層の取組が重要と考えております。       
 また、今回の震災では、既に作成していたBCPでは想定していなかった計画停電などが発生したことから、そうした事態にも対応するため、BCPの見直しが必要となっています。
 このため今後は、計画停電や部品不足など、自社に被害がなくても操業が中断される事態への対応を強化するなど、より効果的なBCPの作成に役立つハンドブックにしてまいります。
 また、日頃、中小企業に接している商工会議所の経営指導員や、中小企業診断士などを対象にした専門研修を実施し、新たに100人を超える規模の普及、指導人材も育成することで、中小企業のBCP作成を積極的に促進してまいります。

 3 エネルギー政策について
 (1) 今後の神奈川のエネルギー政策について
【質問】
 太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーが本格的に普及拡大すると、小規模の発電施設で地域の電力需要を賄う「分散型」へと移行し、エネルギーの「地産地消」が可能となるが、そのためには地域ごとにエネルギーの需給管理を行っていく必要がある。
 電力の需給管理を始めとするエネルギー政策は、これまで国が主体的に担っており、また、政府は従来の「エネルギー基本計画」を白紙に戻して、代替エネルギーの検討などを進めることとしているが、今後、電力の供給体制が「集権型」から「分散型」へ移行していくことを展望すると、エネルギー政策は政府に任せておくのではなく、各地域の自治体、特に市町村がより主体的にエネルギー政策を担い、県は広域自治体としてそれをとりまとめる形でエネルギー政策を推進していくことが重要と考える。
 そこで、「かながわソーラープロジェクト」を推進していくに当たり、市町村と連携しながら神奈川のエネルギー政策を検討し、将来像を県民や事業者に示していくことが重要と考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、エネルギー政策についてお尋ねがありました。
 これまで我が国のエネルギー政策は、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を海外から輸入し、また、増大する需要に応えるため、原子力発電所を建設してきましたが、これらは専(もっぱ)ら国策として推進され、国民は大規模な発電所から供給される電力を利用する立場でした。
 しかし、3月11日に発生した福島第一原子力発電所の事故を目の当たりにして、私は二つの疑問を抱きました。一つは、エネルギー政策を全て国に任せておいて、本当に安全・安心なのか。もう一つは、原発への依存を減らして、安全・安心なエネルギーを確保できないか。ということです。
 この二つの観点から、身近な地域でコントロールすることができ、かつ、地球温暖化対策にも貢献する、再生可能エネルギーの大規模な導入を図ることにより、神奈川からエネルギー革命を起こしたいと考え、「かながわソーラープロジェクト」を提言しました。
 この「ソーラープロジェクト」においては、住宅、公共施設等、メガソーラー、この3つの方向で、圧倒的な勢いで太陽光発電の設置を推進することで、脱原発のエネルギー構造の実現を目指しています。
 そして、5月に「かながわソーラープロジェクト研究会」を設置し、約1か月間で集中的に議論していただき、一昨日には、住宅への設置を進める「かながわソーラーバンク」に関する提言などをとりまとめた、第1次報告書をいただきました。
 今後は、引き続きソーラーバンクのあり方をご審議いただくとともに、公共施設等における設置促進や、メガソーラー発電所の設置促進についても検討していただく予定であり、これらがまとまると、エネルギー革命の全体像をお示しできるものと考えています。
 また、エネルギー革命を実現するためには、市町村の果たす役割も大きく、
 ・横浜市では、既に「横浜スマートシティプロジェクト」が始動しており、
 ・藤沢市では、新たに「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン構想」が発表されるなど、
太陽光発電を大規模に導入する取組が進んでいます。
 今後は、これまで以上に市町村との連携を強化し、市町村独自のプロジェクトと「かながわソーラープロジェクト」を一体として展開することにより、全国に先駆けて、次世代のエネルギーモデルを神奈川で構築してまいります。

 (2) 道路照明灯の消灯について
【質問】
 本県でも、様々な公共施設において、節電に対する努力がなされ、私たちに最も身近な社会基盤である道路においても、道路照明灯の消灯が行われている。道路照明灯が消えたことにより、学校や会社から帰宅する際に、道が暗くて不安だという声や、無灯火の自転車との衝突が心配であるという声も多く届いており、交通事故ヘの影響も懸念されている。この夏場を乗り切ることへの対応も大事なことであるが、電力需給の逼迫は、この夏だけではなく、今後も続いていくものと思われる。このまま、夏以降も消灯を続けていくと、県民の不安はますます高まるので、例えば、照明灯を消費電力が少ない省電カタイプに代えることにより、その分、少しでも多くの道路照明灯を点灯していくような努力が重要であり、より安心して通行できるような道路環境にしていくことが必要であると考える。
 そこで、県が管理する道路照明灯の今後の消灯に対する考え方について、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、道路照明灯の消灯について、でございます。
 県では、道路交通の安全性や円滑化を図ることを目的に、道路状況等に応じて、道路照明灯の整備を進めてきており、現在、県管理の国道、県道において約19,000灯の道路照明灯を設置しております。
 このうち、水銀灯については、消費電力の少ないナトリウム灯への転換を進めており、既に約7割が転換済みです。
 3月11日の震災以降、政府の電力不足に対する方針を受け、県としても最大限、節電対策を行う必要があるため、3月14日から、交差点や横断歩道など、特に、交通安全上必要な箇所を除き、これまでに約8,000灯の道路照明灯を消灯しております。
 その後、県民の皆様からは、再点灯などに関するご意見やご要望もいただいており、その都度、土木事務所の職員が現地に赴き、消灯へのご理解、ご協力をお願いするとともに、交通安全上必要な箇所では、再点灯も実施しております。
 また、職員による夜間の道路パトロールを増やすとともに、地元の警察とも連携して、道路交通の安全性を確認するなど、必要な対応を図っているところです。
 今後は、夏に向けた電力需給対策に対応していくためにも、県民の皆様のご理解をいただきながら、引き続き、道路照明灯の消灯による節電を行ってまいりますが、地元からのご要望については、内容を十分にお聞きした上で、きめ細かく対応してまいります。
 また、秋以降につきましては、電力需給バランスを見極めながら、再点灯できるか検討してまいります。
 併せて、長期的な節電への対応として、ナトリウム灯への転換を積極的に進めてまいります。
 また、LED道路照明灯の導入についても検討を進めてまいります。
 答弁は以上です。


議会質問

平成22年第2回定例議会
本会議 代表質問

平成22年6月18日

インターネット議会中継


 核軍縮と非核教育について(1)
【質問】
 本年5月、5年に1度の核兵器不拡散条約運用検討会議が開催され、中東の非核化に向けた会議を2012年に開催することや、核軍縮の進展を加速し2014年に状況報告を要求すること、北朝鮮の核実験への非難、核軍縮・不拡散などを盛り込んだ行動計画を採択した。我が国は、核保有国のロシアなどと軍縮不拡散教育に関する共同声明を発表し、最終文書に軍縮不拡散教育の促進が盛り込まれた。
 私は、世界唯一の被爆国である日本の首相や外務大臣がこのような重要な会議に出席しなかったことに強い憤りを覚えるが、最終文書が、核兵器禁止条約に初めて言及し、軍縮不拡散教育が盛り込まれるなど、一定の評価ができるものと考える。
 そこで、本県では昭和59年に神奈川非核兵器県宣言を行い、県内全市町村も同様の宣言を有しているが、このような非核先進県とも言える本県の知事として、今回の核兵器不拡散条約運用検討会議の成果をどのように評価しているのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 はじめに、核軍縮と非核教育について何点かお尋ねをいただきました。
 まず、核兵器不拡散条約NPT運用検討会議の成果についてであります。
 2010年NPT運用検討会議においては、NPTの3本柱である核軍縮、核不拡散及び原子力の平和利用のそれぞれについて、将来に向けた具体的な行動計画を含む最終文書が採択されました。
 核兵器国と非核兵器国等の立場の違いは依然克服されておりませんが、最終文書に合意できなかった前回2005年会議と同様の結果を繰り返さないとの強い危機感が共有される中、各国が歩み寄り、将来に向けた具体的な行動計画に合意できたことには、大きな意義があると考えています。
 調整の過程で削られた内容が多いなど課題もありますが、具体的な核軍縮措置につき、核兵器国に2014年のNPT運用検討会議準備委員会への報告を要請したこと、中東非核化に向けた国際会議の2012年開催を支持したこと等は、評価し得るものと受け止めています。
 私は、今回、各国が合意に至った背景には、オバマ米国大統領の核廃絶への強い信念と行動力があったものと考えています。
 オバマ大統領は、昨年4月、プラハ演説におきまして、核のない世界に向けた具体的な措置を取ることを約束いたしました。
 その中で、包括的核実験禁止条約CTBT条約の批准や兵器用核分裂性物質生産禁止条約いわゆるカットオフ条約の締結への強い決意を表明するとともに、今回の会議に先立ち、ロシアとの新たな核軍縮条約に署名するなど、オバマ大統領のリーダーシップが今回の会議の結果にもつながったものと考えています。
 本県は、1984年に神奈川非核兵器県宣言を行い、非核三原則を県是として、核兵器の廃絶と軍縮に向け、啓発事業や非核宣言自治体との連携に取り組んでまいりました。
 本県も加入する日本非核宣言自治体協議会は、今回の会議に代表団として副会長である藤沢市長、枚方市長を派遣し、核兵器廃絶を求める世界のNGOと連携してアピール活動を行っており、このような取組みが核軍縮に向けた機運の高まりの追い風となったものと考えております。
 本県といたしましては、今回のNPT運用検討会議で合意された行動計画が着実に実施されるよう、その進捗状況を注視するとともに、会議の成果を広く県民に周知し、啓発に努めるなど、引き続き核兵器の廃絶と軍縮に向けた地域からの取組みを進めてまいります。

 核軍縮と非核教育について(2)
【質問】
 今回の核兵器不拡散条約運用検討会議で、軍縮不拡散教育の推進が採決された。本県は、神奈川非核兵器県宣言を行った自治体であり、また、第2の基地県と言われ、我が国の安全保障のために多大な負担を担っている自治体でもあることから、今般の検討会議を契機に、改めて軍縮不拡散教育を率先して進めていくべきである。現在、戦争体験者や被爆体験者も高齢化し、若い世代が戦争体験に触れる機会が少なくなりつつある中、二度と戦争を起こさせることがないよう、戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさ、平和の尊さを、様々な機会をとおして、次の世代に伝えていくことが必要と思う。
 そこで、神奈川非核兵器県宣言を風化させることなく、平和な神奈川、戦争がない日本を、いつまでも維持していくために、軍縮不拡散教育の推進が採択された今こそ、本県の学校教育において、今後本県で必修化される日本史教育では当然のことながら、様々な教育活動の中で、非核教育を推進していくべきであり、国際的な動きや本県の動きを踏まえて非核教育について、どのような基本的な考え方で、今後、取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 教育関係についてお答えいたします。
 はじめに本県における、非核教育について、お尋ねがございました。
 世界で唯一の原爆被爆国である我が国が、NPT運用検討会議の中で、42ヶ国の共同提案国を代表して行った共同ステートメントにおいて、核兵器のない世界の実現のため軍縮不拡散教育の果たす役割の重要性などについて表明し、採択されました。このことによって、多くの国の人々が核兵器のない世界の実現に向けた教育に取り組むようになることは、大変意義あることと思っております。我が国においては、戦後に生まれた世代が大半を占める今、学校教育の場で、次代を担う高校生に、「神奈川非核兵器県宣言」の趣旨や平和の尊さを風化させることなく、しっかりと引き継いでいくことが、きわめて重要であると考えております。
 これまでも、本県の県立高校では、戦争体験者による講話や、原爆の投下された長崎の戦争被害についての調べ学習などを通じて、生徒に戦争の悲惨さや平和の尊さについて考えさせるなどの取組みを行ってまいりました。
 現在、本県独自の取組みとして、日本史必修化の準備を進めておりますが、日本史教育の中で取り扱うことはもとより、その他の科目や特別活動など、あらゆる教育活動において、平和教育、とくに核兵器の恐ろしさを伝える非核教育を一層推進する必要があると考えます。教育委員会といたしましては、県立高校の授業改善のために作成している研究冊子の中で、非核教育のモデルとなる実践事例を全校に示すなど、非核教育の充実に取り組んでまいります。
 以上でございます。

 がん対策について(1)
【質問】
 がんの早期発見には、がん検診が非常に有効な手段だが、諸外国と比べ日本の受診率は非常に低い。平成21年6月県議会で、検診受診率の数値目標を設定すべきと質したところ、「がんへの挑戦・10か年戦略 中間評価」において、受診率を数値目標として設定することを検証し、神奈川の状況に適した、県民にわかりやすい指標となるよう検討するとのことであった。また、他県では、受診率の目標設定を行ったものの、具体的施策の実効性が伴っていない状況もあるとも聞いているので、本県として、受診率の向上のための実効性のある具体的な施策を講じていくことが必要と考える
 そこで、がん検診の受診率の目標設定を行ったのか、そして受診率向上のための今後の具体的な取組みの方策について、所見を伺いたい。
 また、がん対策の取組みは、多くの県民が高い関心を持っており、がん克服条例においても、県の責務として、がん患者及びその家族等で構成される民間団体等と連携を図りつつ、がん対策を策定し、実施することが定められているので、がん対策推進のためには、専門家だけで検討するのでなく、例えば、がん患者や家族などの視点を取り入れるため、県民が参加した新たな協議会を設置することも必要と考えるが、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、がん対策について、いくつかお尋ねをいただきました。
 まず、がん検診の受診率の目標設定と対策の推進についてであります。がんは、早期の段階で発見すれば治癒可能と言われており、がん検診を受診することが重要でありますが、本県でも受診率は2割から3割に留まっており、これを向上させることが課題となっています。
 そこで県では、昨年度実施した「がんへの挑戦・10か年戦略」の中間評価を踏まえ、75歳未満の方のがんでの死亡率、年齢調整死亡率といいますが、この減少を目標に掲げ、これを達成するために、胃、大腸などの5つの部位のがんについて、新たに「がん検診受診率50%以上」を目指すことといたしました。
 がん検診は市町村が実施主体であり、県は受診率向上に向けた普及啓発に取り組んでまいりましたが、今後は、いくつかの民間企業と連携し、その情報発信力や集客力を活用して、住民に対する地域のがん検診情報の提供や、がんセミナーの開催などの普及啓発を図ってまいります。
 一方、企業には従業員へのがん検診が義務付けられていないため、特に中小規模の事業所では、事業者によるがん検診の実施率が低いなどの状況があり、全体としてがん検診の取組みが進んでおりません。
 そこで、今年度は、県内2地区において、市町村と企業、保険者との連携を目指したモデル事業を実施し、事業者に対し、がん検診の必要性を周知するとともに、従業員とその家族に、市町村のがん検診の案内を配布していただくなど、受診しやすい環境の確保と受診促進に向けた仕組みづくりを進めてまいります。
 次に、がん対策への県民参加についてでありますが、がん対策の推進にあたっては、当事者であるがん患者はもとより、そのご家族の意見を十分お聞きして、施策を展開していくことは、大変重要なことと認識しております。
 このため県では、がん患者の方に、がんへの挑戦・10か年戦略の中間評価部会やがん対策懇話会の委員として参画いただくなどして、ご意見を伺ってきたところであります。
 今後は、国のがん対策推進協議会に当たる「生活習慣病対策委員会」の中に部会を新たに設置し、医療関係者等に加え、がん患者・家族の方々にも参加していただき、そのご意見、ご提案を踏まえて、今後の県のがん施策を推進してまいります。
【要望】
 がん・うつ・認知症について質問したが、これら疾病は、多くの県民が直面している、直面する喫緊の課題として質問した。
 県財政が厳しい事は理解しているが、取り組まなければならない重要な課題である。
 早期発見・早期予防は、県民の財政的、精神的負担を軽減するだけでなく、県財政を将来的に軽減する事につながる。
 知事においては、更に実効性のある取組みを進めるよう、リーダーシップに強く期待する。

 がん対策について(2) がんセンターにおける免疫細胞療法の取組みについて
【質問】
 免疫細胞療法とは、人間の免疫細胞が持つ治癒力を利用するため、これまでのがん治療に見られる体力低下や抗がん剤の様な辛い副作用等がない新しいがん治療として期待されている。現在の医療法では、技術者が免疫細胞の培養・加工を行うことを想定してないことなどから、技術開発が遅れているが、我が党が新たな治療法として位置づけを厚生労働省に強く求めた結果、がん治療の「第4の治療法」として位置付けられ、医者と技術者の連携、いわゆる医工連携を可能とする枠組みを検討することとなった。
 がん対策に先進的に取り組んでいる本県としては、免疫細胞療法についても、積極的に取り組む必要があり、そのためには、県立がんセンターにおいて、ハード整備とは別に、医者と技術者の連携などソフト面での取組みを行うことが急務であると考える。
 そこで、免疫細胞療法については、地方独立行政法人神奈川県立病院機構に移行した県立がんセンターにおいて、国の検討と同時並行的に、あるいは国に先行して、医工連携の体制整備や研究支援などの取組みを行っていくことを、県として働きかけていくべきだと思うが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、がんセンターにおける免疫細胞療法について、お尋ねをいただきました。
 がん治療につきましては、手術、放射線治療、化学療法の既に確立している3つの治療法に加え、第四の治療法として、人が持つ免疫の働きを活用する免疫療法の研究が進められております。
 この免疫療法は保険適用となっておりませんが、一部の医療機関では先進医療として、免疫細胞療法であるリンパ球、移入療法やワクチン療法などに取り組んでおります。
こうした免疫療法を実施するためには、細胞を培養する技術や、がん細胞を遺伝子・分子レベルで検査する必要があり、医師だけではなく他の専門職との連携が必要となります。
 がんセンターでは、平成12年度に遺伝子・分子レベルでの検査・分析を行う、新たなセクションを設け、分子生物学の成果を踏まえた最新のがん治療を行う体制を整備いたしました。
 また、平成18年度から、がんセンターの臨床研究所が中心となり進めている神奈川がん臨床研究・情報機構では、この機構に参加している大学、研究所、医薬品会社等に、がんの細胞組織を提供し、最新のがん診断・治療法の開発などの研究支援に努めております。
 今後は、平成25年度の診療開始をめざし進めているがんセンター総合整備の中で、最新のがん治療に対応できる検査部門の充実を進め、医工連携の体制整備に取り組んでまいります。
 また、神奈川がん臨床研究・情報機構で実施している事業が、今年度から国の研究費補助を受けましたので、がんセンターには、大学や研究機関における、最新のがん医療研究を支援する取組みを一層進めるよう働きかけてまいります。

 うつ病対策について(1)
【質問】
 平成21年の国内自殺者は12年連続で3万人を超え、うつ病は自殺の原因・動機のうちで3年連続最多となっている。また、厚生労働省の調査では、平成20年に初めてうつ病患者数が100万人を突破し、うつ病などの「精神疾患」が三大疾患の一つとなってしまっているが、行政を含めた社会全体としての取組みは大幅に遅れている。このような中で、日本精神神経学会などが、うつ病を「国民病」と指摘し、「国家的課題として啓発に取り組むべきだ」と訴え、また、国においても、先月、厚生労働省のプロジェクトチームが「自殺・うつ病等への対策」を取りまとめるなど、社会全体が大きく動き出そうとしている。
 そこで、うつ病が不登校、引きこもり、不眠症、自傷行為など様々な現代社会の問題の一因となるばかりでなく、症状の悪化により自殺を引き起こすこともあることから、例えば、うつ病に対する知識の周知、早期発見・治療の連携体制づくり、うつ病患者の受診率の向上、うつ病患者の家族に対する支援などを取り入れた、本県としての総合的な「うつ病対策ビジョン」を策定し、県民を守っていく必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】

 次に、うつ病対策のビジョン策定についてのお尋ねであります。
 働き方の多様化、核家族化の進展など、さまざまな分野で大きく社会状況が変化し、ストレスでこころのバランスをくずす人が多く、本県のうつ病患者は増加傾向にあり、また、うつ病は自殺の大きな要因にもなっております。            
 このため、県では、こころの健康づくりの一環として、うつ病の正しい理解、普及啓発などに取り組んでまいりました。
 平成19年度からは、市町村や、医療、福祉、労働等の関係機関を構成員とする「かながわ自殺対策会議」を設置し、総合的な自殺対策を推進する中で、うつ病対策の充実を図っております。
 具体的な取組みとしては、保健福祉事務所や精神保健福祉センターにおいて、こころの健康についての相談や訪問指導を実施しているほか、うつ病患者やその家族を対象に、病気の理解と治療方法を説明するセミナーや患者家族の悩みを共有するための「うつ病家族のつどい」などを開催しております。
 また、うつ症状をうったえる方は、内科などのかかりつけ医を受診する場合が多いので、かかりつけ医に、うつ病に対する知識と理解を深めていただくための研修を行い、必要に応じて、患者を精神科に紹介するなどの連携を図ることとしております。
 しかしながら、県内のうつ病等の患者は、平成20年の患者調査でも約53,000人の方がおり、年間自殺者約1,800人のうち300人以上の方がうつ病を原因とするなど、引き続き、うつ病対策を充実していくことが必要であると考えております。 
 厚生労働省でも、本年5月に「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」の報告が出され、現在、新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討が行なわれております。
 県といたしましても、「かながわ自殺対策会議」から意見を聞きながら、今年度中に、自殺対策の総合的な指針を策定する中で、うつ病患者・家族への支援、人材育成などの具体的なうつ病対策を位置づけてまいりたいと考えています。


 うつ病対策について(2)
【質問】
 認知行動療法とは、自己否定的な思考や解釈を患者自らに気付かせることで、その歪みを修正し、改善していく精神療法である。既に欧米を中心に世界的に広く使用され、沖縄県の総合精神保健福祉センターでも目覚ましい効果を挙げているとのことで、新たな治療方法として、強く期待しているが、この療法の希望者が多い反面、どこの医療機関で受診できるかなどの基本的な情報の不足や、この療法を修得した医療関係者が少ない点を、大いに危惧している。また、精神医療センターで、ストレスケアの医療として、認知行動療法を実施していると聞くが、この4月に診療報酬の対象となった新しい療法なので、患者との1回につき30分以上の面接など、丁寧でしっかりとした治療を、県内に普及させていくためには、他の医療機関のモデルとなるような取組みを行っていくべきである。
 そこで、認知行動療法を行っている医療機関の基本的な情報の周知やこの療法を学ぶ医療関係者の養成や支援について、県としてどのような対応ができるのか、所見を伺いたい。また、地方独立行政法人神奈川県立病院機構に対して、精神医療センターの認知行動療法について、他の医療機関のモデルとなるような取組みを行っていくことを、県として働きかけていくべきと思うが、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、うつ病治療としての認知行動療法についての、お尋ねであります。
 これまで、うつ病治療は、患者の苦しみを取り除くため、抗うつ剤を投与する薬物療法を中心とし、精神療法が併せて行われています。
 お話の認知行動療法は、精神療法のひとつとして実施されており、これまで保険が適用されておりませんでしたが、平成22年度から、認知行動療法に習熟した医師が、治療計画を作成し、患者に説明を行った上で、1回の診療時間が30分を超えて実施した場合に、保険請求が可能になりました。
 しかしながら、認知行動療法を行う医療機関の数やその情報は、まだ少ないことから、今後、医療関係団体と情報提供の内容、方法について調整を行い、この療法を実施している医療機関の情報を、県民へ周知してまいりたいと考えています。
また、全国的にも認知行動療法に習熟した医師が少ないため、今後、国では「独立行政法人国立精神・神経医療研究センター」において、人材育成のための研修を実施することとしておりますので、県内の医療関係者への周知に努め、受講を働きかけてまいります。       
 次に、県立病院における取組みについてのお尋ねでございます。  
 精神医療センター芹香病院では、深刻化する自殺対策の一環として、平成20年4月にストレスケア病棟を開設し、急性期を脱し、症状の落ち着いたうつ病の入院患者を対象として、集団による認知行動療法を取り入れた治療を行っております。
 さらに、本年4月からは、新たにストレスケア専門外来においても、通院患者を対象に、職場復帰や社会復帰に向けて、集団による認知行動療法を取り入れたところであります。
 今後、精神医療センター芹香病院において、この集団による認知行動療法の、これまでの治療成果を検証するとともに、認知行動療法に習熟した医師の確保に努めて、保険適用となる、一人ひとりを対象とした認知行動療法についても積極的に取り組むよう県として働きかけをしてまいります。

 認知症対策について(1) 相談体制の拡充について
【質問】
 厚生労働省によると、我が国の認知症高齢者は平成22年で208万人と推計され、今後、高齢化の進展に伴い、認知症高齢者はさらに増加することが見込まれている。
本県では、本年1月に認知症コールセンターを開設し、認知症対策が一歩前進したものと評価しているが、相談体制の充実はまだ緒についたばかりで、本格的な対応はこれからと認識している。
 コールセンターの電話相談は、介護する家族にとって、電話一本で相談ができ、利便性があるが、例えばフリーダイヤルの導入等の工夫も考えられる。また、対面相談や訪問相談に繋げていく必要があるケースがあると思われるので、地域の身近な相談窓口としての役割を持つ地域包括支援センター等における相談体制の充実も不可欠と思うが、今後の認知症の相談体制の拡充について、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、認知症対策について、2点お尋ねをいただきました。まず、相談体制の充実についてでございます。
 社会の急速な高齢化に伴って認知症高齢者も急増することが見込まれることから、認知症対策は、重要な課題であると認識しています。
 県では、その対策の一つとして、本年1月に、認知症介護の経験者等が、介護の悩みなどをうかがう、認知症コールセンターを設置し、週3日電話相談を実施しております。
 開設後5か月間で286件の相談を受けており、ニーズが高いことから、4月からは平日の相談時間を夜8時まで延長するなど、相談体制の充実を図ったところであります。
 また、認知症コールセンターでは、認知症高齢者を介護するご家族の交流の場としての家族懇談会や、地域の高齢者総合相談窓口である地域包括支援センターとの共催による「地域のつどい」も開催しております。
 県といたしましては、認知症の方やご家族の皆様の利用を一層、促進するため、相談窓口としての認知症コールセンターの活動について、周知、広報に努めてまいります。
 一方、議員お話のとおり、認知症コールセンターでの電話相談だけでは、解決しきれない事案もございます。
 そこで、このような事案については、保健福祉事務所が個別に実施している、医師や保健師による対面相談や訪問相談に、確実に繋がる仕組み作りに早急に取り組んでまいります。
 また、より身近な地域の相談機関である地域包括支援センターの役割は重要でありますので、今後、認知症コールセンターとの具体的な連携方法について、地域包括支援センターの設置者である市町村と協議してまいります。
 さらに県として、地域包括支援センター職員に対し、平成23年度から、認知症に関する研修を実施し、同センターの機能向上に努めてまいります。
 県としては、このような取組みを通じて、認知症に関する相談体制の拡充に取り組んでまいります。

 認知症対策について(2) 認知症疾患医療センターの複数設置について
【質問】
 本県では、本年1月に東海大学医学部付属病院に認知症疾患医療センターを開設した。認知症疾患医療センターは、認知症に関する専門医療を提供し、地域の医療と介護の連携の核となり、本県の認知症対策において、きわめて重要な役割を担っているものと考えるが、県内1箇所で充分な役割が果たせるのかといった指摘もある。
 熊本県では統括機能を持つ基幹型と県内7箇所の地域拠点型のセンターを指定し、群馬県でも患者が集中するおそれや県民の利便性を考慮し、今年の夏に県内7病院を指定する予定で、大阪府では政令市を含め10箇所、兵庫県でも同様に6箇所を指定
している。
 このように先進的な認知症対策を行っている府県では、県内全域を複数の認知症疾患医療センターでサポートしている一方で、本県では、東海大学医学部付属病院1病院のみを指定したところであるが、県内のどこに住んでいても、より身近な地域で、認知症に関する専門医療を受けることができる体制を整えることが重要である。
 そこで、基幹型、地域型による運用等複数の認知症疾患医療センターの創設に向けた今後の県の取組みについて、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、認知症疾患医療センターの複数設置についてのお尋ねがありました。
 認知症疾患医療センターは、認知症の専門医療を提供する現在の老人性認知症センターに、医療と介護の連携などの機能を充実したもので、国では、当面、平成23年度までに、全国150箇所の認知症疾患医療センターを設置することとしております。
 認知症疾患医療センターは、認知症医療における中核機関として重要な役割が期待されることから、平成21年3月に策定した「かながわ高齢者保健福祉計画」において、県内4ケ所の老人性認知症センターを、順次、移行することとしております。
 県は、この1月に、東海大学医学部付属病院を、県内初めての地域型の認知症疾患医療センターに指定したところであり、同センターでは、開設後5ヶ月間で、252件の認知症診断と376件の医療相談を行っております。
 他の3つの老人性認知症センターは、横浜市、川崎市、相模原市の政令市域に立地していることから、県としては、認知症疾患医療センターの指定権限を有する政令市に対して、同センターへの移行を働きかけてまいります。
 一方、認知症の早期発見・早期治療のためには、高齢者の身近にいる、かかりつけ医が認知症に関する専門的な知識と理解を持ち、地域で家族等を支援し、必要なときに認知症疾患医療センターにつなげていくことが重要と考えています。
 そこで、県では、かかりつけ医を対象に認知症の研修を行うとともに、かかりつけ医に対して相談・アドバイスを行うサポート医を養成し、体制の充実に取り組んでいるところです。
 県としては、まずは、4つの認知症疾患医療センターを設置し、かかりつけ医等との連携強化に取り組んでまいります。
 その上で、認知症疾患医療センターの設置のあり方については、県内の病院の状況や国の動向を注視しながら、検討してまいりたいと考えております。
【再質問】
 一点、知事に再質問があります。
 それは、認知症の相談体制の充実の質問の中で、質問に盛り込んだつもりで、検討をお願いさせていただいたつもりですが、認識の違いかも知れませんが、相談体制の拡充のなかで、フリーダイヤルについてです
 このフリーダイヤルについてはですね。特にはなかったものですから、再質問という形で、御答弁をいただきたいと思いますが、実はこのフリーダイヤル、私の地元であります相模原市では、すでに介護についての相談コールセンターを民間に委託しておりまして、「あんしんダイヤル」として、それも24時間体制で、フリーダイヤルで、それも看護師などの専門家が数人の、複数の体制で対応しています。そういう意味では、介護の「あんしんダイヤル」ですが、介護の中の半数以上が認知症ということもありますので、そういう意味では、相模原市というのは、非常に先進的な取組みをしているなという評価しておりますが、この体制がフリーダイヤルであります。介護の必要な高齢者の約半数が認知症、ゆえに多くのですね、金銭的な、また精神的な負担を強いられている状況になっています。
 よって、負担が少しでも少なくなるように、また気軽に相談できるように、このフリーダイヤルを検討すべきというようなことを、質問の流れの中で言わさせていただいたので、ご認識が違ったかもしれませんが、ご答弁できれば再度、ご答弁を願いたいなと思います。
【要望】
 今回、県民病、国民病といわれます、がん・うつ・認知症について質問をさせていただきました。
 知事におかれましては、前向きなご答弁をいただいたと思いますが、その実効性ですね。これら疾患については、多くの県民が直面している。また直面するであろう喫緊の課題であります。そういう意味で質問をさせていただきました。
 県財政が非常に厳しいことは理解をしておりますが、取組まなければいけない重要な課題でもあります。
早期発見・早期の予防それに対応することは、県民の財政の負担減、また精神的な負担を軽減することにつながると思います。併せて県財政を総合的に、また将来的に見た場合に軽減できることにつながると思っております。
 今日のご答弁にありましたように、さらに実効性について知事の強いリーダーシップを要望させていただいて要望一点締め括らせていただきます。再質問の方だけご答弁よろしくお願いいたします。
【再質問への知事答弁】
 渡辺議員の再質問にお答えいたします。
 認知症相談のフリーダイヤル化についてのお尋ねでありました。まず、県は他にも、例えば消費者相談の電話窓口等々、他の様々な相談体制、他のテーマでも作っているわけで、こうした他の相談窓口との整合性をどう考えるか。そしてまた、フリーダイヤル化する場合のコスト負担もございますし、相談体制をどう作るか等々ですね、様々な他の課題がございます。ただし、議員ご指摘のように認知症の患者さん、家族の皆さんは様々なご苦労をされていて、専門家の意見アドバイスを求めたいという気持ち、これを真摯に受け止めなければいけないと思いますので、今後このフリーダイヤル化が可能か否か含めて、体制的なものも含めて検討させていただきたいというふうに考えております。

 高等学校就学支援について(1)
【質問】
 本年度から、国は公立高校の授業料無償化と併せて、私立高校等への授業料補助を行う就学支援金制度をスタートさせたが、本県では、保護者負担を一層軽減するため、従来から実施している県独自の学費補助金制度を、新たな就学支援金制度とあわせて運用することとした。
 国が導入した就学支援金は、単独では十分なものではなく、県独自の学費補助金を抜きにしては、就学支援金制度の目的は達成できないわけであり、二つの制度が車の両輪の如く機能することが重要である。
 そこで、国の就学支援金制度が創設された今日であっても、県独自の学費補助の重要性はいささかも変わっておらず、公立高校と私立高校の授業料負担の格差を解消するためには、今後とも学費補助を継続的に運用していくことが重要であるとともに、就学支援金制度が国の一方的な都合で廃止されることなく、継続的な制度として運用されることが重要と考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、私立高等学校等への就学支援金と学費補助についてお尋ねがありました。
 本県においては、これまでも所得に応じて学費補助を実施しておりましたが、就学支援金制度の導入に当たっては、就学支援金制度と学費補助制度を一体的に運用することにより、就学支援の効果が高まるような制度設計を行い、これまで以上に学費負担の軽減を図ったところでございます。
 具体的には、経済的な事情にかかわらず、生徒が幅広く進路を選択できるよう、特に所得の低い世帯を重点的に学費負担の更なる軽減を図ることとし、生活保護世帯については、就学支援金と合わせて授業料の自己負担を実質ゼロとすることといたしました。
 さらに、年収800万円程度までの所得層に対しても、就学支援金と学費補助の両制度を活用することで、昨年度と比べ大幅な負担軽減を図ったところであります。
 今後、両制度を一体的に運用する支援制度が定着いたしますと、この二つの支援制度が進路選択の前提要件となり、これまで経済的に私学を断念していた生徒も私学を選択する可能性が高まると思われます。
 また、これらの支援制度を活かして、私学に進学した生徒は、家庭の経済状況にかかわらず、従来より安心して勉学に打ち込むことができることとなります。
 こうした中、両制度のいずれが欠けても、就学支援の効果が減少するため、現行の支援制度を前提に進学した生徒は就学継続ができなくなり、また進学を検討していた生徒は進路変更をせざるを得なくなる恐れがあります。
 こうしたことから、神奈川の次世代を担う子どもたちの教育環境を維持するためには、両制度を一体的に継続して運用することが必要不可欠でありますので、国にも将来にわたり継続するよう働きかけながら、県としても厳しい財政状況ではありますが、しっかりと取り組んでまいります。
 

 高等学校就学支援について(2)
【質問】
 高等学校奨学金の貸付者数が平成14年度は1000人程度であったが20年度は約4000人までに拡大、さらに昨年度から緊急経済対策として、国からの特例交付金を活用し、貸付対象者を約1000人分拡大するなど、これまでの県の取組みを高く評価するが、現行の返還猶予期間の考え方、今後の制度設計などいくつか課題がある。
 奨学金の返還猶予は、就職活動中を事由とする場合は1年間に限り認められるが、卒業後も就職困難な状況が相当あるため、今般の景気の大きな落ち込みを考慮し、時限的に返還猶予期間を緩和すべきである。さらに高等学校臨時特例奨学金は平成23年度までの時限措置のため、平成24年度には貸付金予算が約1000人分という大幅な減額となり、経済的な問題で子ども達の就学機会を失うことのないよう、今後の制度について十分検討すべきと思う。
 そこで、就職活動中を事由とする返還猶予期間の見直しについて、どのように考えているか、また、平成24年度以降の高等学校奨学金制度について、併せて所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 高等学校奨学金は、高校生の修学への経済的支援として重要な役割を担っており、その拡充に努めておりますが、卒業後の奨学金の返還は、次の世代の奨学金の原資となる仕組みとなっており、その確保にも取り組んでいるところでございます。そうした中で、一定の要件を満たした場合には、その返還を猶予する制度を設けておりますが、このうち、就職活動中を理由とする猶予につきましては、平成19年度から猶予の期間を1年限りに見直したところであり、この平成22年3月の卒業生から適用されるところでございます。
 しかしながら、高校生の就職内定率も非常に厳しい状況にありますので、この春の卒業生の猶予期間の見直しについて改めて検討したいと考えております。
次に、国からの交付金の期限が到来します平成24年度以降の対応についてでございますが、これまでも教育委員会では、より使いやすく安定した奨学金制度の構築を図ってきております。
 平成21年度は中学3年次での予約申込制度の導入や奨学金基金の設置、22年度は貸付月額の選択制の導入を行ったところであり、平成24年度以降の対応につきましても、経済状況の変動や、高校の授業料の無償化など、高校生への修学支援の動向も踏まえつつ、よりニーズに即した制度とするための検討を引き続き行ってまいりたいと考えております。
 また、応募者が増加している状況を踏まえ、平成24年度以降も引き続き交付金が活用できるよう、国に対して働きかけてまいります。


議会質問

平成21年6月定例議会
本会議 代表質問

平成21年6月24日

インターネット議会中継

神奈川新聞記事


 知事の政治姿勢について(1)
【質問】
 知事は、湘南海岸など県内すべての海水浴場を原則禁煙にする方向で検討を始めると発表された。受動喫煙防止条例の際も、県議会との議論もなく、未成熟なままマスコミ向けに構想をぶちあげたため、県民意見が二分されるような混乱を招き、風営法対象施設は、結局、対象からはずすことになるなど、場当たり的な対応を繰り返すことになったことは記憶に新しいところである。
 さらに、根本的な問題として、今回の規制の理由が、ゴミを減らす、歩きたばこでやけどなどを負う危険性をなくすなど、屋内ではなく、屋外での喫煙を制限する理由を掲げて規制を実施しようとしていることがある。
 そこで、海水浴場を全面禁煙とする規制については、時間をかけて議論を一つ一つ積み上げ、県民合意を得られるよう進めていくべきであると考えるが、今後、どのような手順、スケジュールで進められようとしているのか、所見を伺いたい。
 また、ゴミを減らす、やけどなどを負う危険性をなくすなどの理由で規制を実施することは、屋外全面禁煙にもつながりかねない発想ではないかと思うが、どのようなつもりなのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最初に、海水浴場を禁煙とする規制に関連して、お尋ねがありました。
 県内には湘南を中心として、約30の海水浴場がありますが、夏の間多くの方で大変な賑わいを見せており、県にとっても重要な観光資源の一つとなっています。
 海水浴場の利用については、利用者のマナーに委ねられている部分が大きいのですが、喫煙に関しましては、吸い殻のポイ捨ては海岸の美観を損なう大きな原因となっていますし、安全面、そして海水浴場のイメージダウンといった面からも問題があると認識しています。
 そこで、海水浴場の砂浜を原則禁煙とする新しいルールを設けたいと考えています。
 このため、関係する14の市町と、仮称ではありますが「神奈川県海水浴場たばこ対策県市町検討会」を立ち上げ、重要な観光資源である県内の海水浴場を、多くの皆さんに、きれいで安全、快適にご利用いただけるためのルール化について議論をしてまいります。
 また、検討に当たっては、今年の海水浴の期間に利用者や関係団体等の方々と意見交換を行うほか、県民への意識調査を実施するなど、多くの方々のご意見を伺ってまいります。
 スケジュールにつきましては、こうした意見の取りまとめに要する時間にもよりますが、早ければ来年の海水浴シーズンの実施に向けて、取り組んでまいります。
 また、今回の取組みは、湘南を代表とする神奈川の海水浴場を、きれいで安全、快適に過ごせるビーチとするために、海水浴場を原則禁煙とする、新たな「かながわルール」を設け、場所的にも、期間的にも限定的に適用したいと考えておりますので、屋外全面禁煙につながるものではございません。

 知事の政治姿勢について(2)
【質問】
 知事は07年春の再選時に掲げたマニフェストについて、「2年目までに約7割の達成度」との自己評価を発表された。
 評価の低いC評価は、子育て支援、高齢者介護など福祉分野が目立ち15項目、一方、Aは公共的施設受動喫煙防止条例をはじめ13項目で、11条例のうち8条例が制定されたがいずれもAである。これを見ると、「全国で初」の条例や、「先進的な取組み」にばかり力が入り、県民一人ひとりに密接に関係する、地に足がついた、県として果たすべき基本的な責務である分野がないがしろにされているのがよくわかる。
 「全国初」「先進的」というのは、取り組む必然性が低いから取り組めば「全国初」「先進的」になるのであって、それで「名」は上がるかもしれないが、県民生活に密着した施策分野の「実」は上がらない。もっと県民生活に密着した福祉などの分野に力を入れるべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、私のマニフェストの評価に関して、お尋ねをいただきました。
 マニフェストで掲げた政策は、選挙において信任を得た、私と県民の皆さんとの約束でありますので、「神奈川力構想・実施計画」など県の計画にしっかりと位置づけて、重点的・優先的な取り組みを進めているところであります。
 今回、私の2期目4年間のうち、2年目を終えた段階での進捗状況を分析し、自己評価として県民の皆さんにお示しいたしましたが、政策の実現に向けては様々な要因が関わるために、個々の政策ごとの達成度はおのずと異なってまいります。
 私といたしましては、目標達成に向けて課題が残されている政策についても、それぞれの課題をきちんと整理し、一層工夫と努力を重ねてまいります。
 そうすることによって、すべての政策について、4年間の任期の中で目標が達成できるよう、全力で取組みを進めたいと考えております。

 在宅重度障害者等手当の見直しについて
【質問】
 在宅重度障害者等手当の見直しに関しては、県の意見募集に対し寄せられた意見を見ても、見直しを非常に不安に感じている方々の気持ちがよくわかる。見直しで生じた財源は地域生活支援施策に活用するとされているが、社会として真っ先にサポートすべき障害者への手当を見直すなら、代替策として実際にやることを確認できないと、安易な「白紙委任」はできない。
 激変緩和のための配慮として、1年間の経過措置を設けるとのことであるが、経過措置期間である2010年度ですら、手当は09年度の約43億円から約24億円へと減少する。意見募集に見たような切実な声に応えるためには、施策を実現した分だけ、手当の見直しを進めるなど、地域生活支援推進施策の実現に向けた、何らかの担保が必要なのではないか。
 そこで、地域生活支援施策の具体的な内容と、その実現スケジュールを明確に示し、その実現を明確に担保することが必要と考えるが、所見を伺いたい。
 また、「さらなる経過措置」が議会側から提案された場合、県として受け入れる余地はあるのかどうか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、在宅重度障害者等手当制度の見直しに関してのお尋ねでございます。
 まず、障害者の地域生活支援施策の実現を担保することについて、お尋ねをいただきました。
 この度、手当の見直しとともに地域生活支援施策に取り組むにあたっては、「かながわの障害福祉グランドデザイン」の実現に向け、今後の取組みの基本的な方向性を示す「かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱」を策定することとしております。
 大綱では、平成22年度から26年度までの5年間の、「すまい」「いきがい」「ささえあい」の視点に立った、6つのプロジェクトについて、時代のニーズを踏まえた取組みの基本的な方向と、想定スケジュールを示してまいります。
 一例を申し上げますと、「居住支援プロジェクト」では、グループホームやケアホームの設置・利用の促進を図り、「日中活動支援プロジェクト」では、障害者にとって魅力ある日中活動拠点づくりに取り組んでまいります。
 また、「権利擁護・相談支援プロジェクト」では、利用しやすい成年後見などのしくみを構築してまいります。
 この大綱の策定にあたっては、障害者のニーズを十分に踏まえることが大変重要ですので、障害者が参画する「神奈川県障害者施策推進協議会」にお諮りし、小委員会を設置していただき、ご意見を聞きながら、作りあげてまいりました。
 今後は、引き続きこの協議会のもとで適切に進行管理を行い、障害者の期待に応えられるよう、大綱の基本的な方向性に沿って、地域生活支援施策にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、さらなる経過措置について、お尋ねをいただきました。
 県といたしましては、広域的・専門的な役割を踏まえた、新たな地域生活支援施策の取組みを、早期に充実していくことにより、障害者の方が地域で安心して暮らすことを実現してまいりたいと考えております。
 従いまして、平成22年度の1年間の経過措置を経て、23年度から全面施行することにご理解いただきたいと存じます。

 がん対策について(1)
【質問】
 がん対策には、検診によるがんの早期発見が非常に有効であるが、日本人のがん検診の受信率は、非常に低い受診率にとどまっている。
 横浜市は、国の補正予算に盛り込まれたがん対策推進事業の一環として、子宮頸がんと乳がんについて、10月から半年有効の「検診無料クーポン券」や検診手帳を全額、国の補助金で作成し対象者に配ることを議決した。そのほか、藤沢市などでも今定例会に補正予算案の提出を検討し、相模原市なども7月に臨時議会を開催する予定と聞いている。こうした動きを、他の市町村にも拡大するよう、指導していくことが、県民の命を守る、県の果たすべき役目ではないかと強く感じるところである。
 そこで、県としても、市町村に対して、国補正予算で措置された無料検診を推進するよう、強力に指導していくべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、がん対策について、お尋ねをいただきました。
 まず、このたびの国の補正予算に盛り込まれた、乳がん等の無料検診事業の推進についてであります。
 この事業は、市町村が特定の年齢に達した女性に対して、子宮頸がんと乳がんに関する検診手帳と、検診無料クーポン券を配布することにより、これらのがん検診の受診を促進するとともに、がんの早期発見と正しい健康意識の普及啓発を図るものであります。
 この事業は、これまでがん検診に関心がなかったり、受診した経験がなかった方にとって、まず関心を持ち、体験していただく良い機会となる、大変意義のある事業であると認識しています。
 そこで、県ではまず、市町村の担当者を対象とする会議を開催し、事業概要や留意点を説明して、本事業のしくみを正確に理解していただくよう務めました。
 また、事業実施にあたって不明確な部分があるため、市町村からの意見・質問を集約し、厚生労働省へ照会するとともに、各市町村を対象に、事業開始時期や委託を予定している検診機関について調査を行い、そのとりまとめ結果を各市町村に提供するなど、事業の迅速な具体化を支援してまいりました。
 さらに、今回の検診事業に伴って検診受診者が大幅に増えることや、受診者の利便性の配慮に対応するために、検診機関との調整が必要となっていることから、県医師会等関係機関に対し、検診実施に際しての協力を要請したところであります。
 県では、この事業が県民の定期的な受診行動へとつながり、検診受診率の向上の一助となるよう、今後とも、県内市町村の事業の進捗状況を把握し、必要な情報提供や調整をきめ細かく行うことにより、市町村の円滑な事業実施を促進してまいります。

 がん対策について(2)
【質問】
 がん検診の受診率を高めるためには、受診してこなかった人たちに対する広報・啓発といった働きかけが重要である。
 本県では、05年度は乳がん死亡率ワースト2、先頃、厚生労働省から公表されたがん対策の現状分析でも、がん対策の偏差値は全国31位と低位にとどまっている。国が検診の無料クーポン化を打ち出したこの機会を捉え、普及啓発の強化に乗り出していくべきである。
 受診率向上の目標設定についても、がん対策基本計画の目標数値50%を上回る受診率目標を設定している団体があるのに対し、本県は、基本計画と同じ50%という数値目標すら掲げていない。
 そこで、今や国民病と言われるがんによる死亡率を下げるためには、がん検診の受診率向上が必須であり、県として、がん検診の効用や、がんそのものに関する県民への普及啓発への取り組みを強化すべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。
 また、取組みの強化にあわせ、検診率の数値目標を設定すべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、がん検診に関してお尋ねがありました。
 本県では、「がん克服条例」や「がんへの挑戦・10か年戦略」の中で、がん検診の普及啓発を県の重要な役割の一つとして位置づけ、これまで、パンフレット等の作成・配布や、テレビ、ラジオ等、県の各種広報媒体を通じて、がんの予防に関する普及啓発に努めてまいりました。
 また、平成19年度に民間団体から寄贈していただいたマンモグラフィ検診車につきましては、子どもたちの絵でラッピングされていることから、様々なイベントの場で展示するなど、検診を身近なものとして受け止めていただけるよう、活用に努めてきたところであります。
 新たな普及啓発の展開に向けては、今般、補正予算として盛り込んだ「健康増進対策費」を活用して、保健福祉事務所等を中心に、地域の健康まつり会場でのイベントや、健康教室・健康相談室を開催し、特に早期発見・早期治療が有効である女性特有のがん検診の普及啓発を行ってまいります。
 一方、議員のお話にありました、企業の社会貢献活動との協働・連携の取組みにつきましても、企業のネットワークを生かして、がんに関する知識の普及や、がん検診普及啓発イベントの開催などを検討しているところであります。
 県といたしましては、今後とも、市町村、職域、さらに民間団体等を構成団体とするがん克服県民会議を中心として、ネットワークを広げながら、県民の積極的な受診行動に結びつくよう、効果的で幅広い普及啓発を展開してまいります。
 次に、がん検診の受診率の数値目標についてですが、本年3月に、市町村がん検診対象者の把握方法について、国から統一した考え方が示され、受診率の比較が可能となりました。
 そこで、県のがん対策推進計画である「がんへの挑戦・10か年戦略」が、今年度に計画期間の中間年を迎えることから、中間評価の際に、改めて受診率を数値目標として設定することについて検証し、神奈川の状況に適した、県民にわかりやすい指標となるよう、検討をしてまいります。

 がん対策について(3)
【質問】
 重粒子線治療は、現状では保険適用外であり、その治療費は全額患者の自己負担で、治療費は300万円を超えるといわれている。100億円を超えるといわれる建設費をかけて整備するのであるから、なるべく多くの県民の方が重粒子線治療を受けられるよう、何らかの方策を考えていくべきである。
 09年度予算には調査設計費が計上され、バード面での進捗が見られる中、次は、患者の負担軽減や医療技術者の確保など、重粒子線治療を推進するために、多面的な検討を進めるべきである。
 そこで、ハード面に一定の進捗が見られる今、患者の負担軽減や医療技術者の確保などの面も、着実に検討を進めるべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、重粒子線治療装置に関して質問がございました。
 まず、重粒子線治療装置に関する人材確保についてでありますが、重粒子線治療装置の運用に必要となる放射線治療医の人数は、学会が認定する医師が全国で600人程度、同じく医学物理士が380人程度であり、その人材確保が大きな課題であると認識しています。
 人材確保にあたりましては、がんセンターの職員を放射線医学総合研究所へ派遣し、現場での研修により人材を育成することに加え、同研究所からの人材を受け入れるという両面からの確保策が必要と考えております。
 そこで、本年4月には、同研究所と、医師・研究者等の職員交流を目的として「研究・医療協力に関する協定」を締結いたしました。その協定に基づきまして、来年度以降、平成26年度の治療開始に向けて計画的に人材の確保に努めてまいります。
 これに加え、この装置の導入にあたっては、治療・研究・人材育成の一体的活用が重要と考えておりますので、医学部を持つ4つの大学の放射線の専門医をメンバーとして、本年7月中を目途に重粒子線治療装置ネットワーク会議を立上げ、その中で、人材育成についても検討をしてまいります。
 次に、患者負担の検討についてであります。
 現在、患者の自己負担額が概ね300万円程度と非常に高額になっており、兵庫県と静岡県では、患者負担の軽減方策として、治療費に対する無利子融資や利子補給を行っていると承知しています。
 患者負担の軽減につきましては大きな課題であると認識しておりますが、患者に対する治療は健康保険で賄われることが本来の姿であると考えておりますので、重粒子線治療装置による治療が保険適用の対象となるよう、今年度から新たに国へ働きかけを行っております。
 また、本県を含む粒子線治療の普及事業に賛同する自治体から成る「全国粒子線治療促進協議会」においても、患者の経済的負担を軽減し、粒子線治療を望む多くの人が治療を受けられるように早急に医療保険適用を認める要望活動を本年5月に国に対して行ったところであります。
 現在、このような重粒子線治療の健康保険の適用について要望を進めておりますので、今後の診療報酬改定での重粒子線治療に係る保険適用の状況を見極めながら、患者負担の軽減の方策についても検討を進めてまいります。

 新型インフルエンザへの対応について
【質問】
 今回、明らかになった課題はさまざまであるが、県内に多数の米軍基地を抱える神奈川特有の課題として、米軍との連携がある。6月16日には米軍基地関係者の発症も確認されたとのことであり、備蓄資機材の融通や、基地内外の病院の診療機能等の有効活用など、相互の協力体制を築いておくべきである。
 単に在日米陸軍、海軍との会議で協力を確認しあっただけでは、担当者の交代などにより対応が変わってしまう可能性も否定できない。米軍との災害時における相互支援に関する覚書の対象に「新型インフルエンザの発生」を含めることにより、確実な相互支援を図ることができるようになるのではないか。
 @県内の米軍関係者が2万5千人にも上ることを考えれば、新型インフルエンザ発生時には、神奈川県民であると否とを問わず、本県内在住者への対応が必要となることから、在日米軍との相互支援は必須であると考えるが、所見を伺いたい。Aその際、すでに締結されている覚書の運用拡充や新たな協定締結などにより、より確固とした相互支援体制を築き上げることが必要ではないかと考えるが、あわせて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、新型インフルエンザ対策に係る在日米軍との相互支援についてお尋ねがありました。
 まず、在日米軍については、国内法の適用が大きく制約されており、地元自治体として、種々の課題解決に向けて在日米軍と協議を進めることは、多くの困難を伴うものであります。
 新型インフルエンザ等感染症に関する在日米軍の取扱いにつきましても、原則として国内法が適用されず、提供されている施設・区域から入国する米軍人等に対する検疫は、日米合同委員会合意により米側が行うこととされております。
 こうした中、先ずは在日米海軍及び米陸軍の具体の検疫体制に関する情報を得ることが必要であることから、両軍との情報交換の場を設けるとともに、外務省を通じて米軍の新型インフルエンザ対策や感染者の情報等の速やかな提供が約束されたところであります。
 今後、在日米海軍及び陸軍との情報交換の場も活用して、どのような相互支援が可能なのかも含めて検討を行い、一層の連携強化に向けて引き続き取組みを進めてまいります。
 また、覚書や協定の締結についてのお尋ねがありましたが、県では、昨年、都道府県として、全国に先駆けて、在日米海軍及び陸軍との間で、被災者の救出活動等、災害対策の相互支援などのための覚書を締結しています。
 これは国家間の協定を働きかけている環境特別協定とは異なりますが、いずれも県民生活にとって重要な課題であり、新型インフルエンザ対策に関しましても、米側との意見交換等を進めていく中で、覚書や協定の締結の可能性を含めて、相互支援体制のあり方について検討してまいります。

 ドクターヘリの夜間搬送について
【質問】
 ドクターヘリの夜間運航にあたり、全国的にも課題となっている運航体制や照明設備の問題を克服するため、厚生労働省は09年度予算で、ドクターヘリ夜間搬送モデル事業を立ち上げた。この事業を利用すれば、本県におけるドクターヘリの夜間運航も実現するのではないかと期待を寄せていたところ、2月に行われた運航調整委員会において、夜間搬送には、高架線や山岳地帯における運用など安全面、騒音など難しい課題が多く、また、不確定要素もあることが報告されたところである。運航体制等や照明設備の課題等が解決されても、現状の本県の立地では、県民の命を多数救うであろうドクターヘリの夜間運航は、未来永劫実現しないことになってしまう。
 立地面の問題がないヘリポートを整備し、そこから救急車で病院に搬送するなど、夜間運航の実現に向け、何らかの方策がないのか、あきらめずに検討を行うべきである。
 そこで、立地面の問題だけであきらめることなく、さまざまな方策を検討し、ドクターヘリの夜間運航実現に向け努力していただきたいと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次にドクターヘリの夜間搬送について、お尋ねをいただきました。
 ドクターヘリにつきましては、平成14年7月の導入以来、平成20年度末までの約7年間で2,400人を超える救急患者の運送を行ってまいりました。
 このように、高速で移動できるヘリコプターの特性を活かし、重篤な救急患者の救命率の向上をもたらすなど、本県の救急医療体制の中で重要な役割を果たしており、今後とも、効果的な運用を図ることは極めて重要であると認識しております。
 そうした中で、夜間搬送を含めた運航時間の延長につきましては、本県のドクターヘリの実施主体である東海大学医学部付属病院が設置するドクターヘリ運航調整委員会で研究を行い、本年2月にその研究結果を取りまとめたところであります。
 この研究結果において、夜間搬送については、高架線などの障害物のほか、視界の確保といった気象条件をはじめ、パイロットの暗闇への視力の順応、あるいは、夜間運航が可能なヘリコプターの装備や離発着場の整備といった、安全面での様々な課題が挙げられております。
 また、深夜・早朝の時間帯には、こうした安全面での課題に加え、離発着場の周辺住民に与える騒音が問題として挙げられており、現段階では、夜間搬送の実施は困難であるとの指摘がされたところであります。
 このように夜間搬送については、様々な課題がありますが、議員お話しのとおり、一つ一つの課題について解決が可能であるのか、研究を重ねることが大切であります。
 そこで、防災へリを活用する埼玉県の例や、事業の共同実施者である市町村の意向や意見を踏まえながら、これまで明らかになった課題を含めドクターヘリの効果的な運航のあり方について、引き続き運航調整委員会において研究をしてまいります。

 森林整備について(1)
【質問】
 最近、中国の企業が水源地を買収しようとする動きが活発化しているとの報道があった。中国だけではなく、大手水企業は、世界の水源地に注目し、利権を確保しようと買収活動を活発化させている。
 この他にも、森林買収が進む原因は様々あるが、その大きな原因は、森林が非常に安いからである。安い森林を購入後、皆伐し、植林を放棄すれば、採算が見込めるのである。これらは誠に由々しき事態であり、なんとしても森林の保全を図らねばならない。
 いまこそ、水源かん養など様々な公益的機能をもつ本県の森林資源の重要性を再認識し、守るべきであり、そのためにも、私有林を、水源環境保全税を活用して公有林として確保するなど、水源林確保の取組みをより強力に推進すべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次は、本県における森林整備についてのお尋ねです。
 まず、水源林確保の取組についてであります。
 水源林の確保手法には、所有者自らが行う森林整備を公的に支援する「協力協約」と、県が公的管理として森林整備を行う「水源分収林」、「水源協定林」、「買取り」の4つがございます。
 具体的には、林道に近く、木材を搬出しやすい森林は、「協力協約」を基本とし、所有者自ら整備できない場合には、県が「水源分収林」として確保し、複層林化に向けた整備を行っています。
 また、林道から遠く木材利用が難しい森林は、県が「水源協定林」として確保し、混交林化へ向けた整備を行っているところです。
 議員からお話のありました私有林の公有林化は、「買取り」の手法で進めることになりますが、県にとって大きな財政負担となることから、直接、水質に影響するダム湖周辺や下流域におよぼす影響の大きい水源地域の源流部など、県が永続的に管理していく必要のある重要な森林に限定して行っています。
 県では、今後とも、ただいまの4つの手法により取り組んでいきたいと考えておりますが、確保が進むなかで、所有者が分からない森林や、小規模な所有が多くなり、年々水源林の確保が困難となっています。
 また、「協力協約」を進めるためには、間伐材の搬出コストを軽減し、採算性を向上させることで森林所有者の整備意欲を高めていく必要があります。
 このため県では、緊急雇用創出事業などを活用して所有者情報等の収集に努めるとともに、間伐材の搬出助成に加え、作業道の整備や高性能林業機械の普及等による搬出コストの軽減に努めているところであります。
 水源環境の保全・再生に向け森林整備を推進していくためには、水源林の確保が大前提となりますので、今後とも円滑に確保が図られるよう対策の強化に努めてまいりたいと考えています。

 本県における森林整備について(2)
【質問】
 森林整備を着実に進めるためには、林業の振興が重要である。国産材は未だ価格が安く抑えられているが、輸入材の確保に不安が出てきており、安定した供給ができるのであれば、国産材に切り替えようとの動きが見られる。国内需要に変化の兆しが見える今こそ、水源林の確保、整備といったいわゆる「川上」での施策の他、搬出された木材を製材し、商品化する「川中」、そして流通という「川下」全体を見据えた施策をトータルパッケージで打ち出し、林業を業として成り立たせ、ひいては永続的な森林資源の確保を可能にしていくべきである。
 森林の循環を維持するためには、間伐材を含めた木材が積極的に利用されることが必要であり、この循環を守るため、「川上」の県産木材の生産から、「川中」の製材・加工、そして「川下」の流通・消費対策といった一体的な取組みを進めていくべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、森林の循環を維持するための県産木材の生産から製材・加工、さらには流通・消費の一体的な取組についてのお尋ねがございました。
 神奈川の森林を将来にわたって保全・再生していくためには、スギ・ヒノキの人工林を、少なくとも15年に1回、毎年2千ヘクタールの手入れをしていくことが必要であると考えています。
 こうした、サイクルを維持していくためには、森林整備への公的支援を併せて、間伐材を山林から搬出し、建築材などとして、県民に使っていただく仕組みを再構築し、将来的には3万立方メートルの間伐材等を活用することが必要です。
 そこで、平成17年度から間伐材の搬出支援や、神奈川県産材として認証するための支援、さらには、学校などの公共施設における利用など、生産から加工、消費にいたる一体的な取組を進めてきたところであります。
 こうした取組を通じ、平成17年度に、9千立方メートル程度であった間伐材等の生産量は、平成20年度には、約1万3千立方メートルまで拡大し、公共施設や住宅の建築に有効に活用されております。
 しかしながら、間伐材等の生産量を3万立方メートルまで拡大していくためには、山からの効率的な搬出や、これまであまり利用されていない曲がりの多い間伐材の活用促進などに取り組む必要があります。
 また、乾燥が行き届き、強度の安定した高品質な製品として製材・加工し、県民の家造り等に活用される仕組みをつくることなども必要であります。
 そこで、こうした課題を踏まえ、今年度から、高性能林業機械の導入支援を行い、コストの軽減に努めておりますが、今後は、製材・加工の受け皿の確保や、県産木材住宅の建築促進などに重点的に取り組んでまいります。
 さらに、川上、川中、川下の取組が相互に結びつき、間伐材等が円滑に流通し、消費に繋がるよう、森林循環の再構築に向け、関係者間の連携強化に努めてまいります。

 本県における森林整備について(3)
【質問】
 6月5日に、バイオマス燃料などの普及を促す、バイオマス活用推進基本法が成立した。これにより、地方自治体も地域の状況に応じた推進計画をつくることとなる。 
 本県は、地球温暖化対策に先進的に取り組むことを宣言し、また、水源環境保全税をつかって水源林の整備に取り組んでいるものの、その双方にマッチする、一石二鳥の施策であるはずの木質バイオマスに取り組んでいるという話は聞こえてこない。
 間伐材等を利用した木質バイオマスの活用に、地球温暖化対策や水源林整備に先進的に取り組む本県こそが積極的に取り組むべきであり、国でバイオマス活用推進基本法が制定されたこの機会を捉え、是非取り組んでいくべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、森林整備の過程で生じる、間伐材を利用した木質バイオマスの活用についてのお尋ねであります。
県では森林の保全・再生を図るため、平成20年度には、2千ヘクタールを超える間伐を実施しておりますが、これに伴い発生する間伐材は、総量で、約15万6千立方メートルと推計しております。
 このうち、林道から比較的近く、技術や経費の面で搬出可能な森林から、柱や板などへの利用を目的に、約1万3千立方メートルの間伐材が搬出されております。
 今後はさらに、合板や集成材などへの利用を促進することで、将来、3万立方メートルまで搬出量を拡大することを目標としておりますが、そうした用途に利用できない間伐材もあり、それらは山に放置されることになります。
 そこで、県では、できる限り間伐材を活用するため、これまで、柱などに利用する部分だけを山で切り分けて搬出してきた方法を見直して、枝葉を含め、木一本丸ごと山から搬出し、林道脇において、住宅に使う部分と木質バイオマスに使う部分を切り分けて活用する取組を始めたところであります。
 このようにして、山から搬出した木質バイオマスについては、チップにして固めた、パーティクルボード等として活用を進めているところであります。
 また、自然環境保全センターにおいては、先に完成した新本館に、冬季の暖房のサポート設備として、チップを燃料とするボイラーを設置し、木質バイオマスの活用を図っているところであります。
 今後は、この度制定された、バイオマス活用推進基本法で求められている県の推進計画の中に、木質バイオマス利用に向けた、こうした取組を盛り込み、より一層の推進を図るとともに、本県における地球温暖化対策の推進の中でも、その位置づけを検討してまいります。
 答弁は以上でございます。


議会質問

平成19年12月定例議会
本会議 代表質問

平成19年12月6日

インターネット議会中継

神奈川新聞記事


 県税収入見通しについて
【質問】
 今後の財政見通しについて、知事は、平成19年度、20年度ともに、県税収入については増収を期待しながらも、その他のマイナス要因により楽観視できない状況にあるとしている。したがって、仮に県税収入が増収とならない場合には、極めて厳しい財政状況になることが想定される。
 こうした中で、最近の経済情勢を見ると、数多くの不安材料が存在しており、我が国経済の先行きについても、かなりの減速が懸念され、法人二税を主力としている本県の税収にも大きな影響を及ぼすのではないかと考える。
 そこで、最近の経済情勢を踏まえ、平成19年度、20年度の県税収入の動向をどのように見通しているのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 まず、税収見通しの背景となる最近の景気動向でありますが、11月の月例経済報告では、「このところ一部に弱さがみられるものの回復している。」との基調判断を継続したところでありますが、先行きにつきましては、米国のサブプライムローン問題等を背景とした急激な円高・株安影響や、原油価格の動向に、留意する必要があると警戒感を示すものとなっております。
 このような中にあって、平成19年度の県税収入見通しでありますが、法人二税につきましては、成19年9月中間期の申告実績の取りまとめが12月半ばとなりますので、現時点では確たることは申し上げにくい状況にあるものの、主力をなす19年3月期決算法人の申告実績は、当初の見込みを上回っております。
 また、個人県民税につきましても、当初課税分が見込みを上回ったことなどから、県税収入全体としては、予算額に対し多少の増収は期待できるものと考えているところでございます。
 次に、20年度の県税収入見通しにつきましては、現時点では、20年3月期の企業決算見通しが、5期連続で最高益を更新すると予想されているものの、今後の懸念材料の動向によっては、その増収幅が大きく減少することも危惧されております。
 また、個人県民税につきましても、税源移譲に伴う制度上の増収は多少見込めますが、それを除けば、大きな伸びを期待することは難しい状況でございます。
 このようなことから、現時点では、県税収入全体として、平成19年度の予算額を多少上回ることを期待はしておりますが、現下の経済情勢をみる限り、予断を許さない状況であると考えております。
 いずれにいたしましても、県税収入見通しについては、先行きの不安材料が増しつつある経済情勢を踏まえ、今後の景気動向や税収実績を十分に注視するとともに、当初予算の編成作業の中で、詳細な分析を行った上で、歳入予算額を見積もってまいりたいと考えております。

 危機管理体制強化について
【質問】
 本定例会に提案されている条例改正案の中で、平成20年4月から、本庁組織の見直しの一環として、安全防災局の所掌事務に「危機管理の総合調整に関する事項」という項目が追加されているが、どのように危機管理体制が強化されるのか、具体的な内容は不明である。
 県民に重大な被害を及ぼす災害、事件、事故は、いつ発生するか予測ができないので、平常時から危機管理体制を強化し万全の備えを講じる必要がある。
 そのためには、危機管理に関する事務をできるだけ一元化するとともに平時から部局長に指示ができる危機管理専門職を設置するなどの体制を整える必要があると考える。
 そこで、これらの点について県としてどのように考えているのか、これまでの検討状況や、現在検討されている危機管理体制の強化についての内容も踏まえ、所見を伺いたい。
【知事答弁】
  次に、安全防災局の危機管理体制の強化についてのお尋ねがございました。
 議員お話しのとおり、地震や台風などの自然災害や、テロなどの発生に対し、県として、万全の対応が求められております。
 このようなことから、先の9月定例会においても、危機管理の強化に関し「どのような体制が望ましいのか十分論議し、検討してまいりたい」と答弁をいたしました。
 そこで、このたび、神奈川県部設置条例を改正し、安全防災局に、新たに危機管理の総合調整に関する分掌事務を加えることをご提案しているところでございます。
 お尋ねの、危機管理に関する事務の一元化についてでありますが、県全体としての組織の効率性から、難しい面が多いと考え、県として一体的な対応を図るため、情報の一元化や、部局間の連携を図ることを目的とした新たな会議の設置等を検討したところであります。
 まず、情報の一元化でありますが、危機事象が発生した際、事象の内容や対応状況等の情報を必ず安全防災局に連絡することとし、県全体としての対応を図ることができるよう、新たな仕組みを検討することといたしました。
 次に、新たな会議の設置でありますが、危機管理対策本部の設置には至らないものの、県全体での対応が必要な危機事象に迅速に対処できるよう、新たに安全防災局長を座長とする対策会議を新設することといたしました。
 また、平常時においても危機管理に関しては、安全防災局長が、他部局長に対し指示・調整できることを「危機管理対処方針」に明示したいと考えております。
 最後に危機管理専門職の設置についてでございますが、だだ今申し上げましたように、安全防災局長が他部局長を指示・調整できるようにするなど、安全防災局を中心に危機管理体制を強化し、来年度から運用することとしております。
 従いまして、まず、この新たな体制の運用をしっかり行っていくこととし、危機管理専門職の設置につきましては、今後の課題として、研究させていただきたいと考えております。
【要望】

 最後に要望として、危機管理の体制のご答弁がありました。私が思うのは非常時には、部局を調整するのではなくて、緊急事態の時に、命令をしなくてはいけない、ともすれば、警察だとか教育だとか少なくとも医療機関だとか様々なところに命令をしなくてはいけない、そういう意味では一段高い立場のそういう役職が必要なのではないかなと思います。併せてそうであれば、かなり専門的な知識をもっていないとそういう立場としても認められない。そういう意味では、わが党が求めています危機管理専門職という立場、これを是非ご検討願いたいというふうに要望をさせていただきます。


 肝炎対策について
【質問】
 薬害肝炎問題について、地裁で国の責任を認める判決が続き、大阪高裁からは和解勧告が出されている中で、与党肝炎対策プロジェクトチームの合意に基づき、肝炎対策基本法案が国会に提出されている。
 したがって、財政負担のあり方については、引き続き国に求めていくと同時に、地方自治体としても、積極的に検査・治療の仕組みづくりを検討し、国に提言し、できることから実行に移すことが大切である。
 そこで、肝炎の検査・治療の促進については、本県としては、どのように取り組んでいくのか、肝炎ウイルス検診の医療機関への委託や、インターフェロン治療を必要とする肝炎患者の経済的負担の軽減を含め、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、肝炎の検査・治療の取組みについて、お尋ねがございました。
 肝炎につきましては、B型及びC型肝炎を問わず早期に発見し適切な治療を行うことで、重症化やがんの発生を予防することが期待できますので、県民の健康を守る観点から肝炎対策を進めることが必要であると考えております。
 これまで、県といたしましては、肝炎に関する正しい知識の普及が重要であると考え、各保健福祉事務所において、講演会や相談などにより、県民の皆様に情報提供をしてまいりました。
 また、肝炎検査については、その受診の重要性を県民の皆様に啓発しながら、保健福祉事務所において少ない負担で検査を実施するとともに、市町村が老人保健事業の一環として行う検査についても県として財政支援をしております。
 さらに、治療の充実に向けて、県内の大学病院のご協力をいただき、肝炎の専門医による検討会を設けるとともに、地域医療関係者に対する研修を実施してまいりました。
 このような状況の中で、国においては、薬害肝炎をきっかけとして、肝炎検査の充実など新たな肝炎対策が打ち出されるとともに、現在、国会に肝炎対策基本法が提案されるなど、さらなる取組みが進められているところであります。
 そこで、本県では、まず、保健福祉事務所における肝炎検査について、早期発見をさらに進め、受診の促進を図るため、県内の保健所設置市とともに、この1月から3月までの間、無料化することといたしました。
 一方、医療機関での無料検査については、国が既に方針を打ち出しておりますが、現時点においても具体的な内容が明らかでないことから、今後の国の動きや保健福祉事務所での検査の受診状況をみて、検討してまいります。
 こうした対策に加え、国からは、インターフェロン治療の医療費助成を国と都道府県で負担を折半する考えが示されております。
 肝炎患者の経済的負担の軽減は必要なことでありますが、これは国に責任のある薬害被害者の救済がきっかけとなって打ち出されたものであり、基本的には国の責任において、対応すべきものと考えています。
 このため、医療費助成については、全国知事会においてはもちろんのこと、本県としても、他県と連携して、財政負担の見直しについて厚生労働省に申入れを行うこととしておりますので、今後、こうした動向を注視しながら、検討をしてまいります。
【再質問】
 知事の答弁の中で肝炎対策について、ご答弁をいただきました。今の知事のご答弁ですと、国の動向を見ながら、今後検討するといった趣旨のご答弁だったかと思いますが、私が先ほどの質問の中でも述べさせていただきました、全国で多くの患者さん、若しくは、自分が感染していることすらわからない方がたくさん、潜在的にいらっしゃいます。当然、全国で多くの方がいらっしゃるということであれば、神奈川県の人口から比せば、神奈川県下にも多くの方々が同じような状況でいられると思います。そういう意味では、国の動向をにらみながらということではなくて、神奈川県ができること、そういうことを優先的にまずやっていただきたいと思います。私も他県で、そのことについて取組がなければ、このような質問はしませんが、すでに三都県で、そのような取組をしているということでありますので、是非、神奈川県で行っていただきたいと、そのような質問をさせていただきました。
 先ほどの知事の答弁の中で、この1月からですね、保健所の検診が、1、3月無料化するということでございました。いかにもわが県の取組が、先進であるかのようなとらえ方ができるかと思いますけれども、実は、他の都道府県はすでに無料化を図っております。このことが決して先進的な取組ではなくて、どちらかというと遅い取組だと、このように私自身は思います。今後は、そのことをしっかり踏まえた上で、再度知事にですね、医療機関での検診について、どのようの取組をされるのか、もう一回ご答弁をいただきたいと思います。
【知事答弁】
 渡辺議員の再質問にお答えいたします。
 まず、肝炎検査についてでありますが、早期に発見して適切な治療を行うことで、先ほど申しあげましたが、重症化やがんの発生を予防することが期待できますので、この普及啓発や検査を中心に県民の健康を守る観点から、肝炎対策を進めているところであります。
 この医療機関での無料検査については、国が既に方針を打ち出しておりますが、現時点では、国から要綱が示されておらず、具体的な内容が明らかではありません。
 また、東京都でやっておりますが、これは八王子市を除く多摩地域や島しょ地域、島のにおいて、平成19年度7月からの医療機関での無料検査を行っている訳ですが、受診の件数はそれほど多くないとも伺っております。
 こうしたことから、医療機関への委託については、まず国の動向をみるとともに、この1月から実施する保健福祉事務所や、あるいは横浜市、川崎市、この保健所設置市の意見も聞いてですね、歩調をあわせてやらないと、神奈川県だけでやってもまたおかしくなりますので、そういう調整もございます。そういったことからこうした保健所設置市の状況も踏まえて、前向きに検討してまいりたいと思います。
【要望】
 今再答弁の中でも、知事から肝炎の問題ございました。横浜、川崎との調整、確かにそのとおりだと思います。しかしながら、肝炎等で苦しんでいらっしゃる方、神奈川県下に多くいらっしゃいます。その方々の思いというのは、今、国で肝炎の問題が議論をし、だいぶ前に進もうとしております。その中で県知事として、前向きな、また前向きな取組に対する調整をしっかりやっていくんだ、というご答弁をですね、いただきたいんではないかというふうに、私自身は思います。そのような思いを述べさせていただきまして私の質問を終わります。

 児童相談所の適正配置について
【質問】
 児童相談所の相談件数は年々増加の一途を辿っている中で、本県の児童相談所は極めて過大な規模となっている。
 このため、昨年12月に取りまとめられた児童福祉審議会による「児童相談所のあり方検討小委員会報告書」の中では、適正配置を検討する必要があるとされ、今後、政令指定都市又は児童相談所設置市が誕生した場合でも、最低でも5、6カ所の設置が望ましいと提言されている。
 そうした中で、相模原市が平成22年度に政令指定都市に移行すると、県の所管人口が大幅に減少することになり、適正配置に取り組む絶好のチャンスである。
 そこで、児童福祉審議会の提言を受けて既に1年が経過する中で、県としては、どのように児童相談所の適正配置を図っていくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、児童相談所の適正配置についてのお尋ねでございます。
 昨年2月、本県の児童相談所が関わっていた児童が虐待により死亡したため、二度とこのような痛ましい事件を繰り返さないよう、児童福祉審議会のもとに「児童相談所のあり方検討小委員会」が設置されまして、昨年12月、報告書が提出されました。
 県といたしましては、この提言を重く受け止め、職員体制の確保や業務の執行体制の充実を図るために、今年度20名の専門職員を増員したほか、児童相談所の事務の効率化や情報の共有化に向けて、情報ネットワークの整備を進めているところであります。
 また、この報告書の中には、こうした職員体制の確保や業務の執行体制の充実とあわせて、児童相談所の適正配置についてのご提言をいただいております。
 児童福祉法の改正により、平成17年度から市町村が児童・家庭相談の一義的な窓口となりましたが、児童相談所が担う専門的役割は引続き大きく、ケース数は所管人口とほぼ比例することから、児童相談所の配置にあたって、所管人口を基準とすることは重要な要素となります。
 人口規模については、平成18年4月に出された国の報告書で、所管人口を、中核市程度の「概ね30万人規模」と示されておりますが、他方で、少ない人口規模に合わせた職員体制では、スケールメリットを生かした複数職員による対応などができないという点も想定されます。
 また、人口以外の要素としても、地域としてのまとまりや利用者の利便性にも考慮する必要があります。
 さらに、児童福祉審議会の提言では、速やかに児童相談所の設置数の変更等を行うことは困難であることを踏まえ、当面は所内組織の見直しなど、「小回りの効く」体制の整備を図ることが望ましいとされております。
 県といたしましては、こうしたことを総合的に勘案し、今年度、見直しを行った執行体制や、来年度から稼動する情報ネットワークによる効果などを検証するとともに、今後、児童相談所設置市の誕生も念頭に置きながら、引き続き児童相談所の適正配置について検討をしてまいります。

 スーパー防犯灯等の整備について
【質問】
 警察本部は、平成14年度からスーパー防犯灯の整備を開始し、18年度までに県内の主要な駅前地区等10地区に50基が整備された。今年度は、設置による効果検証を行い、今後の整備計画の検討材料にするということであったが、設置した周辺地区では、刑法犯の認知件数が約14%減少しているということであり、相当な効果が上がっている。
 したがって、今後も整備を進めていただきたいが、1基単位で運用が可能な新型街頭緊急通報装置の設置も検討しているとのことである。
 一方、市町村によっては、独自に新型街頭緊急通報装置等の整備を検討しているところもあると聞いている。
 そこで、今後、スーパー防犯灯と新型街頭緊急通報装置の整備について、警察本部としてはどのような方針であるのか伺いたい。また、市町村が独自に新型街頭緊急通報装置を設置する場合に、警察本部としてどのような支援体制を考えているのか、併せて伺いたい。
【警察本部長答弁】
 渡辺議員ご質問の「スーパー防犯灯と新型街頭緊急通報装置の今後の整備方針」と「これらを市町村が独自に設置する場合の支援体制」についてお答えいたします。
 はじめに、「スーパー防犯灯と新型街頭緊急通報装置の整備方針について」であります。
 平成14年度から始めましたスーパー防犯灯の設置事業は、平成18年度までに10地区50基を整備したところでありますが、今年度は、これらの効果検証を行いまして、今後のあり方を検討してきたところであります。
 その結果につきましては、設置地域における犯罪の抑止に効果が出ていると認められるのを始め、効果検証に御協力をいただいた多くの皆さんが、スーパー防犯灯の設置を評価していることが確認できたところであります。
 県警察といたしましても、これまでのスーパー防犯灯がもたらす犯罪抑止効果等について有効なものであると認識しておりますが、これまで設置してきたスーパー防犯灯は、5基一組みの連動式となっていることから、設置に適した地域が限定されるという制約がありますほか、費用面につきましても、大変高価なものとなっております。
 このことから、設置地域等に制約されることなく、犯罪多発地域等必要な場所に、1基を単位として設置が可能であり、また、その費用も比較的安価な仮称「新型街頭緊急通報装置」の設置について検討してまいりたいと考えております。
 次に、「市町村が独自に新型街頭緊急通報装置を設置する場合の支援体制について」であります。
 県警察が検討している新型街頭緊急通報装置について、市町村が独自に、地域における安全・安心の確立に向け、設置する場合におきましては、その通報先を県警察本部の通信司令室とするなど、装置の効果が警察で設置するものと同等の効果が得られるような支援や協力を積極的に行ってまいりたいと考えております。
 これらの支援につきましては、警察署長等が市町村との会議等に出席したときなど、様々な機会を捉えまして、県警察が支援・協力できる内容を、引き続きお知らせしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 豪雨対策について
【質問】
 先の台風9号により、本県でも、各地で大きな被害が発生したが、こうした自然災害による被害を最小限に止めるためには、常日頃から、災害による被害の発生を想定し、それに対する対策を計画的に講じておくことが重要である。
 本県では、豪雨に対する対策として、「かながわセーフティリバー50」に基づく取組みを進めているが、策定後16年が経過し、本県の実情に合わなくなってきている部分もあるのではないかと思う。
 そうした中で、東京都は、河川改修を始め下水道の改修なども含めた総合的な豪雨対策として、「豪雨対策基本方針」をこの8月に策定している。
 また、国においては、平成16年度に特定都市河川浸水被害対策法を施行し、河川管理者、下水道管理者及び地方自治体が共同して策定する「流域水害対策計画」を受けて、重点的な整備を行うこととしている。
 そこで、本県としては、まず、「流域水害対策計画」を早急に策定し、総合的な浸水被害対策を推進すべきと考えるが、所見を伺いたい。また、さらに一歩進めて、都市河川の総合的な豪雨対策の基本的な指針を新たに策定することも検討すべきと考えるが、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、安全・安心について、総合的な浸水被害対策と、さらに一歩進めた豪雨対策の基本的な指針を新たに策定すべきとのお尋ねをいただきました。
 はじめに、総合的な浸水被害対策につきましては、これまでも河川整備などのハード対策や、減災のためのソフト対策に重点的に取り組んでまいりました。
 このうち、河川整備については、都市化が著しく、過去の大雨で水害が発生した河川を対象とした、都市河川重点整備計画である「かながわセーフティリバー50」に基づき、境川など15河川を対象に、整備促進に努めているところであります。
 また、流域対策として、市町村や開発事業者、住民とも連携をして、雨水を一時的貯める施設や地下への浸透施設の設置などを進めております。
 さらに、ソフト対策として、県民が自主的に避難できるように、これまでも市町村との連携による「浸水想定区域の情報」の提供などを進めており、加えて、来年度からはリアルタイムに「河川の映像」も、ホームページで順次提供することとしております。
 議員お話しの「特定都市河川浸水被害対策法」では、著しい浸水被害などを要件とする特定河川の指定と流域水害対策計画の策定が定められております。本年3月には鶴見川水系で県内初の計画を策定し、引き続き、境川・引地川水系についても流域の市及び下水道管理者とも協議の上、平成21年度を目途に策定し、浸水被害対策に積極的に取り組んでまいります。
 次に、総合的な豪雨対策の基本的な指針の策定についてでございますが、昨今、頻発している集中豪雨の被害を踏まえますと、法に基づく鶴見川など3水系だけではなく、浸水被害の大きい都市河川も対象として、流域と一体となった治水対策を進める必要があると考えております。
 具体的には、「かながわセーフティリバー50」について、その内容を見直すとともに、下水道整備や雨水の流出を抑制する流域対策とソフト対策を新たに加え、基本的な方向性と整備の目標を示した総合的な計画として、市町村や県民の意見も伺いながら、平成21年度を目途に改定をしてまいります。
 今後とも、都市河川の浸水被害対策を、河川だけでなく流域一帯となって進め、自然災害に強いまちづくりの実現に向けて着実に推進をしてまいります。

 部活動の活性化について
【質問】
 教育現場における部活動は、残念ながら一部の熱心な教員のボランティア的な努力にかなり頼っているのが実態であるが、教員に対する手当てはあまりに少額で、熱心な教員にとっては不十分といわざるを得ない。
 その背景として、学校教育法や学習指導要領に部活動についての明確な記載がなく、部活動が教育課程に明確には位置付けられておらず、校務であるかどうかが不明確なことがあげられる。
 生徒にとって部活動は、普段の授業ではわからない様々な教訓を得られる貴重な場であり、いじめ・不登校や中退など生徒指導上の課題の解決にも、部活動の活性化が大いに役立つものと考える。
 そのためには、部活動を担う教員の処遇を改善すべきと考えるが、まず、第一歩として、部活動を明確に校務として位置付けることが必要であり、東京都では、国が明確な対応をしない中にあって、先導的に教育委員会規則の中に部活動を明記したところである。
 そこで、本県としても、教育委員会規則の中に、部活動を明確に位置付けるべきと考えるが、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 教育関係について、お答えいたします。
 部活動の教育委員会規則への位置付けについて、お尋ねがございました。
 先ず、部活動は、スポーツや文化的な活動に興味や関心を持つ生徒が、より高い技能や知識を得るために、互いに切磋琢磨し、協力しあって友情を深めるなど、好ましい人間関係を育てる上でも、有意義な教育活動であると考えております。
 各県立高校では、教職員が顧問となり、生徒の自主性や主体性を尊重しながら、部活動を実施しており、今年度の県立高校の運動部入部率は43.3%、文化部入部率は21.6%で、年々上昇しております。
 県教育委員会といたしましては、さらに、生徒の参加促進やレベルアップを図るため、今年度、「かながわ部活ドリームプラン21」を策定し、部活動の活性化を積極的に推進しているところでございます。
 議員、お話しの通り、部活動は、現行の学習指導要領には、教育課程の基準として明確な位置付けが示されておりませんが、先日、中央教育審議会の教育課程部会から、これまでの審議の中間的なまとめが示されました。
 その中で、部活動については、「これまでの学校教育において果たしてきた意義や役割を踏まえ、教育課程に関する事項として、学習指導要領に記述する必要がある。」と提言されております。
 現在、これらの提言も踏まえて、学習指導要領の改訂作業が進められており、部活動の位置付けについても新たな取扱いがされるものと思われます。
 県教育委員会といたしましては、新学習指導要領が平成20年に告示される予定でありますので、その学習指導要領の中でどのような位置付けがされるのかを見極めた上で、県立学校の管理運営規則等に明記すべきかどうかを検討してまいりたいと考えております。
【再質問】
 東京都では要領に明記されない中でも、既に部活動を校務として行っている。神奈川県は現時点ではできるのかできないのか、(できなければ)何故できないのか、そういう角度で答弁いただきたい。
【教育長答弁】
 部活動の活性化について別の角度からということで、規則への位置付けの話しと、校務としての取組みの扱い、この2点のお話しであろうと受け止めさせていただいてお話しさせていただきます。
 校務としての取り扱いについては、現在でも神奈川県の場合は校務として取り扱っておりますので、実際に部活動に従事する教員については校務扱いという形を取らせていただいています。
 それから、規則への位置付けについては、今、東京都の取扱いもお話しいただいて、規則に規定すべきであると、こういうお話しでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、学習指導要領の見直しの中で、国がきちっとした形を示すだろうと、私ども期待感を持っております。その中で学習指導要領にきちっと明記されれば、規則の制定が必要かどうかということも含めて、最終判断が私としてできるのではないかと思っておりまして、もうしばらくお時間をいただきたいということでございます。
 以上でございます。

 教育施設整備のための基金について
【質問】
 「まなびや計画」を推進していくために、今後10年間で1,000億円という巨額の財源が必要となるが、財源確保に関しては、さる6月定例会で、国の新たな制度を活用し、従来なら国庫に返納しなければならないものを、基金に積み立てて、新たな施設整備の財源として活用することを提言したところである。
 この国庫返納金以外にも、県立学校の卒業生やその家族、あるいは篤志家の方から施設整備に使って欲しいという趣旨で寄付が行われた場合には、基金を設置してプールしておくことが最も適切な方法であり、寄付金を必ず施設整備の財源として活用できる。
 そこで、教育施設整備のための基金の設置について、改めて提言するが、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 次に教育施設整備のための基金の設置についてのお尋ねがありました。
 教育施設再整備のため、本年度からスタートいたしました「まなびや計画」の推進には、長期間にわたる多額の予算が必要となりますので、このための安定的な財源確保は、重要な課題であると認識しております。
 そのような中、本県では初となる、教育施設整備に使途を限定した住民参加型市場公募債が「まなびや債」という名称で、来年早々に発行される運びとなりました。
 また、議員お話しのとおり、学校施設の整備につきましては、国の制度改正により、学校施設の財産処分に伴う国庫返納金を基金として積み立てることが特例的に認められたところであります。
 このような状況のほか、県立学校施設の老朽化が進む中、卒業生をはじめとする篤志家の方々からの「学校施設を良くしてあげたい」という声も一方で聞くところであります。
 寄付につきましては、その性格から、事前に予算への反映が難しい面もございますが、厳しい県の財政状況の中にあっては、このような県民の方々の篤志による施設整備の声の受け止めができないか、検討を始めたところであります。
 このような検討の中でも、基金は一つの有効な方法であると認識しておりますが、基金の設置については、国の制度の活用に様々な条件があることも含め、十分な議論が必要であると考えております。
 教育委員会といたしましても、「まなびや計画」による施設整備を安定的に推進していくために、可能性のある様々な財源確保策について、検討してまいりたいと考えております。

 いじめ、不登校対策について
【質問】
 本県では、いじめ・不登校対策として、スクールカウンセラーの拡充など様々な取組みを進めているが、残念ながら、いじめ・不登校の件数は増加している。
 いじめ・不登校の原因が複雑化している中では、単に人員を配置するということではなく、福祉的な側面を含め、より専門的な見地からきめ細かな対応を図ることが求められているのではないかと思う。
 したがって、特に困難な案件には、社会福祉に関して専門的な知識・経験を有するスクール・ソーシャルワーカーを配置して対応することが効果的ではないかと考える。
 また、小学校については、今年度から、教員を志望する大学生が授業の補助を行ったり児童の悩みや相談を聞くフレンドリースタッフを配置しているが、ボランティアに近い形で大きな経費もかからないので、今後は、市町村における導入を含め、増員を図っていただきたい。
 そこで、スクール・ソーシャルワーカーの配置と、フレンドリースタッフの増員について、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 最後に、いじめ、不登校対策についてのお尋ねがありました。
 いじめや不登校など、学校での様々な課題の解決に当たっては、各学校がそれぞれの課題に対して、高い意識を持って取り組むとともに、スクールカウンセラーなど、専門家の助言・指導も踏まえながら、学校全体で取り組んでいく必要があるものと考えております。
 しかし、福祉的分野など、学校だけでは解決が難しい課題がある場合には、ソーシャルワーカーなどの専門家の力を借りることも、効果的な手立ての一つであると認識しております。
 このようなことから、県教育委員会では、本年7月から、児童・生徒の身体・生命に関わる重大事案発生時に学校の支援を行う「学校緊急支援チーム」にメンバーに、新たに児童相談所の児童福祉司を加えまして、福祉の専門的な立場から問題を解決できる体制を整備したところでございます。
 今後は、他府県の例も参考にしながら、重大事案だけに限らず、個々の事案の内容を踏まえ、必要に応じて対応するとともに、児童相談所との連携にも努めてまいります。
 また、フレンドリースタッフ派遣事業につきましては、今年度から県提案型協働事業としてNPOに委託し、実施している2ヵ年継続の事業でありまして、教職課程履修中の大学生を小学校に派遣し、児童の遊び相手となったり、授業の補助などを行うものでございます。
 派遣先の学校からは、大学生と児童との間に良好な人間関係が築かれ、子どもたちが落ちついて授業を受けるようになったなど、高い評価を得ております。
 また、参加した大学生からも、様々な場面で児童に接するという貴重な経験ができたとの声が聞かれ、教職を目指す大学生にとっても、大きな自信になっていると思います。
 このような状況を踏まえ、県教育委員会といたしましては、今後、どのような形での展開が望ましいのか、市町村教育委員会のお話も伺いながら、よりよい事業の方向性について、研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 地球温暖化対策について
【質問】
 地球温暖化対策の取組みとして、東京都、横浜市、川崎市では、「キャスビー」と呼ばれる評価システムを活用した建築物環境配慮制度を実施しており、横浜市では、独自に認証制度も設けている。合わせて、東京都では、燃料、熱、電気の使用量が一定規模以上の事業者を対象に「地球温暖化対策計画書制度」も実施し、優良な事業者を表彰する制度も設けている。
 こうした施策の実効性を上げるためには、本県を含め首都圏での一致した取組みとなることが必要である。
 また、一部の大企業は、こうした環境配慮の取組みに積極的であるが、それ以外の中小企業は、様々な事情から必ずしも積極的ではないので、表彰制度の創設など、中小企業にインセンティブを与え、施策の実効性を担保するような仕組みづくりを、同時に進めていく必要がある。
 全国最先端の条例をつくる神奈川県は、他の自治体の先行事例のよい面をどんどん採り入れ、問題点があればそれを修正し、施策面でも全国最先端となることを期待する。
 そこで、本県としても、こうした取組みを実施し、優良な事業者を表彰したり支援する仕組みをつくるべきだと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、地球温暖化対策について2点お尋ねをいただきました。
 まず、環境配慮の取組について、中小企業の取組を促進するために、優良な事業者の表彰や支援の仕組みをつくることについてのお尋ねであります。
 これまでにも、本県では、中堅・中小企業が開発した優れた工業製品や技術を表彰する「神奈川工業技術開発大賞」の中に、環境に優しく、環境保全や省資源等に優れた製品や技術を対象とする「地域環境技術章」を設けております。
 また、新エネルギーの導入に顕著な取組をされた個人や企業・市民団体などを表彰する「かながわ新エネルギー賞」もございます。
 いずれの表彰制度も、環境配慮の取組を促進するうえで、一定の貢献を果たしてきたものと考えております。
 さらに、これからの温暖化対策について、現在、学識者、県民代表等による「神奈川県地球温暖化対策推進方策検討委員会」で検討をいただいているところです。
 その中で、「事業者から何らかの温暖化対策に係る計画書等を提出いただき公表する仕組みを設け」、議員ご提案のとおり、「優れたケースについては表彰などを行うことも効果的である」といったご意見も出されたと聞いております。
 また、中小企業を対象とした施策をどう構築するか、例えば大企業が持っている優れた省エネ技術やエネルギー管理の手法などを中小企業のCO2削減に役立てる方策や、エネルギー効率の向上のための支援策などについても、ご議論をいただいております。
 さらに、全国の自治体においても環境配慮の取組を促進するための方策が様々でございますので、今後、県民や企業の皆様のご意見を広く伺うとともに、他の自治体の事例なども参考にしながら、中小企業に対しても実効性のある仕組みについて検討を進めてまいります。

 マイアジェンダ登録と「私のチャレンジ宣言」の連携について
【質問】
 環境省は、今年6月に、「1人1日1kgのCO2削減」を目指して取組みを実践するという登録制度である「私のチャレンジ宣言」を導入したが、協賛企業を募り、カード持参者に数多くの特典を提供するという、登録者にインセンティブを与える制度となっている。
 また、登録者は、パソコンをクリックするだけで、自らの取組みによるCO2合計削減量を把握でき、環境省の側でも、その結果を集計することにより、登録者の取組みにより全体としてどのくらいのCO2を削減できるか計算できる仕組みとなっている。
 「私のチャレンジ宣言」は、目指すところはマイ・アジェンダ登録と共通であり、取組項目も同じものが多く、自ら宣言して実行するという手法も極めて類似している。
 したがって、両者の連携として、例えば、「私のチャレンジ宣言」協賛企業に、マイ・アジェンダ登録の協賛企業にもなってもらい、登録者に特典を提供できるようにしてはどうか。逆に、マイ・アジェンダ登録者に、「私のチャレンジ宣言」に登録すれば様々な特典を受けられる、と周知し登録を促すことも考えられえる。
 そこで、本県のマイ・アジェンダ登録と国の「私のチャレンジ宣言」が連携を図り、県民にインセンティブを与えるような取組みを進め、少しでも実効性ある制度としていくべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、「マイアジェンダ登録」と国が進めている「私のチャレンジ宣言」との連携についての、お尋ねをいただきました。
 本県では、「地球環境保全を推進するためには一人ひとりの県民の皆様の実践的な行動が大切である」という考え方に立ち、平成15年度より「マイアジェンダ制度」を設け、広く登録をお願いしてまいりました。おかげ様でこれまでに5万8千件近い登録をいただいております。
 一方、国においては、議員お話のとおり、1人1日1kgのCO2削減を目指した「私のチャレンジ宣言」による取組を、本年6月より始めたところであります。
 さらに、県内市町村においても、例えば、平塚市の「ひらつかCO2CO2(コツコツ)プラン」や小田原市の「おだわら市民エコ・アクション」といった登録制度も始まっております。
 これらは、いずれも「登録をきっかけに地球温暖化の防止に、出来ることから行動いただく」ものでありまして、本県の「マイアジェンダ制度」だけではなく、国や市町村がそれぞれの工夫やアイディアを活かして同様の取組を行うことは、実践行動の更なる拡大につながるものと考えております。
 現在、県では、マイアジェンダ登録をいただいた方が省エネの取組を実感できるように、電気・ガスなどの使用量や家庭のCO2排出量を把握できる「インターネット版環境家計簿」の導入など、制度のさらなる魅力アップにも取り組んでいるところです。
 この環境家計簿では、光熱水費の削減効果が実感できるメリットがありますが、登録いただいた方々の省エネ活動の一層の促進や登録者の拡大のためには、「私のチャレンジ宣言」に設けられているような特典も効果的かと考えますので、さらに工夫を重ねてまいります。
 また、各制度の実施主体である国や県内自治体と情報交換を行い、それぞれの制度のPRや特典の活用など、効果的な連携の可能性を探ってまいります。
 私からの答弁は、以上でございます。


議会質問

平成18年6月定例議会
本会議 一般質問

平成18年6月28日

インターネット議会中継


 少子化対策について(1)
【質問】
 平成17年度の国の人口動態統計によると、我が国の出生数、出生率は、いずれも過去最低を記録した。本県の出生率も全国最低レベルで推移しており、出生率の低下に歯止めがかからないことから、子育て世帯に対する経済的支援策が望まれている。
 そうした中で、本県の小児医療費助成制度は、3歳未満の通院医療費と中学生以下の入院医療費に対する市町村助成にとどまっているため、特に通院医療費の助成対象については、県内市町村の大半が追加措置を行わざるを得ない現状である。また、近県を見ても、東京都、静岡県、茨城県が既に小学校就学前まで、栃木県では小学校3年生まで、通院医療費に助成しており、本県が最も対象年齢が低く制度的に遅れた状況となっている。
 そこで、本県としても、通院医療費の助成対象年齢を小学校就学前まで引き上げ、さらに所得要件を緩和するような制度拡充を早急に行う必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 渡辺議員のご質問に順次お答えいたします。はじめに、少子化対策についてのお尋ねがありました。まず、小児医療費助成制度の充実についてでございます。
 県といたしましても、この制度は、小児に係る保健医療の充実及び子育て家庭に対する経済的な支援として、意義のあるものと認識をしております。
 また、これから子どもを持とうとする若い世代や、未来の社会を担うこととなる子ども達のためにも、将来にわたり安定的にこの制度を維持していくことも重要であると考えております。
 こうしたことから、平成15年度に通院に対する対象年齢の拡大を図ったところですが、全市町村からの要望も踏まえ、県内11市町と県とで構成する「医療費助成制度見直し検討会」を昨年の8月に設置し、対象年齢の拡大や、所得制限の緩和など、助成内容等の見直しについて、現在検討を進めているところであります。
 今後は、さらに、対象年齢の拡大などに伴う制度の維持や安定的な運営に向けた財政的負担のあり方についても、協議を行なう必要があることから、市町村との合意を図りながら、全県的な制度として構築していけるよう、引き続き努力してまいります。

(渡辺議員からの要望)
 小児医療費助成については、前向きに答弁していただいたと捉えていますが、その中で、財政負担のあり方を検討するとのことでした。
 私から県民個人に負担が及ばないように検討を進めることを要望します。


 少子化対策について(2)
【質問】
 政府・与党が取りまとめた「新しい少子化対策」では、子どもの成長過程を4段階に区分し、特に負担軽減策が比較的薄かった妊娠・出産・乳幼児期への助成制度を拡充することとしている。
 こうした国の動きに先立って、東京都千代田区では18年度から「次世代育成手当」を創設し、妊娠5ヶ月から手当の支給を開始し、また、港区も今年度から区民の出産費用への助成を始めている。
 また、欧米などの主要国でも、日本と同様に社会の熟成化に伴い少子化問題に直面しているものの、行政の手厚い支援により少子化対策に一定の成果が出ており、公的支援の必要性が窺がえる結果が出ている。
 そこで、今年5月から東京都に続き全国2位の人口となった神奈川県として、全国を牽引するような妊娠・出産期への経済的支援策を具体的に検討していくべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、子育て世帯の負担軽減策、特に妊娠・出産期への経済的支援策についてのお尋ねであります。
 子育て世帯の負担軽減については、先般、政府が決定した「新しい少子化対策」の中でも、妊娠・出産から大学まで子どもの成長段階に応じた支援策の一環として、妊婦健診費用の負担軽減や出産育児一時金の支払い手続きの改善など、妊娠・出産期の経済的支援策が示されました。
 具体的には、財源の問題も含めて、来年度予算編成に向けて検討するとされておりますが、少子化対策としての経済的支援ということになりますと、児童手当制度の拡充や、子育て世帯のための税制上の措置などを含め、国による取組みが基本となると受け止めております。
 県といたしましては、子育ての経済的負担軽減策のあり方に関して、今後、新たな国の動向も見据えながら、近く、有識者や市町村も交えた懇談会を設置し、国、県、市町村の役割分担なども含めて議論をまとめ、国への要望・提案や、県として取り組むべき施策を検討していきたいと考えております。
 この懇談会におきまして、子どもを生み育てている県民の方々のお話も伺いながら、妊娠・出産期の方への支援も含めて検討をしてまいります。

 医療問題について(1)
【質問】
 医療に関する患者や家族などからの相談や苦情に対応するための窓口として設置された神奈川県医療安全相談センターは、設置から2年が経過するが、年間2,000件に及ぶ相談実績を確認したところ、患者やその家族などから相談を受けて、ある程度の不安を解消しているものの、医療機関への改善指導までには至っていないと思われる。
 そこで、県内医療機関の医療安全対策が促進されるよう、県医療安全相談センターにこれまで蓄積された相談事例を積極的に医療機関に情報提供する必要があると考えるが、所見を伺いたい。
 また、医療機関に対する改善指導を確実に行うため、医療安全相談センターと保健福祉事務所が情報を共有化し、連携強化することで、医療相談の解決、医療の向上に繋げるべきと考えるが、併せて伺いたい。
【知事答弁】
 次に、医療問題についてですが、県医療安全相談センターに寄せられた相談事例の情報提供などについて、お尋ねがありました。
 医療安全の確保は、県の医療政策における最も重要な課題の一つであり、各医療機関の組織的な取組みを支援することが県の役割であると考えております。
 県では、これまでも各病院に対して、適正な医療が行われているかを確認するため、保健福祉事務所が毎年立入検査を実施しているほか、県医師会などと強調し医療事故防止講習会を開催するなど、各医療機関における医療安全の取組みを支援してまいりました。
 また、患者や家族の方々の医療に関する苦情・心配や相談に迅速に対応することも重要であることから、相談窓口として医療安全相談センターを設置しており、昨年度は2,000件ほどの相談が寄せられております。
 ご質問にありました、寄せられた相談事例を医療機関と共有することにつきましては、現在、医療従事者向けの事例集をとりまとめ、7月早々には配布することとしております。
 医療機関が事例集を参考とし、自らの課題として受け止めることにより、医療安全対策の取組みが一層推進されるものと期待しております。
 次に保健福祉事務所との連携についてのお尋ねでございますが、医療安全相談センターに寄せられた相談の中には、医療法や医師法に基づき、具体的な対応を必要とするものもあることから、保健福祉事務所と連携して事実確認、指導を行っているところであります。
 今後は、保健福祉事務所との連絡会議などにおいて、医療安全相談センターにおける相談事例や保健福祉事務所の指導事例など、相互に情報交換を行い、県民からの相談に的確に対応してまいります。


 医療問題について(2)
【質問】
 最近、子どものスポーツ時の突然死の原因として、心臓しんとうが注目されているが、心室細動による心停止であるため、救命措置を行うには自動体外式除細動器(AED)が必要となっている。また、従前AEDは年齢8歳以上、又は、体重25キログラム以上でないと使用できなかったが、厚生労働省は今年4月に小児用パッドを認可した。
 このため、県内の市町村では、伊勢原市・愛川町など一部で平成18年度から小中学校の全校に配備するものの、依然として県内の小中学校全体では約8%と普及率は低く、市町村により差が生じている。
 県立高校についても、生徒が激しい運動をする機会が多く、また、施設開放時には多くの県民が使用し、さらに、広域避難場所として災害時の防災拠点にも位置づけられているため、早急な配備が望まれている。
 そこで、このような市町村の取組状況のバラツキに対し、県として何らかの対策を講じる必要があると考えるが、所見を伺いたい。
 また、心臓疾患の生徒が在籍する学校への配備にとどまっている県立高校については、全校配備する必要があると考えるが、併せて伺いたい。
【教育長答弁】
 教育関係について、お答えいたします。
 まず、自動体外式除細動器、いわゆるAEDの導入についてのお尋ねがございました。
 AEDは、突然、死にいたるような不整脈を起こした際に、救急隊が到着するまでの処置として、心臓マッサージとあわせて使用することにより、効果があがるものでございますが、
 各市町村立学校におけるAEDの配備状況につきましては、今年度末までに1台以上配備する、又は予定の市町村が9、現時点で予定のない市町村は26となっております。
 また、県内の配備学校数は、109校となっておりまして、配備率は、全体の7.9%にとどまっている状況にございます。
 市町村立学校の配備につきましては、各市町村教育委員会が行うことになりますが、このような状況を踏まえ、県教育委員会といたしましては、AEDの有効性についての周知に努め、配備が促進されるよう、働きかけてまいりたいと考えております。
 また、県立学校におきましては、現在、心臓疾患を有する生徒が在籍している学校など9校に配備しているところでございます。
 教育委員会といたしましては、議員お話のように、すべての学校への配備が望ましいと考えてはおりますが、財政的な問題もあり、全校への速やかな配備はなかなか難しい状況にございますので、
 スポーツ系コースのある学校への配備など、優先度を勘案しながら、その拡大に努めてまいりたいと考えております。

 教育問題について(1)
【質問】
 従前まで市町村の教職員の独自採用は、構造改革特区法に基づき特別に認められていた。この特例は、少人数教育や英語教育の充実、不登校対策などで大きな成果をあげたため、国は市町村立学校職員給与負担法を改正し、平成18年度から特区認定を受けずとも、市町村独自に教職員を採用することが可能となった。
 これまでも市町村によっては、非常勤教職員は独自採用できるため、教職員の配置に一定の格差が生じていた。今後、既に人事権を有し、給与負担の移譲も検討されている政令市や人事権の移譲が検討されている中核市など、元々財政規模の大きい自治体とその他の市町村との間に、今まで以上に教育現場で格差が生じることが想定される。
 言うまでもなく小中学校は義務教育であり、児童・生徒の居住地により不公平が生じることはあってはならない。
 そこで、広域行政を担う立場の県としては、市町村によって、少人数学級や英語教育、不登校対策などに、このような格差が生じた場合、何らかの対策を講じる必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 次に、市町村の教職員の独自採用に伴う問題について、お尋ねがございました。
 市町村立小中学校の教職員の配置につきましては、義務教育の水準が一定に保たれるよう、いわゆる標準法により、全国的に統一された配置基準が定められておりまして、本県でも、標準法に基づき適正な教職員の配置に努めているところでございます。
 お話にございました制度改正は、この標準法による配置を前提としつつ、市町村が自らの負担によって教職員を独自に採用できることとしたもので、市町村が地域の実情を踏まえ、地域の教育課題に、より主体的に取り組むことができるようにしたものであります。
 そうした意味では、今回の改正は、市町村が自らの責任と権限において、教育を含めた様々な行政施策の中から、教員の独自配置について選択できるようにしたとも言えますので、地方分権の観点からも、尊重していくべきものであると考えております。
 その一方で、県には、市町村をサポートしていくという大切な役割がございますので、市町村教育委員会からの様々なご要望などにつきましては、その求めに応じて、きめ細かく相談に応じてまいる考えでございます。
 また、不登校対策のように、全県的に取り組みを強化する必要があるものにつきましては、これまでと同様、県教育委員会として支援を行ってまいりたいと考えております。
 さらに、今後、市町村教育委員会の取組状況の把握に努めまして、独自採用による効果が義務教育全体として波及されるべきものにつきましては、標準法としてしっかり措置するよう積極的に国に働きかけるなど、県全体として教育の質の向上が図れるよう、県教育委員会としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

 教育問題について(2)
【質問】
 本県の奨学金制度は所得要件の緩和や単価アップなどの制度拡充を行い、18年度予算額は5年前との予算比較で4倍にまで伸びている。
 しかし、ここ数年、応募者が募集人員を上回っているため、昨年度に続き、今年度も所得要件を満たす応募者でも不採用者が出ると聞いており、現行800万円の所得制限は有名無実化しているが、希望者全員が奨学金を借りられる貸付枠を確保すべきである。
 一方、原則返還するルールでありながら、返還率は6割にも達しておらず、このことが貸付原資を確保できない大きな要因ともなっている。このように制度的に極めて不安定なため、制度の抜本的な見直しが必要となっている。
 例えば、埼玉県は資金調達や債権管理・回収事務を銀行に委託し、資金回収額の増や年度途中の資金融通を図る検討をしているとも聞く。
 そこで、本県においても、銀行などの金融機関への業務委託を検討すべきと考えるが、所見を伺いたい。
 また、県として、自立的に安定した制度を目指し、返還金や国からの交付金等の経理を明確にするため、例えば、特別会計の設置や基金の創設など、他の経費と区分して経理することを検討すべきと考えるが、併せて伺いたい。
【教育長答弁】
 次に、奨学金制度の見直しについて、お尋ねがございました。
 奨学金につきましては、所得水準など一定の要件を定めて募集を行っておりますが、ここ数年、予算額の充実を図ってきたにもかかわらず、応募者数が募集枠を超える状況が続いております。
 このように、年々強くなっている奨学金へのニーズに対し、限りある予算の中で、今後どのようにお応えしていくことができるのか、大変大きな課題となっておりますので、現行の奨学金制度につきましては、さまざまな角度から、思い切った見直しを行っていく必要があると考えております。
 見直しの主な視点といたしましては、お話にもございましたが、民間への業務委託と特別会計の設置がございます。
 まず、奨学金業務の民間委託でございますが、民間のノウ・ハウが生かせるといたメリットがある一方、返還金が回収できない場合の損失補償といった課題があり、金融機関とも相談しながら検討することが必要であると考えております。
 また、特別会計の設置につきましては、予算の弾力化が可能となり、奨学金の収入・支出の経理を明確にするといった効果が期待できますが、一方、収支のバランスの安定化が求められることとなります。
 こうした手法につきましては、それぞれメリット・デメリットがございますので、今後、課題を整理しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、お話にございましたように、奨学金の原資となる返還金の収入率を高めることは、奨学金返還に関わる公平感を担保する意味からも、大変重要でございます。
 そこで、返還金の未納に対しましては、教育局を挙げて督促の強化に取り組むとともに、さまざまな機会をとらえて、返還意識を一層高めるよう努めてまいりたいと考えております。
 教育委員会といたしましては、このような形での取組を行いながら、奨学金予算を最大限に有効活用し、学業の成績が優れ、学資の援助を必要としている生徒の期待に応えられるよう、奨学金制度の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(再質問)
 奨学金制度の答弁の中で、検討するという前向きな答弁をいただきましたが、今年度も非常に厳しい状況だと思います。検討という答弁であったので、私はそれなりに理解しましたが、来年度までに検討が終わらないと、また同じような状況が生ずるのではないかと懸念をしておりますが、具体的にもう一度答弁を来年度に向けていただければ、また、若干補足をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

(再答弁)
 来年度に向けての奨学金のあり方ということで、お話をいただきました。
 現在も奨学金制度の今年度の状況整理をしている中で、確かに応募状況が増えているということで、大変頭を痛めているのが、率直な実情でございます。
 こうした中で、二つの視点、一つは、抜本的な制度改革という意味で、お話のありました業務委託や特別会計の設置ということになりますと、いろいろなメリット・デメリットが考えられますし、制度改革というのは将来にわたる課題がありますので、私としては、議会にもご理解いただき、条例改正を伴うことにつきましては、積極的かつ慎重に検討する必要があるということで、前向きに検討していきたいというのが、基本的な考え方です。
 もう一点は、現状の中では、ニーズにどう応えていくのか、現実対応として、予算と選択ということの中で整理をしなければいけない課題であると、これについて他県の状況を見ながら、本県独自の考え方で、教育委員会の責任において考え方の整理を、当面来年度に向けてしていきたいと考えております。


 相模総合補給廠の返還について
【質問】
 在日米軍の再編に伴う最終報告により、相模総合補給廠は17ヘクタールの土地が返還され、また、返還予定地に隣接する35ヘクタールの土地も共同使用が可能となる。
 これまで米軍基地の返還に際しては、有償三分割の処理基準が適用され、一体的な利活用の妨げとなる場合があったが、相模総合補給廠には適用されない見通しとなっている。
 ただし、米軍から返還される土地は国有地であり、地元自治体が利用する場合にも有償譲渡が原則であることには変わりなく、地元自治体の大きな財政負担となると懸念される。
 そこで、国はこれまで長年にわたり地元である相模原市に大きな負担を強いてきたことから、その代償として、@返還予定地を有償で譲渡するのではなく、無償で譲渡又は貸付を行い、さらに、まちづくりや地元の地域振興のために財政支援も行うべきと考えるが、所見を伺いたい。
 また、A相模原市が策定する返還予定地の利活用計画に、県としても策定段階から参画し、返還後のまちづくりに積極的に関わっていくべきと考えるが、併せて伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、相模総合補給廠の返還問題と返還予定地の利活用計画の策定について、お尋ねをいただきました。
 相模総合補給廠は、JR相模原駅前を中心としたまちづくりの上で、大きな障害となっているため、県では、かねてから、相模原市とともに、その早期返還を要望してきたところでございます。
 その結果、議員のお話にもありましたように、今回の米軍再編において、ようやく、その一部ではございますが、返還や共同使用に合意がなされました。
 私も先日、補給廠を視察し、地元にとって大きな負担となっていることを改めて実感するとともに、相模原市当局から、今後の課題などについて、お伺いしたところでございます。
 今後、土地の取得費などの面で、地元に過大な負担が生じ、円滑な地元利用が進まなければ、返還の意義が失われてしまうことになります。
 5月30日の米軍再編にかかる閣議決定においては、新たな負担を担う地元に対して、地域振興策等の措置を実施する旨の決定がなされたところでございますが、補給廠の一部返還に当たりましても、長年の地元負担の重さも考慮し、国の「思いやり」として、具体的な措置を打ち出すべきであると考えております。
 したがいまして、県といたしましては、引き続き、相模原市と連携して、無償譲渡はもちろん、財政支援などを実施するよう、国に強く求めたいと考えております。
 また、返還予定地の利活用計画の策定や、返還後のまちづくりへの県の積極的な関わり、ということでございますが、返還後のまちづくりは、市だけでなく、県にとっても大切なことであると考えておりますので、県としても、市の計画策定に当たっては、できる限り協力し、適切に対応してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は、以上でございます。


議会質問

平成17年6月定例議会
本会議 一般質問

平成17年6月28日

インターネット議会中継


 被災者住宅再建共済制度について
【質問】
 大規模災害後の被災者の生活再建や被災地域の復興にとって、被災者個々の生活基盤である住宅の再建が最も重要な課題の一つである。
 兵庫県では、本年3月、住宅再建共済制度条例を制定し、この9月から全国に先駆けて共済制度を実施することとしているが、小さな負担で大きな支援を受けられるものとなっている。
 本県において、ひとたび大規模地震が起きれば、被害が甚大になり、地域再生までに相当の時間がかかることは間違いない。
 そこで、本県でも、被災者住宅再建共済制度を創設すべきと考えるが、所見を伺いたい。また、全国制度化に向けて、どのように施策展開を図っていくか、併せて伺いたい。
【知事答弁】
 多額の費用を必要とする住宅再建の被災者支援のあり方につきましては、自らを助ける「自助」、互いに助け合う「共助」、公的支援である「公助」の三つの取組みをバランス良く総合的に行う必要があると認識をしております。
 自助の取組としては、地震保険への加入に加え、住宅所有者の皆さんが自ら耐震診断を受け、必要な耐震補強を行っていただくことが大切であります。
 また、公助としては、全国的な公的支援制度として「被災者生活再建支援法」を改正し、全都道府県が合計300億円を拠出し、居住安定支援制度が昨年4月からスタートしたところでございます。
 ご質問のありました共済制度は、自助と公助の間を埋める住宅所有者の相互扶助の「共助」であり、共済制度の導入により、被災した家屋の再建が円滑に進むなど、県民生活における安全と安心の確保のための基礎を築く、有効な仕組みであると考えております。
 しかしながら、県単独で共済制度を創設した場合、ひとたび県内で大規模地震が発生すれば、一度に多額の出費が見込まれ、破綻のおそれも十分考えられますし、加入者の共済負担金がどうしても高額にならざるを得ません。また、共済制度を創設するための億単位の準備金、制度を維持するための運営方法や運営経費の面で大変難しい問題もございます。
 このようなことを考慮いたしますと、県単独の共済制度ではなく、加入者の掛け金の額を出来る限り低く抑え、安定的に運用するために、全国規模の制度として構築していくことが望ましいと考えております。
 このため、本県としては、これまでも関東地方知事会や全国知事会などを通じて、国に要望してまいりましたが、来年度に向けては、改めて、県単独でも国へ要望をしてまいりたいと考えております。

 リフォーム業者登録制度について
【質問】
 国では、現在、民間住宅の耐震改修もメニューに入れた地域住宅交付金制度を創設するなど、減災対策への機運が高まっているが、実際の耐震改修にあたり、悪質なリフォーム業者が介入し、個人の意欲を減退させる事件が後を絶たない。
 建設業を営むには、建設業法に基づく許可を受けなければならないが、500万円未満の「軽微な建設工事」については許可が不要となっており、これが悪質なリフォーム業者の参入が可能となる一因となっているため、既に、埼玉県では、「埼玉県住まいづくり協議会」が業者の登録制度を独自に導入し、信頼を回復するための取組みが進められている。
 本県でも、悪質なリフォーム業者を排除し、県民が安心して施工できるよう、リフォーム業者の登録制度を導入する必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最近、訪問販売による住宅リフォームをめぐるトラブルが増加してきており、県としても問題となっていることは認識しておりまして、議員のお話にもございましたリフォーム業者の登録制度も、悪質な業者を排除していく取組みの一つと考えております。
 本県内におきましては、高齢者向け住宅リフォームの円滑な推進を図るため、「社団法人かながわ住まい・まちづくり協会」が平成14年度から登録制度を開始いたしました。
 この制度は、高齢者向けの住宅改造に関する研修会を受講し、適切に業務を行うなどの誓約をした県内の施工業者を登録するもので、平成17年3月31日現在、371社を登録し、県内の福祉関係相談窓口などに名簿を備えて利用していただいております。
 また、全国レベルでも、「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が、同様の誓約をしたリフォーム業者の登録情報をインターネットを活用して提供しております。
 本県といたしましても、県民の皆さんが安心してリフォームを行うには、こうした県内の登録制度の充実は有効な手段であると認識しておりますので、今後市町村や住宅関連の業界団体とも協力し合いながら、より実効性のある制度としてまいりたいと考えております。
 具体的には、幅広く県民が活用できるよう積極的な制度のPRを行うとともに、インターネットの活用やリフォーム全般への幅広い対応など、登録制度の内容の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

 小児通院医療費の助成について
【質問】
 合計特殊出生率が4年連続で過去最低となるなど、少子化の進行に歯止めがかからない状況にあるが、こうした状況を解決するためには、子供をもつ家庭の経済的負担を軽減することが重要と考える。
 こうした中で、国は、児童手当の対象学年のさらなる引き上げなど、経済的支援策の検討を始める。
 小児医療費の給付について、近県では、東京都、静岡県、栃木県が既に小学校就学前まで、埼玉県が4歳児まで各種医療保険の自己負担分を助成する制度を導入しており、本県は最も対象年齢が低く、制度的に遅れている。県内でも4割の市町村において、小学校就学前の児童に対して給付が行われている。
 そこで、子供を抱えた家庭の経済的負担の軽減に向けて、県内全ての市町村において、小学校就学前まで小児通院医療費の助成が行えるように、対象年齢を引き上げるべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 小児医療費助成事業は、一義的には、子育て支援の担い手である市町村が事業の実施主体となり、県が助成しているものでありますが、子育て家庭への経済的負担軽減策の一つであると考えております。
 本県では、精神的にも、経済的にも負担が大きい入院時の医療費助成に重点を置き、その対象年齢を中学校卒業までとし、この点では全国でもトップとなっているところであります。
 通院の助成対象年齢につきましては、平成13年度に市町村の参加のもとに設置した「神奈川県小児医療費助成制度協議会」での検討を基に、平成15年度から従来の1歳未満から3歳未満まで引き上げる等の改正を行ったところであります。
 しかし、実際の通院の助成対象年齢は、各市町村が地域の特性等を考慮し、独自の判断で年齢引き上げを実施しているために、県内市町村間で差が生じていることは承知をしております。
 こうした現状の中で、37市町村から、平成17年4月に小児医療費助成事業の制度見直しについての要望を受けました。
 その趣旨は、「小児医療費助成事業の年齢拡大などに応えるには、他の医療費助成制度を含め、将来にわたる安定的かつ継続的な運営に向けた抜本的な制度の見直しが必要である。」というものでございます。
 一方、子育ての経済的負担軽減策のあり方全般については、今後、子育てにかかる経費の実態や制度の状況など、基礎となる調査を行い、学識経験者や子育ての当事者が参画する懇談会で議論をしていただくこととしております。
 そこで、本事業については15年の制度改正から2年が経過しておりますが、実施主体である市町村や多方面からの要望もございますので、対象年齢・所得制限・市町村への支援のあり方など、先のあり方懇談会の議論とも合わせ、市町村との場を設けて研究してまいりたいと考えております。

 セカンドオピニオン専用外来について
【質問】
 県立病院で、セカンドオピニオンを実施していることは評価するが、残念なことに、専用外来を設けておらず、一般診療窓口と同じ扱いとなっている。
 がんなど特に要望が多いと思われる病院については、専用外来を設けても良いのではないかと思う。また、セカンドオピニオンには、より信頼性が求められることから、経験豊かなベテラン医師を優先して配置するためにも、専用化が必要になってくると思われる。
 県立病院のセカンドオピニオンの実施状況を見ると、9割が県立がんセンターとなっており、県立がんセンターへ専用外来を設置するニーズは極めて高い。
 今後、患者の声に応え、受診の早期化を図るためにも、県が率先して専用外来を設け、セカンドオピニオンの普及に努めるとともに、患者が納得し、安心できる医療体制を確立すべきである。
 そこで、県立がんセンターに、セカンドオピニオン専用外来を設置すべきと考えるが、所見を伺いたい。
【病院事業庁長答弁】
 セカンドオピニオンは、患者さんや家族の方々が、主治医以外の専門の医師の意見を聞くことによって、より良い治療方法を選択するための仕組みであり、本県の全ての県立病院で昨年7月から実施しております。
 その中で、県立がんセンターは最も件数が多く、1ヶ月当たりでは約52件に上り、また、診療科別に見てみますと、肝臓、胃、大腸などの消化器系及び肺などの呼吸器系の相談が多く、1件の相談時間は30分から1時間が費やされており、多くの患者さんが内容に満足され、納得して帰られていると考えております。
 現状のセカンドオピニオンは、専門的な疾病に関してのものでありますので、部位ごとに、診療や手術を行っている経験の豊かな専門医がお話を聞くこととしております。
 そのため、相談を受け付けている曜日、時間は、基本的に、各診療科の担当医師が外来診療を行っている時間の後に設定し、県立がんセンターでは、全体で20の診療科について1週間に合計で37人という多数に医師がセカンドオピニオンを受け入れる体制を整えております。
 一方、曜日、時間をあらかじめ定め、セカンドオピニオン専用の固定の時間枠を設けるためには、現在の体制に加えて、医師の確保や相談場所の設置等人的、施設面からの相当の制約がありますことから、現行の方法によって円滑に運用してまいりたいと考えております。
 お話にございましたように、今後、がん医療におけるセカンドオピニオンの要望はますます増加していくものと思われますので、各病院のホームページをわかりやすく見直すことや、受付の曜日を明示していくなど、県民の皆様がより相談を行いやすい方策について今後とも検討してまいります。

 がん情報・相談センター機能について
【質問】
 がん患者等に対する意識調査によると、がん医療に不満を持つ人は80%にものぼるとともに、医療の質や治療法の情報開示を求める声も強く、統合的な情報提供機関については、99%もの人が必要だと考えている。
 現状では、問い合わせ先も分からない、どこの病院が自分と同じ症例を治した実績があるのかも分からない、そして、どこに行けば自分の命を預けられる医師がいるのかも分からない状況にある。その一方で、インターネットやマスコミなどによる状況の氾濫に翻弄されるという、正に「がん難民」という言葉が、がん医療の状況を物語っている。
 より多くの情報、より正確な情報が、一刻も早く患者の方々に提供されることが望ましく、そのためには、まず、早期にがんに関する情報機関を、県立がんセンターへ設置する必要があると考える。また、情報提供に留まらず、適切なアドバイスができる相談機能も合わせて必要である。
 そこで、県立がんセンターに、がん情報・相談センター機能を設置すべきと考えるが、所見を伺いたい。
【病院事業庁長答弁】
 がんにり患された患者の方々の中には、医療機関を選択することや治療法を選択するにあたって大きな不安を持っている方がおられるということは、よくお聞きいたします。
 その理由としては、まず、がん治療は、手術、化学療法、放射線治療などいろいろな手法を組み合わせて行われますが、がんは一人ひとりの症状がいろいろと異なる疾患であり、がんの進行具合によって様々な治療の選択肢があることが挙げられます。
 また、がん治療は、地域や医療機関によっても治療格差があるとも言われていること、更に、がん医療に関する情報があふれている今日にあっては、患者さんにとっては、かえって正しい情報を見分けることが難しい状況にあること、などがございます。
 患者の方々が、がん医療に関する正確な情報を得た上で、がんの専門医に相談しながら治療方法を決定したいと望んでおられるのは当然のことであります。
 情報発信のしくみづくりにつきましては、国立がんセンターの今後の在り方としては、「情報センター」の設置が提言されておりますが、県立がんセンターでは、本県の基幹がん診療拠点病院として、「がんへの挑戦・10か年戦略」の中に、最新のがん医療の情報収集と提供を行うために、がん情報発信の仕組みづくりを位置づけたところであります。
 具体的には、県立がんセンターが中心となりまして、がんの臨床研究やがん情報の収集、提供を行い、それらをネットワーク化する機構を設立することとしております。
 本年5月に有識者による機構設立のための懇話会を設置しましたので、今後、この懇話会でのご意見を踏まえながら、平成18年度の設立に向けて取り組んでいるところであります。
 この取組みの中で、県民、医療従事者、研究者に対する情報にどのような内容を盛り込むべきか、また、より効率的に提供する方法について、十分検討してまいりたいと思います。
 がん医療に関する相談に関しましては、「がんへの挑戦・10か年戦略」の中に、相談体制等の検討やがん相談人材の育成が位置付けられておりますので、今後、関係機関と十分相談しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 県有施設におけるシックハウス対策について
【質問】
 県立保土ヶ谷高校で起きたいわゆるシックハウス症候群問題については、化学物質に対する正しい知識の欠如、シックハウスに対する認識の甘さにも原因があると考えられる。果たして、人の命を預っているという認識を、一体何人の職員が持っていたのか。私は、猛省を促したい。
 保土ヶ谷高校で起こったシックハウスの恐れは、他の県有施設全てにあると言え、こうしたことが繰り返されないために、今ここで、しっかりとした対策を取ることが必要と考える。
 そのためには、県有施設を設計、工事する立場の職員をはじめ、その施設を管理する職員もシックハウスとは何かなど、医学的な方面で、しっかりとした知識を身につけることから始める必要がある。また、今回の事件を受けて、県独自の安全基準の設定も必要と考える。
 今後、県有施設のシックハウス対策について、具体的にどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 県立保土ヶ谷高校における事件につきましては、昨年秋に実施した屋上防水工事に使用した溶剤が建物の内部に浸透し、健康被害をもたらしたものと推定されておりますが、屋外の工事が教室内に影響を与えることは、事前に予想できなかったことから、対応が遅れてしまったと聞いております。
 私も、「ウィークリー知事現場訪問」で、現地を視察し、教員や生徒の皆さんなどから状況をお聞きするとともに、今後の対応について意見交換を行いました。
 このような事件が起こったことは、大変残念に思っているところであります。
 現在、教育委員会におきましては、外部の専門家を加えた検討委員会を設置し、事件の原因究明及び対応策、また、再発防止策について検討を行っております。
 議員ご指摘のとおり、今回の事件は、一高校だけの問題ではなく、すべての県有施設において起こる可能性があることから、今後、再発を防止するために、県庁全体で対策を進めていく必要があると考えております。
 全庁的な対策を進めるためには、関係職員が、シックハウス症候群等に関する知識を深める必要がありますので、症状や原因となる化学物質などについての研修を通じて、職員の資質の向上に努めていく所存です。
 今後のシックハウス対策につきましては、まず、現在、建築工事における材料の取扱いに関して、従来からの取組みに加え、設計・施工の各段階で配慮する事項をまとめた指針や詳細な手順を定めたマニュアルを作成しているところでございます。
 さらに、建物を管理する上で、必要な調度品や日用品などを選定するにあたっての留意事項を取りまとめたマニュアルを作成し、県有施設における総合的なシックハウス対策の強化に努めてまいりたいと思います。

 アクセス道路整備について
【質問】
 私の地元である相模原市では、現在新たな産業集積方策を検討しており、今後、さがみ縦貫道路へのアクセス道路が整備されることにより、さらなる産業集積が進むと期待している。
 県道52号相模原町田の「麻溝小入口交差点」から「相模原公園入口交差点」までの2kmについては、市の構想と連携した整備を進めることにより、地域振興につながると思われることから、早期に都市計画決定を行い、事業着手すべきと考える。
 都市計画道路相原城山線については、既に事業化されているが、工事の進捗が目に見える形となっていない。既存産業集積地域へのさらなる産業集積が促進され、また、今後の市町合併を考えた場合、津久井地区へのアクセス道路としての役割も期待されることから、早期完成を目指して事業進捗を図るべきと考える。
 これについて、今後のスケジュールと併せて、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 県道52号相模原町田と都市計画道路相原城山線は、「さがみ縦貫道路」へのアクセスをはじめとして、相模原地域の東西方向の交通を担う主要な幹線道路でございます。これら二つの路線は、「さがみ縦貫道路」と連携することにより、広域的な交通利便性の向上に寄与し、地域経済の活性化に必要な役割を果たす道路であると認識しております。
 そこで、県道52号でございますが、現在、仮称の相模原インターチェンジから「麻溝小入口交差点」までの約1.1kmの区間について、「さがみ縦貫道路」に合わせて供用開始できるよう、重点的に整備を進めているところでございます。
 お尋ねがありましたのは、その東側、「相模原公園入口交差点」までの、延長約2kmの区間でございます。この区間では、JR相模線との立体交差の形状、あるいは、沿線に立地する小学校、公園などへの影響について、相模原市やJR等の関係機関と調整しながら、かねてより検討を進めておりましたが、今年度中には、ルート・構造の案を固めるという段階に、ようやく至ったところでございます。来年度には、この案を地元の皆様にご説明し、ご意見を伺いたいと考えておりまして、こうした調整作業を踏まえながら、都市計画決定の準備など、事業着手に向けた取組みを、進めてまいりたいと考えております。
 次に、都市計画道路相原城山線でございます。この路線のうち、新小倉橋とともに供用開始された区間の東側、延長約1.7kmについて、現在、事業を進めておりまして、昨年度末時点で、約8割の用地買収が完了しているところでございます。今後は、残る用地の買収を進めるとともに、来年度からは本格的に工事に着手し、早期完成を目指してまいりたいと考えております。

 さがみ緑風園跡地利用について
【質問】
 さがみ緑風園の跡地利用計画としては、平成11年度に改訂された「かながわ新総合計画21」に「人材育成研究センター」、現在の実践教育センターを相模原市内に整備することが明記されており、その候補地として、さがみ緑風園跡地が考えられていた。しかし、県は、平成14年11月、この方針を撤回し、当面は、看護教育大学校跡地を活用することとしたが、結局、横浜市旭区の衛生短期大学校跡地に移転することを決定した。
 相模原市域における県の方針転換は、これが初めてではなく、平成5年頃に相模原市麻溝台に県立「健康科学センター」を設置する構想を発表したにもかかわらず、平成8年に同施設の設置を突然撤回している。こうした度重なる方針転換は、まさに「背信行為」であり、相模原市民は、憤慨している。
 さがみ緑風園跡地については、県は真摯な態度で、地元相模原市とも協議のうえ、今後の計画を示す必要があると考える。そこで、さがみ緑風園跡地について、今後どのように活用していくつもりか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 さがみ緑風園跡地は、議員のお話にもございましたが、昭和40年に篤志家の方から、障害のある人々のために役立ててほしいということで、県に寄付されたものでございます。
 県では、この趣旨に沿いまして、昭和42年に県立さがみ緑風園を開所し身体障害者更生援護施設として活用してまいりました。平成15年4月に同園が市内の麻溝台に移転した後は、社会福祉法人の授産施設の建替のために一時的に利用しておりましたが、本年4月以降は未使用となっております。
 相模原市内への県施設の整備は、これまでに、健康科学センターや、県立保健福祉大学の附置機関である実践教育センターの設置計画がございましたが、その時々の県の財政事情もあり、これらの計画を変更せざるを得なかったことは議員のお話のとおりでございます。
 さがみ緑風園跡地の今後の活用につきましては、つい先日、6月17日、相模原市長から、これまでの経過を踏まえた県としての当該地の跡地利用を検討してもらいたい旨、ご要望もいただいているところでございます。
 県といたしましては、今後、この土地が篤志家の方からの寄付地であることや、これまでの実践教育センターの整備をめぐる経緯などを十分踏まえて、市民、県民の皆さんに役立つ跡地の活用方策を市や関係の方々のご意見も伺いながら、早急に探ってまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございます。



議会質問

平成16年6月定例議会
本会議 一般質問

平成16年7月16日

インターネット議会中継


 次世代育成計画について
【質問】
 出生率の全国平均が、過去最低の1.29となり、都市部で特に低くなっている。
 全国でいち早く、小学校入学前までの医療費の無料化など、積極的な子育て支援施策を展開している東京都江戸川区では、1.37と高い数値を維持しており、自治体における次世代育成施策への取組みが、出生率維持向上への鍵になるものと考える。
 国において、平成15年7月に「次世代育成支援対策推進法」が制定され、地方公共団体は、平成16年度中に地域行動計画の策定が義務付けられた。次世代育成支援の基本となる地域行動計画は、県の全ての行政分野からの視点が、不可欠となり、実効性の高い施策としなければ、絵に描いた餅となる。
 そこで、今回の計画策定が部局縦割りの施策建てになることなく、部局横断的な施策をきちんと議論して、位置付けるとともに、実効性のある計画とする必要があると考えるが、計画策定にあたっての決意を伺いたい。
【知事答弁】
 地域行動計画についてのお尋ねですが、次世代の育成につきましては、「神奈川力構想・プロジェクト51」におきまして、県行政の最重要課題のひとつに位置付けております。
 このような中で、今年度、次世代育成支援対策推進法に基づき、県の地域行動計画を策定してまいりますが、地域の子育て支援や母子保健・小児医療、教育や青少年の健全育成、仕事と子育ての両立、さらには安全・安心なまちづくりなど、極めて幅広い分野の取組みを総合的に推進していくことが必要不可欠であると受けとめております。
 そこで、計画策定にあたりましては、まず、本年6月に「神奈川県次世代育成支援対策推進協議会」を設置し、次世代育成支援に関係する学識者、各分野の団体、専門家等から、行政の縦割りに捕われない率直かつ建設的なご議論をいただいているところでございます。

 延長保育、休日保育の充実について
【質問】
 待機児童ゼロを目指す取り組みとして、既に開園している保育所の機能充実を図る取り組みも重要である。仕事をもった女性が、出産後に安心して子育てを行いながら職場に復帰できるように支援することは、極めて重要な施策の一つであり、多様な子育て支援と保育サービスの充実が一層望まれる。多様な保育サービスの一環として、延長保育や休日保育などが行われ、仕事を持った女性の強い味方となっているが、全てのニーズを満たしているわけではない。
 そこで、今後、県としてどのように延長保育、休日保育の充実に取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 保育事業の充実に関しましては、「神奈川力構想・プロジェクト51」の戦略プロジェクトに「保育サービスの充実」を位置付け、具体的な構成事業といたしまして、「保育所整備の支援」と並んで、「多様な保育サービスの拡充」として、延長保育や休日保育の実施の支援などに取り組んでいるところでございます。
 まず、延長保育につきましては、基本の保育時間の前後の早朝や夕刻の時間帯に実施するもので、県所管域の保育所の77%に当たる220施設で既に取り組んでおります。今後は、保護者の就労時間や通勤事情などにより、利用者ニーズの地域差もございますので、市町村における的確なニーズ把握を働きかけ、平成18年度までに230施設での実施を目標に、一層の拡充が図られるよう支援してまいります。
 また、休日保育につきましては、県所管域の4市2町の保育所、計8施設で実施しております。今後、市町村毎に中核的な役割を発揮できる保育所での集約的な実施を基本に、平成18年度までに15施設での実施を目標に、市町村への働きかけや支援を行ってまいります。

 小児医療費の対象年齢引き上げについて
【質問】
 子どもを持つ家庭の経済的負担を軽減することは、次世代育成支援において非常に重要で、小児医療費に対する助成の充実は急務である。
 現在、県では3歳未満の通院医療費と中学生以下の入院医療費について、市町村助成を行っているが、厚木市、綾瀬市、寒川町、二宮町などの市町村においては、独自に給付対象を小学校就学前まで引き上げ、給付の充実を図っている。各市町村において、単独で、給付対象年齢を引き上げることは、財政的に大きな負担を伴う。
 そこで、子どもを抱えた家庭の経済的負担の軽減に向けて、県内全ての市町村で、小学校就学前まで小児医療費の給付が行えるように、県助成制度における対象年齢を小学校入学前まで引き上げるべきであると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 この制度は、市町村が実施主体となって、それぞれの考え方と地域の実情に応じて取り組んでおられます小児医療費助成事業に対して、次代を担う子どもたちが健やかで豊かに育つようにとの視点から、疾病の重症化の防止と医療にかかる保護者の経済的負担の軽減を図ることを目的として、県が市町村に支援しているものであります。
 この取組みは、健康保険等適用後の小児医療費の自己負担分を助成することから、基本的には国の医療制度との関わりの中で考えられてきているものであり、県では、入院にかかる医療費の助成を重点に行ってきたものでございます。
 この助成制度は、市町村から通院にかかる対象年齢の引上げ等について強く要望を受けておりましたので、平成13年度には、市町村の参加のもとに設置しました「神奈川県小児医療費助成制度協議会」で検討してまいりました。
 その結果を受けて、県では、平成15年度から、通院助成対象年齢を従来の1歳未満から3歳未満まで引き上げる等の改正を行ったところであります。
 その後、通院助成対象年齢を引き上げている市町村もございますが、まだ新制度の2年目でもございますので、当面は、この制度のもとで、市町村の実施状況や国の動向等を見守ってまいりたいと考えております。

 小児喘息の通院医療費助成について
【質問】
 小児がんや小児慢性心疾患などの小児慢性特定疾患については、国、都道府県、政令指定都市、中核市により、医療費給付が行われている。しかしながら、喘息については、国及び本県は、通院治療の医療費給付を行っていない。喘息は通院の患者が多く、その治療に比較的長期間を要することから、患者家族の負担も大きなものとなっている。
 しかし、千葉県などでは、県単独で喘息の通院医療費の給付を行っており、国においても、小児慢性特定疾患について制度の改善・重点化を行うこととしており、対象疾患の拡充などの検討が進められている。
 そこで、本県においても、小児慢性特定疾患の医療費給付の対象に喘息の通院医療費を追加するなど、制度充実を図るべきであると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 小児慢性特定疾患に悩むお子さんへの医療給付を行うこの制度は、現在、国の要綱に基づき、都道府県又は政令都市等が主体となって実施しているものであります。
 国の基準では、例えば「ぜんそく」は、1ヶ月以上の入院に対しては医療給付がございますが、短期の入院や通院は給付の対象にならないといった、議員ご指摘のような問題があります。
 こうした国の基準では対象とならない患者さんの医療費の負担を軽減するため、県では、先ほどの「ぜんそく」では、1ヶ月未満の入院に対しても単独で助成するなど、その他の措置を含め種々対策を講じてきたところであります。
 お話のありました「ぜんそく」は、通院であっても長期に続く場合には、患者の負担が大きいと伺っており、この制度はまだまだ解決が求められていく点があると思っております。
 こうした中で、国では現在、この事業を児童福祉法に位置づけ、今年度中に制度の拡充を図る動きがあると聞いておりますので、本県といたしましては、こうした国の動向の把握に努め、新制度の内容が明らかになり次第、その円滑な導入・実施に向けて対応してまいりたいと考えております。

 発達障害者支援センターの整備について
【質問】
 国は、平成14年度から、自閉症及びその周辺領域にある発達障害者の支援策として、自閉症・発達障害支援センターを全都道府県と12政令指定都市に設置を進めており、既に横浜市が支援センターを開設しているが、本県が設置主体となったセンターの整備は行われていない。
 また、自閉症以外の学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害に対するきめ細かな支援は、あまり進んでおらず、今後、県の責務として、発達障害者支援策をより積極的に推進する必要があると考える。
 そこで、今後の支援策の中核となる自閉症・発達障害支援センターや法案に盛り込まれている発達障害者支援センターの整備を含め、発達障害者への支援策の充実に、どのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺いたい。
【知事答弁】
 議員のお話にございましたように、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害など、これまでの障害認定基準だけではとらえきれない、医療・福祉の制度の狭間にある方々への支援策が、早急に求められております。
 こうしたことから、県といたしましても、今年度から、「自閉症・発達障害支援事業」を開始して、児童相談所において発達障害専門の医師が、児童やご家族のご相談に応じることとしたところでございます。
 お尋ねのございました、自閉症・発達障害支援センターの設置につきましては、現在、自閉症児者親の会や、民間の事業者で意欲を持っている方々と話し合いを行っているところでございますので、その経過も踏まえ、来年度の設置に向けて努力をしてまいります。
 また、発達障害者への支援策の充実に向けた今後の取組みでございますが、本年3月に策定いたしました「かながわ障害者計画」において、こうした方々への支援策につきましては、福祉、衛生、教育、就労などの専門機関を活用し、議論することにしておりますので、「発達障害者支援法」制定の動向も踏まえながら、今後検討してまいりたいと考えております。

 若者就職支援センターの充実について
【質問】
@ 「かながわ若者就職支援センター」について利用時間の延長、土日・休日の開所、携帯電話サイトによる情報発信やインターネットを活用した双方向性のサービスの提供など、若者がより気軽に利用しやすい環境づくり、利用者の立場に立った機能の充実を図るべきであると考えるが、知事の所見を伺います。
A また、横浜市内に一箇所設置されているのみであることや現在の業務量を勘案すると、県央地区などに支援拠点を整備して、最低でも2ヶ所以上の複数体制で支援を行う必要があると考えるが、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 センターの運営に当たりましては、常に若者の目線に立った対応を心がけており、それが利用者に行ったアンケートにも現れておりまして、職員の対応が良かったという方、再度利用したいという方が共に9割を超えるなど、大変好評を得ております。
 そこで、利用時間の延長、携帯電話サイトの構築など、若者が、より気軽に利用しやすい環境づくりや機能の充実が必要ではないかとのお尋ねでありますが、センターが開所して2ヶ月余りという段階でございますので、今後、利用者の動向や時間延長等を行った場合の効果等を分析するなどいたしまして、実施の必要性について検討してまいりたいと考えております。
 私も、基本的には若者の就職支援を地域展開して行く必要があると認識しております。既にセンターでは、議員のお話にもありました県内大学への出前プレゼンテーションや、企業人による県内高校への出前授業も行っており好評いただいておりますが、センターが多くの若者に利用していただいている大きな要因として、国の若者向けのハローワークである「よこはま・ヤング・ワーク・プラザ」との連携によって、キャリアカウンセリング、就職情報や職業訓練情報の提供、職業紹介などのサービスをワンストップで提供していることがあげられると思います。
 したがいまして、地域展開を効果的に進めて行くためには、県内各所にございますハローワークと連携を図っていく必要がございますし、また、市町村の中には、独自に若者向けの雇用施策に取り組み始めているところもございますので、こうした市町村との連携も視野に入れる必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、若者を取り巻く雇用情勢が依然として厳しい状況にあることを踏まえまして、神奈川労働局をはじめ、神奈川県経営者協会等の関係機関を構成員とする「かながわ若者就職支援センター運営協議会」において、今後の地域展開の方向性も含め、センターの運営体制について総合的に検討してまいりたいと考えております。

 障害者職業能力開発校の受入体制充実について
【質問】
 今後、障害者の雇用を拡大するためには、ITスキルを活用した就労や在宅での勤務を促進する必要がある。そのため障害者のITスキル向上のための職業訓練が極めて重要となり、ますます多くの需要が想定される。したがって、県として拠点を整備し、訓練の充実を図る必要がある。
 県内には、即設の障害者職業能力開発校があり、IT関連のOAシステムコースなどが設定され、充実した職業訓練が行われているが、各訓練コースの募集定員はわずかで、訓練希望の全てには、対応出来ていない。また、募集の条件としても、日常生活が自立し、訓練において介護等の福祉的ケアや医療的ケアが必要でないこととされており、国立県営の施設であるが、国に対して、積極的に訓練定員の増などを訴えていく必要があると考える。
 そこで、障害者職業能力開発校を有効活用し、特に需要が伸びることが想定されるIT関連の職業訓練について、受入体制の充実などを行うべきであると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 民間企業における障害者の雇用率は、数年来の厳しい経済環境を反映して下落傾向にあり、法定雇用率1.8パーセントに対して平成15年度には1.40パーセントとなるなど障害者の雇用の拡大が重要な課題であると認識しております。
 県では、障害者の就職を促進するための中核的施設として、昭和24年以来、国から委託を受け、神奈川障害者職業能力開発校を運営してまいりました。
 お話にありましたように、IT関連の職業訓練は、障害を補い、就職に結びつく適切な分野であることから、平成2年度に「OA事務」1コースを設置しましたが、現在は6つの訓練コースに拡大し、定員も75人となっております。
 訓練修了1年後の就職率も9割程度であり、障害者の就職に結び付いております。
 こうした県直営の訓練に加えて、様々な訓練ニーズや増加する障害者に対応するため、今年度、新たに、民間の訓練機関を活用して265人の就職訓練に着手しており、このうち
IT関連は約4割を占めております。
 議員ご指摘の、訓練生の受け入れについては、国の通達により、第1に障害面での症状が固定していること、2つめに身辺処理能力が確立していること、3つめに職業的自立の可能性があると認められること等に留意して、障害の特性に応じて、よりきめ細かな配慮を加え、実施しているところでございます。

 文化芸術総合相談窓口の開設について
【質問】
 本年4月2日から全県下で6回開催した「芸術文化振興フォーラム」において、多くの文化芸術団体などから、県に対して、総合的に団体を支援する体制の整備を強く望む声が上がっており、また、芸術文化を総合的に企画・運営するアートマネージャーなどの人材を配置することも強く望まれている。したがって、県、神奈川芸術文化財団や企業メセナ協議会などが、共同して、プロ・アマを問わない全ての文化芸術団体を支援する仕組みや受け皿づくりが必要になると考える。
 そこで、県として、神奈川芸術文化財団や企業メセナ協議会などと共同して、専門スタッフを配置したワンストップ対応可能な常設の総合相談窓口を開設し、地域の特性に応じた、文化芸術団体への支援をより積極的に行うべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと社会全体の価値観が変化する中で、県民の皆さんは、文化芸術を鑑賞するだけでなく、自らも文化芸術活動に参画したいという意欲を持つようになってきていることから、こうした県民の活動を支援していくことがますます重要になっていると認識しております。
 こうした考え方に立って、「神奈川力構想・プロジェクト51」の戦略プロジェクト「文化芸術・スポーツを楽しむ環境づくり」の中では、県民の主体的な文化芸術活動の充実を図るため、文化芸術団体が行う活動への支援を行うこととしており、具体的には、創造的で優れた文化芸術事業やアマチュアによる合唱や演劇などの活動に対して助成を行っているところでございます。
 さらに、文化芸術団体の皆さんがより一層活動しやすい環境づくりを進めるためには、事業に対する助成だけでなく、舞台技術スタッフなどの人材の育成や、県民が文化芸術活動を行う際に必要となる施設・指導人材などの情報、事業の企画・運営などのノウハウを総合的に提供することが、今後、大変重要となってまいりますので、こうした取組みについても充実することとしております。
 そこで、議員から総合相談窓口の開設についてお話がございましたが、県民が文化芸術活動を行う際に必要とする情報やノウハウをきめ細かく提供していくためには、相談機能の強化を図ることが大切でございますので、今後、こういった視点も踏まえながら、情報提供体制の充実について検討してまいりたいと考えております。

 県立高校跡地利用について
【質問】
 私の地元の相模原市では、相模原工業技術高校の跡地の活用が課題となっており、文教地区としての立地条件から、不登校・ひきこもり児童・生徒のためのフリースペースや生涯学習施設等への活用または、総合型地域スポーツクラブの活動拠点としてグラウンドや体育館を活用することも、非常に有効性が高い活用方法である。
 高校跡地を活用するにあたっては、様々な活用の可能性があり、また、広大な高校跡地を一括して活用する場合、利用方法がかなり制限されるなどの問題もある。今後、県立高校改革推進計画の後期実施計画も予定されており、高校跡地を早期に有効活用することは、大きな課題と言える。
 そこで、今後、県立高校跡地については、市町村とNPOをはじめとする民間との分割利用などの方法や、なるべく地元の要望を汲み取るなど、地元がより利用しやすい活用方法を取り入れ、早急に活用を図るべきであると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 県立高校の再編統合に伴って生じます跡地の利活用につきましては、まず、県自らの利用、次に地元市町村における公共的、公益的な活用、そして3つ目に、こうした公的な活用が見込まれない場合は、民間での活用というのを基本として、併せて、高校再編整備の財源とするため、慎重に検討を進めてきたところでございます。
 県立高校は、これまで地域に根ざした高校として地元から親しまれ、利用もされてきたことなどから、その跡地の利用につきましても地元市での公的な活用などが期待できるものは、なるべくその方向が望ましいと考え、地元の意見や意向を踏まえた活用が図れるよう調整してまいりました。
 今年の4月までに、再編統合により13校が跡地となりましたが、その利活用の方向といたしましては、まず、養護学校等に転用するなど、県が自ら利用するものが4校、地元市がコミュニティ施設や公園などとして、あるいは、学校法人がそのまま学校として、つまり私学として活用する方向で調整しているものが5校となっており、その他の跡地4校につきましても、地元市の要望などを踏まえた公的な活用を前提として、調整を進めております。
 そのような中、議員のお話にありましたとおり、高校跡地は大変広い土地でございますので、例えば、県自ら利用する場合でも、残地が出るものにつきましては、その地域にふさわしい活用ができないかどうか、また、社会福祉関係施設などとして使う場合でも、地元の要望である公園として一部利用することが可能かなど、できる限り柔軟に対応してきたところでございまして、今後ともこうした方向に沿って調整を図ってまいりたいと考えております。
Copyright 2002-2015, Hitoshi Watanabe All Rights Reserved.