神奈川県議会議員 渡辺ひとし Official Website watanabe-h.com

  


議会質問

平成19年12月定例議会
本会議 代表質問

平成19年12月6日

インターネット議会中継

神奈川新聞記事


 県税収入見通しについて
【質問】
 今後の財政見通しについて、知事は、平成19年度、20年度ともに、県税収入については増収を期待しながらも、その他のマイナス要因により楽観視できない状況にあるとしている。したがって、仮に県税収入が増収とならない場合には、極めて厳しい財政状況になることが想定される。
 こうした中で、最近の経済情勢を見ると、数多くの不安材料が存在しており、我が国経済の先行きについても、かなりの減速が懸念され、法人二税を主力としている本県の税収にも大きな影響を及ぼすのではないかと考える。
 そこで、最近の経済情勢を踏まえ、平成19年度、20年度の県税収入の動向をどのように見通しているのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 まず、税収見通しの背景となる最近の景気動向でありますが、11月の月例経済報告では、「このところ一部に弱さがみられるものの回復している。」との基調判断を継続したところでありますが、先行きにつきましては、米国のサブプライムローン問題等を背景とした急激な円高・株安影響や、原油価格の動向に、留意する必要があると警戒感を示すものとなっております。
 このような中にあって、平成19年度の県税収入見通しでありますが、法人二税につきましては、成19年9月中間期の申告実績の取りまとめが12月半ばとなりますので、現時点では確たることは申し上げにくい状況にあるものの、主力をなす19年3月期決算法人の申告実績は、当初の見込みを上回っております。
 また、個人県民税につきましても、当初課税分が見込みを上回ったことなどから、県税収入全体としては、予算額に対し多少の増収は期待できるものと考えているところでございます。
 次に、20年度の県税収入見通しにつきましては、現時点では、20年3月期の企業決算見通しが、5期連続で最高益を更新すると予想されているものの、今後の懸念材料の動向によっては、その増収幅が大きく減少することも危惧されております。
 また、個人県民税につきましても、税源移譲に伴う制度上の増収は多少見込めますが、それを除けば、大きな伸びを期待することは難しい状況でございます。
 このようなことから、現時点では、県税収入全体として、平成19年度の予算額を多少上回ることを期待はしておりますが、現下の経済情勢をみる限り、予断を許さない状況であると考えております。
 いずれにいたしましても、県税収入見通しについては、先行きの不安材料が増しつつある経済情勢を踏まえ、今後の景気動向や税収実績を十分に注視するとともに、当初予算の編成作業の中で、詳細な分析を行った上で、歳入予算額を見積もってまいりたいと考えております。

 危機管理体制強化について
【質問】
 本定例会に提案されている条例改正案の中で、平成20年4月から、本庁組織の見直しの一環として、安全防災局の所掌事務に「危機管理の総合調整に関する事項」という項目が追加されているが、どのように危機管理体制が強化されるのか、具体的な内容は不明である。
 県民に重大な被害を及ぼす災害、事件、事故は、いつ発生するか予測ができないので、平常時から危機管理体制を強化し万全の備えを講じる必要がある。
 そのためには、危機管理に関する事務をできるだけ一元化するとともに平時から部局長に指示ができる危機管理専門職を設置するなどの体制を整える必要があると考える。
 そこで、これらの点について県としてどのように考えているのか、これまでの検討状況や、現在検討されている危機管理体制の強化についての内容も踏まえ、所見を伺いたい。
【知事答弁】
  次に、安全防災局の危機管理体制の強化についてのお尋ねがございました。
 議員お話しのとおり、地震や台風などの自然災害や、テロなどの発生に対し、県として、万全の対応が求められております。
 このようなことから、先の9月定例会においても、危機管理の強化に関し「どのような体制が望ましいのか十分論議し、検討してまいりたい」と答弁をいたしました。
 そこで、このたび、神奈川県部設置条例を改正し、安全防災局に、新たに危機管理の総合調整に関する分掌事務を加えることをご提案しているところでございます。
 お尋ねの、危機管理に関する事務の一元化についてでありますが、県全体としての組織の効率性から、難しい面が多いと考え、県として一体的な対応を図るため、情報の一元化や、部局間の連携を図ることを目的とした新たな会議の設置等を検討したところであります。
 まず、情報の一元化でありますが、危機事象が発生した際、事象の内容や対応状況等の情報を必ず安全防災局に連絡することとし、県全体としての対応を図ることができるよう、新たな仕組みを検討することといたしました。
 次に、新たな会議の設置でありますが、危機管理対策本部の設置には至らないものの、県全体での対応が必要な危機事象に迅速に対処できるよう、新たに安全防災局長を座長とする対策会議を新設することといたしました。
 また、平常時においても危機管理に関しては、安全防災局長が、他部局長に対し指示・調整できることを「危機管理対処方針」に明示したいと考えております。
 最後に危機管理専門職の設置についてでございますが、だだ今申し上げましたように、安全防災局長が他部局長を指示・調整できるようにするなど、安全防災局を中心に危機管理体制を強化し、来年度から運用することとしております。
 従いまして、まず、この新たな体制の運用をしっかり行っていくこととし、危機管理専門職の設置につきましては、今後の課題として、研究させていただきたいと考えております。
【要望】

 最後に要望として、危機管理の体制のご答弁がありました。私が思うのは非常時には、部局を調整するのではなくて、緊急事態の時に、命令をしなくてはいけない、ともすれば、警察だとか教育だとか少なくとも医療機関だとか様々なところに命令をしなくてはいけない、そういう意味では一段高い立場のそういう役職が必要なのではないかなと思います。併せてそうであれば、かなり専門的な知識をもっていないとそういう立場としても認められない。そういう意味では、わが党が求めています危機管理専門職という立場、これを是非ご検討願いたいというふうに要望をさせていただきます。


 肝炎対策について
【質問】
 薬害肝炎問題について、地裁で国の責任を認める判決が続き、大阪高裁からは和解勧告が出されている中で、与党肝炎対策プロジェクトチームの合意に基づき、肝炎対策基本法案が国会に提出されている。
 したがって、財政負担のあり方については、引き続き国に求めていくと同時に、地方自治体としても、積極的に検査・治療の仕組みづくりを検討し、国に提言し、できることから実行に移すことが大切である。
 そこで、肝炎の検査・治療の促進については、本県としては、どのように取り組んでいくのか、肝炎ウイルス検診の医療機関への委託や、インターフェロン治療を必要とする肝炎患者の経済的負担の軽減を含め、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、肝炎の検査・治療の取組みについて、お尋ねがございました。
 肝炎につきましては、B型及びC型肝炎を問わず早期に発見し適切な治療を行うことで、重症化やがんの発生を予防することが期待できますので、県民の健康を守る観点から肝炎対策を進めることが必要であると考えております。
 これまで、県といたしましては、肝炎に関する正しい知識の普及が重要であると考え、各保健福祉事務所において、講演会や相談などにより、県民の皆様に情報提供をしてまいりました。
 また、肝炎検査については、その受診の重要性を県民の皆様に啓発しながら、保健福祉事務所において少ない負担で検査を実施するとともに、市町村が老人保健事業の一環として行う検査についても県として財政支援をしております。
 さらに、治療の充実に向けて、県内の大学病院のご協力をいただき、肝炎の専門医による検討会を設けるとともに、地域医療関係者に対する研修を実施してまいりました。
 このような状況の中で、国においては、薬害肝炎をきっかけとして、肝炎検査の充実など新たな肝炎対策が打ち出されるとともに、現在、国会に肝炎対策基本法が提案されるなど、さらなる取組みが進められているところであります。
 そこで、本県では、まず、保健福祉事務所における肝炎検査について、早期発見をさらに進め、受診の促進を図るため、県内の保健所設置市とともに、この1月から3月までの間、無料化することといたしました。
 一方、医療機関での無料検査については、国が既に方針を打ち出しておりますが、現時点においても具体的な内容が明らかでないことから、今後の国の動きや保健福祉事務所での検査の受診状況をみて、検討してまいります。
 こうした対策に加え、国からは、インターフェロン治療の医療費助成を国と都道府県で負担を折半する考えが示されております。
 肝炎患者の経済的負担の軽減は必要なことでありますが、これは国に責任のある薬害被害者の救済がきっかけとなって打ち出されたものであり、基本的には国の責任において、対応すべきものと考えています。
 このため、医療費助成については、全国知事会においてはもちろんのこと、本県としても、他県と連携して、財政負担の見直しについて厚生労働省に申入れを行うこととしておりますので、今後、こうした動向を注視しながら、検討をしてまいります。
【再質問】
 知事の答弁の中で肝炎対策について、ご答弁をいただきました。今の知事のご答弁ですと、国の動向を見ながら、今後検討するといった趣旨のご答弁だったかと思いますが、私が先ほどの質問の中でも述べさせていただきました、全国で多くの患者さん、若しくは、自分が感染していることすらわからない方がたくさん、潜在的にいらっしゃいます。当然、全国で多くの方がいらっしゃるということであれば、神奈川県の人口から比せば、神奈川県下にも多くの方々が同じような状況でいられると思います。そういう意味では、国の動向をにらみながらということではなくて、神奈川県ができること、そういうことを優先的にまずやっていただきたいと思います。私も他県で、そのことについて取組がなければ、このような質問はしませんが、すでに三都県で、そのような取組をしているということでありますので、是非、神奈川県で行っていただきたいと、そのような質問をさせていただきました。
 先ほどの知事の答弁の中で、この1月からですね、保健所の検診が、1、3月無料化するということでございました。いかにもわが県の取組が、先進であるかのようなとらえ方ができるかと思いますけれども、実は、他の都道府県はすでに無料化を図っております。このことが決して先進的な取組ではなくて、どちらかというと遅い取組だと、このように私自身は思います。今後は、そのことをしっかり踏まえた上で、再度知事にですね、医療機関での検診について、どのようの取組をされるのか、もう一回ご答弁をいただきたいと思います。
【知事答弁】
 渡辺議員の再質問にお答えいたします。
 まず、肝炎検査についてでありますが、早期に発見して適切な治療を行うことで、先ほど申しあげましたが、重症化やがんの発生を予防することが期待できますので、この普及啓発や検査を中心に県民の健康を守る観点から、肝炎対策を進めているところであります。
 この医療機関での無料検査については、国が既に方針を打ち出しておりますが、現時点では、国から要綱が示されておらず、具体的な内容が明らかではありません。
 また、東京都でやっておりますが、これは八王子市を除く多摩地域や島しょ地域、島のにおいて、平成19年度7月からの医療機関での無料検査を行っている訳ですが、受診の件数はそれほど多くないとも伺っております。
 こうしたことから、医療機関への委託については、まず国の動向をみるとともに、この1月から実施する保健福祉事務所や、あるいは横浜市、川崎市、この保健所設置市の意見も聞いてですね、歩調をあわせてやらないと、神奈川県だけでやってもまたおかしくなりますので、そういう調整もございます。そういったことからこうした保健所設置市の状況も踏まえて、前向きに検討してまいりたいと思います。
【要望】
 今再答弁の中でも、知事から肝炎の問題ございました。横浜、川崎との調整、確かにそのとおりだと思います。しかしながら、肝炎等で苦しんでいらっしゃる方、神奈川県下に多くいらっしゃいます。その方々の思いというのは、今、国で肝炎の問題が議論をし、だいぶ前に進もうとしております。その中で県知事として、前向きな、また前向きな取組に対する調整をしっかりやっていくんだ、というご答弁をですね、いただきたいんではないかというふうに、私自身は思います。そのような思いを述べさせていただきまして私の質問を終わります。

 児童相談所の適正配置について
【質問】
 児童相談所の相談件数は年々増加の一途を辿っている中で、本県の児童相談所は極めて過大な規模となっている。
 このため、昨年12月に取りまとめられた児童福祉審議会による「児童相談所のあり方検討小委員会報告書」の中では、適正配置を検討する必要があるとされ、今後、政令指定都市又は児童相談所設置市が誕生した場合でも、最低でも5、6カ所の設置が望ましいと提言されている。
 そうした中で、相模原市が平成22年度に政令指定都市に移行すると、県の所管人口が大幅に減少することになり、適正配置に取り組む絶好のチャンスである。
 そこで、児童福祉審議会の提言を受けて既に1年が経過する中で、県としては、どのように児童相談所の適正配置を図っていくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、児童相談所の適正配置についてのお尋ねでございます。
 昨年2月、本県の児童相談所が関わっていた児童が虐待により死亡したため、二度とこのような痛ましい事件を繰り返さないよう、児童福祉審議会のもとに「児童相談所のあり方検討小委員会」が設置されまして、昨年12月、報告書が提出されました。
 県といたしましては、この提言を重く受け止め、職員体制の確保や業務の執行体制の充実を図るために、今年度20名の専門職員を増員したほか、児童相談所の事務の効率化や情報の共有化に向けて、情報ネットワークの整備を進めているところであります。
 また、この報告書の中には、こうした職員体制の確保や業務の執行体制の充実とあわせて、児童相談所の適正配置についてのご提言をいただいております。
 児童福祉法の改正により、平成17年度から市町村が児童・家庭相談の一義的な窓口となりましたが、児童相談所が担う専門的役割は引続き大きく、ケース数は所管人口とほぼ比例することから、児童相談所の配置にあたって、所管人口を基準とすることは重要な要素となります。
 人口規模については、平成18年4月に出された国の報告書で、所管人口を、中核市程度の「概ね30万人規模」と示されておりますが、他方で、少ない人口規模に合わせた職員体制では、スケールメリットを生かした複数職員による対応などができないという点も想定されます。
 また、人口以外の要素としても、地域としてのまとまりや利用者の利便性にも考慮する必要があります。
 さらに、児童福祉審議会の提言では、速やかに児童相談所の設置数の変更等を行うことは困難であることを踏まえ、当面は所内組織の見直しなど、「小回りの効く」体制の整備を図ることが望ましいとされております。
 県といたしましては、こうしたことを総合的に勘案し、今年度、見直しを行った執行体制や、来年度から稼動する情報ネットワークによる効果などを検証するとともに、今後、児童相談所設置市の誕生も念頭に置きながら、引き続き児童相談所の適正配置について検討をしてまいります。

 スーパー防犯灯等の整備について
【質問】
 警察本部は、平成14年度からスーパー防犯灯の整備を開始し、18年度までに県内の主要な駅前地区等10地区に50基が整備された。今年度は、設置による効果検証を行い、今後の整備計画の検討材料にするということであったが、設置した周辺地区では、刑法犯の認知件数が約14%減少しているということであり、相当な効果が上がっている。
 したがって、今後も整備を進めていただきたいが、1基単位で運用が可能な新型街頭緊急通報装置の設置も検討しているとのことである。
 一方、市町村によっては、独自に新型街頭緊急通報装置等の整備を検討しているところもあると聞いている。
 そこで、今後、スーパー防犯灯と新型街頭緊急通報装置の整備について、警察本部としてはどのような方針であるのか伺いたい。また、市町村が独自に新型街頭緊急通報装置を設置する場合に、警察本部としてどのような支援体制を考えているのか、併せて伺いたい。
【警察本部長答弁】
 渡辺議員ご質問の「スーパー防犯灯と新型街頭緊急通報装置の今後の整備方針」と「これらを市町村が独自に設置する場合の支援体制」についてお答えいたします。
 はじめに、「スーパー防犯灯と新型街頭緊急通報装置の整備方針について」であります。
 平成14年度から始めましたスーパー防犯灯の設置事業は、平成18年度までに10地区50基を整備したところでありますが、今年度は、これらの効果検証を行いまして、今後のあり方を検討してきたところであります。
 その結果につきましては、設置地域における犯罪の抑止に効果が出ていると認められるのを始め、効果検証に御協力をいただいた多くの皆さんが、スーパー防犯灯の設置を評価していることが確認できたところであります。
 県警察といたしましても、これまでのスーパー防犯灯がもたらす犯罪抑止効果等について有効なものであると認識しておりますが、これまで設置してきたスーパー防犯灯は、5基一組みの連動式となっていることから、設置に適した地域が限定されるという制約がありますほか、費用面につきましても、大変高価なものとなっております。
 このことから、設置地域等に制約されることなく、犯罪多発地域等必要な場所に、1基を単位として設置が可能であり、また、その費用も比較的安価な仮称「新型街頭緊急通報装置」の設置について検討してまいりたいと考えております。
 次に、「市町村が独自に新型街頭緊急通報装置を設置する場合の支援体制について」であります。
 県警察が検討している新型街頭緊急通報装置について、市町村が独自に、地域における安全・安心の確立に向け、設置する場合におきましては、その通報先を県警察本部の通信司令室とするなど、装置の効果が警察で設置するものと同等の効果が得られるような支援や協力を積極的に行ってまいりたいと考えております。
 これらの支援につきましては、警察署長等が市町村との会議等に出席したときなど、様々な機会を捉えまして、県警察が支援・協力できる内容を、引き続きお知らせしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 豪雨対策について
【質問】
 先の台風9号により、本県でも、各地で大きな被害が発生したが、こうした自然災害による被害を最小限に止めるためには、常日頃から、災害による被害の発生を想定し、それに対する対策を計画的に講じておくことが重要である。
 本県では、豪雨に対する対策として、「かながわセーフティリバー50」に基づく取組みを進めているが、策定後16年が経過し、本県の実情に合わなくなってきている部分もあるのではないかと思う。
 そうした中で、東京都は、河川改修を始め下水道の改修なども含めた総合的な豪雨対策として、「豪雨対策基本方針」をこの8月に策定している。
 また、国においては、平成16年度に特定都市河川浸水被害対策法を施行し、河川管理者、下水道管理者及び地方自治体が共同して策定する「流域水害対策計画」を受けて、重点的な整備を行うこととしている。
 そこで、本県としては、まず、「流域水害対策計画」を早急に策定し、総合的な浸水被害対策を推進すべきと考えるが、所見を伺いたい。また、さらに一歩進めて、都市河川の総合的な豪雨対策の基本的な指針を新たに策定することも検討すべきと考えるが、併せて所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、安全・安心について、総合的な浸水被害対策と、さらに一歩進めた豪雨対策の基本的な指針を新たに策定すべきとのお尋ねをいただきました。
 はじめに、総合的な浸水被害対策につきましては、これまでも河川整備などのハード対策や、減災のためのソフト対策に重点的に取り組んでまいりました。
 このうち、河川整備については、都市化が著しく、過去の大雨で水害が発生した河川を対象とした、都市河川重点整備計画である「かながわセーフティリバー50」に基づき、境川など15河川を対象に、整備促進に努めているところであります。
 また、流域対策として、市町村や開発事業者、住民とも連携をして、雨水を一時的貯める施設や地下への浸透施設の設置などを進めております。
 さらに、ソフト対策として、県民が自主的に避難できるように、これまでも市町村との連携による「浸水想定区域の情報」の提供などを進めており、加えて、来年度からはリアルタイムに「河川の映像」も、ホームページで順次提供することとしております。
 議員お話しの「特定都市河川浸水被害対策法」では、著しい浸水被害などを要件とする特定河川の指定と流域水害対策計画の策定が定められております。本年3月には鶴見川水系で県内初の計画を策定し、引き続き、境川・引地川水系についても流域の市及び下水道管理者とも協議の上、平成21年度を目途に策定し、浸水被害対策に積極的に取り組んでまいります。
 次に、総合的な豪雨対策の基本的な指針の策定についてでございますが、昨今、頻発している集中豪雨の被害を踏まえますと、法に基づく鶴見川など3水系だけではなく、浸水被害の大きい都市河川も対象として、流域と一体となった治水対策を進める必要があると考えております。
 具体的には、「かながわセーフティリバー50」について、その内容を見直すとともに、下水道整備や雨水の流出を抑制する流域対策とソフト対策を新たに加え、基本的な方向性と整備の目標を示した総合的な計画として、市町村や県民の意見も伺いながら、平成21年度を目途に改定をしてまいります。
 今後とも、都市河川の浸水被害対策を、河川だけでなく流域一帯となって進め、自然災害に強いまちづくりの実現に向けて着実に推進をしてまいります。

 部活動の活性化について
【質問】
 教育現場における部活動は、残念ながら一部の熱心な教員のボランティア的な努力にかなり頼っているのが実態であるが、教員に対する手当てはあまりに少額で、熱心な教員にとっては不十分といわざるを得ない。
 その背景として、学校教育法や学習指導要領に部活動についての明確な記載がなく、部活動が教育課程に明確には位置付けられておらず、校務であるかどうかが不明確なことがあげられる。
 生徒にとって部活動は、普段の授業ではわからない様々な教訓を得られる貴重な場であり、いじめ・不登校や中退など生徒指導上の課題の解決にも、部活動の活性化が大いに役立つものと考える。
 そのためには、部活動を担う教員の処遇を改善すべきと考えるが、まず、第一歩として、部活動を明確に校務として位置付けることが必要であり、東京都では、国が明確な対応をしない中にあって、先導的に教育委員会規則の中に部活動を明記したところである。
 そこで、本県としても、教育委員会規則の中に、部活動を明確に位置付けるべきと考えるが、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 教育関係について、お答えいたします。
 部活動の教育委員会規則への位置付けについて、お尋ねがございました。
 先ず、部活動は、スポーツや文化的な活動に興味や関心を持つ生徒が、より高い技能や知識を得るために、互いに切磋琢磨し、協力しあって友情を深めるなど、好ましい人間関係を育てる上でも、有意義な教育活動であると考えております。
 各県立高校では、教職員が顧問となり、生徒の自主性や主体性を尊重しながら、部活動を実施しており、今年度の県立高校の運動部入部率は43.3%、文化部入部率は21.6%で、年々上昇しております。
 県教育委員会といたしましては、さらに、生徒の参加促進やレベルアップを図るため、今年度、「かながわ部活ドリームプラン21」を策定し、部活動の活性化を積極的に推進しているところでございます。
 議員、お話しの通り、部活動は、現行の学習指導要領には、教育課程の基準として明確な位置付けが示されておりませんが、先日、中央教育審議会の教育課程部会から、これまでの審議の中間的なまとめが示されました。
 その中で、部活動については、「これまでの学校教育において果たしてきた意義や役割を踏まえ、教育課程に関する事項として、学習指導要領に記述する必要がある。」と提言されております。
 現在、これらの提言も踏まえて、学習指導要領の改訂作業が進められており、部活動の位置付けについても新たな取扱いがされるものと思われます。
 県教育委員会といたしましては、新学習指導要領が平成20年に告示される予定でありますので、その学習指導要領の中でどのような位置付けがされるのかを見極めた上で、県立学校の管理運営規則等に明記すべきかどうかを検討してまいりたいと考えております。
【再質問】
 東京都では要領に明記されない中でも、既に部活動を校務として行っている。神奈川県は現時点ではできるのかできないのか、(できなければ)何故できないのか、そういう角度で答弁いただきたい。
【教育長答弁】
 部活動の活性化について別の角度からということで、規則への位置付けの話しと、校務としての取組みの扱い、この2点のお話しであろうと受け止めさせていただいてお話しさせていただきます。
 校務としての取り扱いについては、現在でも神奈川県の場合は校務として取り扱っておりますので、実際に部活動に従事する教員については校務扱いという形を取らせていただいています。
 それから、規則への位置付けについては、今、東京都の取扱いもお話しいただいて、規則に規定すべきであると、こういうお話しでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、学習指導要領の見直しの中で、国がきちっとした形を示すだろうと、私ども期待感を持っております。その中で学習指導要領にきちっと明記されれば、規則の制定が必要かどうかということも含めて、最終判断が私としてできるのではないかと思っておりまして、もうしばらくお時間をいただきたいということでございます。
 以上でございます。

 教育施設整備のための基金について
【質問】
 「まなびや計画」を推進していくために、今後10年間で1,000億円という巨額の財源が必要となるが、財源確保に関しては、さる6月定例会で、国の新たな制度を活用し、従来なら国庫に返納しなければならないものを、基金に積み立てて、新たな施設整備の財源として活用することを提言したところである。
 この国庫返納金以外にも、県立学校の卒業生やその家族、あるいは篤志家の方から施設整備に使って欲しいという趣旨で寄付が行われた場合には、基金を設置してプールしておくことが最も適切な方法であり、寄付金を必ず施設整備の財源として活用できる。
 そこで、教育施設整備のための基金の設置について、改めて提言するが、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 次に教育施設整備のための基金の設置についてのお尋ねがありました。
 教育施設再整備のため、本年度からスタートいたしました「まなびや計画」の推進には、長期間にわたる多額の予算が必要となりますので、このための安定的な財源確保は、重要な課題であると認識しております。
 そのような中、本県では初となる、教育施設整備に使途を限定した住民参加型市場公募債が「まなびや債」という名称で、来年早々に発行される運びとなりました。
 また、議員お話しのとおり、学校施設の整備につきましては、国の制度改正により、学校施設の財産処分に伴う国庫返納金を基金として積み立てることが特例的に認められたところであります。
 このような状況のほか、県立学校施設の老朽化が進む中、卒業生をはじめとする篤志家の方々からの「学校施設を良くしてあげたい」という声も一方で聞くところであります。
 寄付につきましては、その性格から、事前に予算への反映が難しい面もございますが、厳しい県の財政状況の中にあっては、このような県民の方々の篤志による施設整備の声の受け止めができないか、検討を始めたところであります。
 このような検討の中でも、基金は一つの有効な方法であると認識しておりますが、基金の設置については、国の制度の活用に様々な条件があることも含め、十分な議論が必要であると考えております。
 教育委員会といたしましても、「まなびや計画」による施設整備を安定的に推進していくために、可能性のある様々な財源確保策について、検討してまいりたいと考えております。

 いじめ、不登校対策について
【質問】
 本県では、いじめ・不登校対策として、スクールカウンセラーの拡充など様々な取組みを進めているが、残念ながら、いじめ・不登校の件数は増加している。
 いじめ・不登校の原因が複雑化している中では、単に人員を配置するということではなく、福祉的な側面を含め、より専門的な見地からきめ細かな対応を図ることが求められているのではないかと思う。
 したがって、特に困難な案件には、社会福祉に関して専門的な知識・経験を有するスクール・ソーシャルワーカーを配置して対応することが効果的ではないかと考える。
 また、小学校については、今年度から、教員を志望する大学生が授業の補助を行ったり児童の悩みや相談を聞くフレンドリースタッフを配置しているが、ボランティアに近い形で大きな経費もかからないので、今後は、市町村における導入を含め、増員を図っていただきたい。
 そこで、スクール・ソーシャルワーカーの配置と、フレンドリースタッフの増員について、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 最後に、いじめ、不登校対策についてのお尋ねがありました。
 いじめや不登校など、学校での様々な課題の解決に当たっては、各学校がそれぞれの課題に対して、高い意識を持って取り組むとともに、スクールカウンセラーなど、専門家の助言・指導も踏まえながら、学校全体で取り組んでいく必要があるものと考えております。
 しかし、福祉的分野など、学校だけでは解決が難しい課題がある場合には、ソーシャルワーカーなどの専門家の力を借りることも、効果的な手立ての一つであると認識しております。
 このようなことから、県教育委員会では、本年7月から、児童・生徒の身体・生命に関わる重大事案発生時に学校の支援を行う「学校緊急支援チーム」にメンバーに、新たに児童相談所の児童福祉司を加えまして、福祉の専門的な立場から問題を解決できる体制を整備したところでございます。
 今後は、他府県の例も参考にしながら、重大事案だけに限らず、個々の事案の内容を踏まえ、必要に応じて対応するとともに、児童相談所との連携にも努めてまいります。
 また、フレンドリースタッフ派遣事業につきましては、今年度から県提案型協働事業としてNPOに委託し、実施している2ヵ年継続の事業でありまして、教職課程履修中の大学生を小学校に派遣し、児童の遊び相手となったり、授業の補助などを行うものでございます。
 派遣先の学校からは、大学生と児童との間に良好な人間関係が築かれ、子どもたちが落ちついて授業を受けるようになったなど、高い評価を得ております。
 また、参加した大学生からも、様々な場面で児童に接するという貴重な経験ができたとの声が聞かれ、教職を目指す大学生にとっても、大きな自信になっていると思います。
 このような状況を踏まえ、県教育委員会といたしましては、今後、どのような形での展開が望ましいのか、市町村教育委員会のお話も伺いながら、よりよい事業の方向性について、研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 地球温暖化対策について
【質問】
 地球温暖化対策の取組みとして、東京都、横浜市、川崎市では、「キャスビー」と呼ばれる評価システムを活用した建築物環境配慮制度を実施しており、横浜市では、独自に認証制度も設けている。合わせて、東京都では、燃料、熱、電気の使用量が一定規模以上の事業者を対象に「地球温暖化対策計画書制度」も実施し、優良な事業者を表彰する制度も設けている。
 こうした施策の実効性を上げるためには、本県を含め首都圏での一致した取組みとなることが必要である。
 また、一部の大企業は、こうした環境配慮の取組みに積極的であるが、それ以外の中小企業は、様々な事情から必ずしも積極的ではないので、表彰制度の創設など、中小企業にインセンティブを与え、施策の実効性を担保するような仕組みづくりを、同時に進めていく必要がある。
 全国最先端の条例をつくる神奈川県は、他の自治体の先行事例のよい面をどんどん採り入れ、問題点があればそれを修正し、施策面でも全国最先端となることを期待する。
 そこで、本県としても、こうした取組みを実施し、優良な事業者を表彰したり支援する仕組みをつくるべきだと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、地球温暖化対策について2点お尋ねをいただきました。
 まず、環境配慮の取組について、中小企業の取組を促進するために、優良な事業者の表彰や支援の仕組みをつくることについてのお尋ねであります。
 これまでにも、本県では、中堅・中小企業が開発した優れた工業製品や技術を表彰する「神奈川工業技術開発大賞」の中に、環境に優しく、環境保全や省資源等に優れた製品や技術を対象とする「地域環境技術章」を設けております。
 また、新エネルギーの導入に顕著な取組をされた個人や企業・市民団体などを表彰する「かながわ新エネルギー賞」もございます。
 いずれの表彰制度も、環境配慮の取組を促進するうえで、一定の貢献を果たしてきたものと考えております。
 さらに、これからの温暖化対策について、現在、学識者、県民代表等による「神奈川県地球温暖化対策推進方策検討委員会」で検討をいただいているところです。
 その中で、「事業者から何らかの温暖化対策に係る計画書等を提出いただき公表する仕組みを設け」、議員ご提案のとおり、「優れたケースについては表彰などを行うことも効果的である」といったご意見も出されたと聞いております。
 また、中小企業を対象とした施策をどう構築するか、例えば大企業が持っている優れた省エネ技術やエネルギー管理の手法などを中小企業のCO2削減に役立てる方策や、エネルギー効率の向上のための支援策などについても、ご議論をいただいております。
 さらに、全国の自治体においても環境配慮の取組を促進するための方策が様々でございますので、今後、県民や企業の皆様のご意見を広く伺うとともに、他の自治体の事例なども参考にしながら、中小企業に対しても実効性のある仕組みについて検討を進めてまいります。

 マイアジェンダ登録と「私のチャレンジ宣言」の連携について
【質問】
 環境省は、今年6月に、「1人1日1kgのCO2削減」を目指して取組みを実践するという登録制度である「私のチャレンジ宣言」を導入したが、協賛企業を募り、カード持参者に数多くの特典を提供するという、登録者にインセンティブを与える制度となっている。
 また、登録者は、パソコンをクリックするだけで、自らの取組みによるCO2合計削減量を把握でき、環境省の側でも、その結果を集計することにより、登録者の取組みにより全体としてどのくらいのCO2を削減できるか計算できる仕組みとなっている。
 「私のチャレンジ宣言」は、目指すところはマイ・アジェンダ登録と共通であり、取組項目も同じものが多く、自ら宣言して実行するという手法も極めて類似している。
 したがって、両者の連携として、例えば、「私のチャレンジ宣言」協賛企業に、マイ・アジェンダ登録の協賛企業にもなってもらい、登録者に特典を提供できるようにしてはどうか。逆に、マイ・アジェンダ登録者に、「私のチャレンジ宣言」に登録すれば様々な特典を受けられる、と周知し登録を促すことも考えられえる。
 そこで、本県のマイ・アジェンダ登録と国の「私のチャレンジ宣言」が連携を図り、県民にインセンティブを与えるような取組みを進め、少しでも実効性ある制度としていくべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、「マイアジェンダ登録」と国が進めている「私のチャレンジ宣言」との連携についての、お尋ねをいただきました。
 本県では、「地球環境保全を推進するためには一人ひとりの県民の皆様の実践的な行動が大切である」という考え方に立ち、平成15年度より「マイアジェンダ制度」を設け、広く登録をお願いしてまいりました。おかげ様でこれまでに5万8千件近い登録をいただいております。
 一方、国においては、議員お話のとおり、1人1日1kgのCO2削減を目指した「私のチャレンジ宣言」による取組を、本年6月より始めたところであります。
 さらに、県内市町村においても、例えば、平塚市の「ひらつかCO2CO2(コツコツ)プラン」や小田原市の「おだわら市民エコ・アクション」といった登録制度も始まっております。
 これらは、いずれも「登録をきっかけに地球温暖化の防止に、出来ることから行動いただく」ものでありまして、本県の「マイアジェンダ制度」だけではなく、国や市町村がそれぞれの工夫やアイディアを活かして同様の取組を行うことは、実践行動の更なる拡大につながるものと考えております。
 現在、県では、マイアジェンダ登録をいただいた方が省エネの取組を実感できるように、電気・ガスなどの使用量や家庭のCO2排出量を把握できる「インターネット版環境家計簿」の導入など、制度のさらなる魅力アップにも取り組んでいるところです。
 この環境家計簿では、光熱水費の削減効果が実感できるメリットがありますが、登録いただいた方々の省エネ活動の一層の促進や登録者の拡大のためには、「私のチャレンジ宣言」に設けられているような特典も効果的かと考えますので、さらに工夫を重ねてまいります。
 また、各制度の実施主体である国や県内自治体と情報交換を行い、それぞれの制度のPRや特典の活用など、効果的な連携の可能性を探ってまいります。
 私からの答弁は、以上でございます。


議会質問

平成18年6月定例議会
本会議 一般質問

平成18年6月28日

インターネット議会中継


 少子化対策について(1)
【質問】
 平成17年度の国の人口動態統計によると、我が国の出生数、出生率は、いずれも過去最低を記録した。本県の出生率も全国最低レベルで推移しており、出生率の低下に歯止めがかからないことから、子育て世帯に対する経済的支援策が望まれている。
 そうした中で、本県の小児医療費助成制度は、3歳未満の通院医療費と中学生以下の入院医療費に対する市町村助成にとどまっているため、特に通院医療費の助成対象については、県内市町村の大半が追加措置を行わざるを得ない現状である。また、近県を見ても、東京都、静岡県、茨城県が既に小学校就学前まで、栃木県では小学校3年生まで、通院医療費に助成しており、本県が最も対象年齢が低く制度的に遅れた状況となっている。
 そこで、本県としても、通院医療費の助成対象年齢を小学校就学前まで引き上げ、さらに所得要件を緩和するような制度拡充を早急に行う必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 渡辺議員のご質問に順次お答えいたします。はじめに、少子化対策についてのお尋ねがありました。まず、小児医療費助成制度の充実についてでございます。
 県といたしましても、この制度は、小児に係る保健医療の充実及び子育て家庭に対する経済的な支援として、意義のあるものと認識をしております。
 また、これから子どもを持とうとする若い世代や、未来の社会を担うこととなる子ども達のためにも、将来にわたり安定的にこの制度を維持していくことも重要であると考えております。
 こうしたことから、平成15年度に通院に対する対象年齢の拡大を図ったところですが、全市町村からの要望も踏まえ、県内11市町と県とで構成する「医療費助成制度見直し検討会」を昨年の8月に設置し、対象年齢の拡大や、所得制限の緩和など、助成内容等の見直しについて、現在検討を進めているところであります。
 今後は、さらに、対象年齢の拡大などに伴う制度の維持や安定的な運営に向けた財政的負担のあり方についても、協議を行なう必要があることから、市町村との合意を図りながら、全県的な制度として構築していけるよう、引き続き努力してまいります。

(渡辺議員からの要望)
 小児医療費助成については、前向きに答弁していただいたと捉えていますが、その中で、財政負担のあり方を検討するとのことでした。
 私から県民個人に負担が及ばないように検討を進めることを要望します。


 少子化対策について(2)
【質問】
 政府・与党が取りまとめた「新しい少子化対策」では、子どもの成長過程を4段階に区分し、特に負担軽減策が比較的薄かった妊娠・出産・乳幼児期への助成制度を拡充することとしている。
 こうした国の動きに先立って、東京都千代田区では18年度から「次世代育成手当」を創設し、妊娠5ヶ月から手当の支給を開始し、また、港区も今年度から区民の出産費用への助成を始めている。
 また、欧米などの主要国でも、日本と同様に社会の熟成化に伴い少子化問題に直面しているものの、行政の手厚い支援により少子化対策に一定の成果が出ており、公的支援の必要性が窺がえる結果が出ている。
 そこで、今年5月から東京都に続き全国2位の人口となった神奈川県として、全国を牽引するような妊娠・出産期への経済的支援策を具体的に検討していくべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 次に、子育て世帯の負担軽減策、特に妊娠・出産期への経済的支援策についてのお尋ねであります。
 子育て世帯の負担軽減については、先般、政府が決定した「新しい少子化対策」の中でも、妊娠・出産から大学まで子どもの成長段階に応じた支援策の一環として、妊婦健診費用の負担軽減や出産育児一時金の支払い手続きの改善など、妊娠・出産期の経済的支援策が示されました。
 具体的には、財源の問題も含めて、来年度予算編成に向けて検討するとされておりますが、少子化対策としての経済的支援ということになりますと、児童手当制度の拡充や、子育て世帯のための税制上の措置などを含め、国による取組みが基本となると受け止めております。
 県といたしましては、子育ての経済的負担軽減策のあり方に関して、今後、新たな国の動向も見据えながら、近く、有識者や市町村も交えた懇談会を設置し、国、県、市町村の役割分担なども含めて議論をまとめ、国への要望・提案や、県として取り組むべき施策を検討していきたいと考えております。
 この懇談会におきまして、子どもを生み育てている県民の方々のお話も伺いながら、妊娠・出産期の方への支援も含めて検討をしてまいります。

 医療問題について(1)
【質問】
 医療に関する患者や家族などからの相談や苦情に対応するための窓口として設置された神奈川県医療安全相談センターは、設置から2年が経過するが、年間2,000件に及ぶ相談実績を確認したところ、患者やその家族などから相談を受けて、ある程度の不安を解消しているものの、医療機関への改善指導までには至っていないと思われる。
 そこで、県内医療機関の医療安全対策が促進されるよう、県医療安全相談センターにこれまで蓄積された相談事例を積極的に医療機関に情報提供する必要があると考えるが、所見を伺いたい。
 また、医療機関に対する改善指導を確実に行うため、医療安全相談センターと保健福祉事務所が情報を共有化し、連携強化することで、医療相談の解決、医療の向上に繋げるべきと考えるが、併せて伺いたい。
【知事答弁】
 次に、医療問題についてですが、県医療安全相談センターに寄せられた相談事例の情報提供などについて、お尋ねがありました。
 医療安全の確保は、県の医療政策における最も重要な課題の一つであり、各医療機関の組織的な取組みを支援することが県の役割であると考えております。
 県では、これまでも各病院に対して、適正な医療が行われているかを確認するため、保健福祉事務所が毎年立入検査を実施しているほか、県医師会などと強調し医療事故防止講習会を開催するなど、各医療機関における医療安全の取組みを支援してまいりました。
 また、患者や家族の方々の医療に関する苦情・心配や相談に迅速に対応することも重要であることから、相談窓口として医療安全相談センターを設置しており、昨年度は2,000件ほどの相談が寄せられております。
 ご質問にありました、寄せられた相談事例を医療機関と共有することにつきましては、現在、医療従事者向けの事例集をとりまとめ、7月早々には配布することとしております。
 医療機関が事例集を参考とし、自らの課題として受け止めることにより、医療安全対策の取組みが一層推進されるものと期待しております。
 次に保健福祉事務所との連携についてのお尋ねでございますが、医療安全相談センターに寄せられた相談の中には、医療法や医師法に基づき、具体的な対応を必要とするものもあることから、保健福祉事務所と連携して事実確認、指導を行っているところであります。
 今後は、保健福祉事務所との連絡会議などにおいて、医療安全相談センターにおける相談事例や保健福祉事務所の指導事例など、相互に情報交換を行い、県民からの相談に的確に対応してまいります。


 医療問題について(2)
【質問】
 最近、子どものスポーツ時の突然死の原因として、心臓しんとうが注目されているが、心室細動による心停止であるため、救命措置を行うには自動体外式除細動器(AED)が必要となっている。また、従前AEDは年齢8歳以上、又は、体重25キログラム以上でないと使用できなかったが、厚生労働省は今年4月に小児用パッドを認可した。
 このため、県内の市町村では、伊勢原市・愛川町など一部で平成18年度から小中学校の全校に配備するものの、依然として県内の小中学校全体では約8%と普及率は低く、市町村により差が生じている。
 県立高校についても、生徒が激しい運動をする機会が多く、また、施設開放時には多くの県民が使用し、さらに、広域避難場所として災害時の防災拠点にも位置づけられているため、早急な配備が望まれている。
 そこで、このような市町村の取組状況のバラツキに対し、県として何らかの対策を講じる必要があると考えるが、所見を伺いたい。
 また、心臓疾患の生徒が在籍する学校への配備にとどまっている県立高校については、全校配備する必要があると考えるが、併せて伺いたい。
【教育長答弁】
 教育関係について、お答えいたします。
 まず、自動体外式除細動器、いわゆるAEDの導入についてのお尋ねがございました。
 AEDは、突然、死にいたるような不整脈を起こした際に、救急隊が到着するまでの処置として、心臓マッサージとあわせて使用することにより、効果があがるものでございますが、
 各市町村立学校におけるAEDの配備状況につきましては、今年度末までに1台以上配備する、又は予定の市町村が9、現時点で予定のない市町村は26となっております。
 また、県内の配備学校数は、109校となっておりまして、配備率は、全体の7.9%にとどまっている状況にございます。
 市町村立学校の配備につきましては、各市町村教育委員会が行うことになりますが、このような状況を踏まえ、県教育委員会といたしましては、AEDの有効性についての周知に努め、配備が促進されるよう、働きかけてまいりたいと考えております。
 また、県立学校におきましては、現在、心臓疾患を有する生徒が在籍している学校など9校に配備しているところでございます。
 教育委員会といたしましては、議員お話のように、すべての学校への配備が望ましいと考えてはおりますが、財政的な問題もあり、全校への速やかな配備はなかなか難しい状況にございますので、
 スポーツ系コースのある学校への配備など、優先度を勘案しながら、その拡大に努めてまいりたいと考えております。

 教育問題について(1)
【質問】
 従前まで市町村の教職員の独自採用は、構造改革特区法に基づき特別に認められていた。この特例は、少人数教育や英語教育の充実、不登校対策などで大きな成果をあげたため、国は市町村立学校職員給与負担法を改正し、平成18年度から特区認定を受けずとも、市町村独自に教職員を採用することが可能となった。
 これまでも市町村によっては、非常勤教職員は独自採用できるため、教職員の配置に一定の格差が生じていた。今後、既に人事権を有し、給与負担の移譲も検討されている政令市や人事権の移譲が検討されている中核市など、元々財政規模の大きい自治体とその他の市町村との間に、今まで以上に教育現場で格差が生じることが想定される。
 言うまでもなく小中学校は義務教育であり、児童・生徒の居住地により不公平が生じることはあってはならない。
 そこで、広域行政を担う立場の県としては、市町村によって、少人数学級や英語教育、不登校対策などに、このような格差が生じた場合、何らかの対策を講じる必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【教育長答弁】
 次に、市町村の教職員の独自採用に伴う問題について、お尋ねがございました。
 市町村立小中学校の教職員の配置につきましては、義務教育の水準が一定に保たれるよう、いわゆる標準法により、全国的に統一された配置基準が定められておりまして、本県でも、標準法に基づき適正な教職員の配置に努めているところでございます。
 お話にございました制度改正は、この標準法による配置を前提としつつ、市町村が自らの負担によって教職員を独自に採用できることとしたもので、市町村が地域の実情を踏まえ、地域の教育課題に、より主体的に取り組むことができるようにしたものであります。
 そうした意味では、今回の改正は、市町村が自らの責任と権限において、教育を含めた様々な行政施策の中から、教員の独自配置について選択できるようにしたとも言えますので、地方分権の観点からも、尊重していくべきものであると考えております。
 その一方で、県には、市町村をサポートしていくという大切な役割がございますので、市町村教育委員会からの様々なご要望などにつきましては、その求めに応じて、きめ細かく相談に応じてまいる考えでございます。
 また、不登校対策のように、全県的に取り組みを強化する必要があるものにつきましては、これまでと同様、県教育委員会として支援を行ってまいりたいと考えております。
 さらに、今後、市町村教育委員会の取組状況の把握に努めまして、独自採用による効果が義務教育全体として波及されるべきものにつきましては、標準法としてしっかり措置するよう積極的に国に働きかけるなど、県全体として教育の質の向上が図れるよう、県教育委員会としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

 教育問題について(2)
【質問】
 本県の奨学金制度は所得要件の緩和や単価アップなどの制度拡充を行い、18年度予算額は5年前との予算比較で4倍にまで伸びている。
 しかし、ここ数年、応募者が募集人員を上回っているため、昨年度に続き、今年度も所得要件を満たす応募者でも不採用者が出ると聞いており、現行800万円の所得制限は有名無実化しているが、希望者全員が奨学金を借りられる貸付枠を確保すべきである。
 一方、原則返還するルールでありながら、返還率は6割にも達しておらず、このことが貸付原資を確保できない大きな要因ともなっている。このように制度的に極めて不安定なため、制度の抜本的な見直しが必要となっている。
 例えば、埼玉県は資金調達や債権管理・回収事務を銀行に委託し、資金回収額の増や年度途中の資金融通を図る検討をしているとも聞く。
 そこで、本県においても、銀行などの金融機関への業務委託を検討すべきと考えるが、所見を伺いたい。
 また、県として、自立的に安定した制度を目指し、返還金や国からの交付金等の経理を明確にするため、例えば、特別会計の設置や基金の創設など、他の経費と区分して経理することを検討すべきと考えるが、併せて伺いたい。
【教育長答弁】
 次に、奨学金制度の見直しについて、お尋ねがございました。
 奨学金につきましては、所得水準など一定の要件を定めて募集を行っておりますが、ここ数年、予算額の充実を図ってきたにもかかわらず、応募者数が募集枠を超える状況が続いております。
 このように、年々強くなっている奨学金へのニーズに対し、限りある予算の中で、今後どのようにお応えしていくことができるのか、大変大きな課題となっておりますので、現行の奨学金制度につきましては、さまざまな角度から、思い切った見直しを行っていく必要があると考えております。
 見直しの主な視点といたしましては、お話にもございましたが、民間への業務委託と特別会計の設置がございます。
 まず、奨学金業務の民間委託でございますが、民間のノウ・ハウが生かせるといたメリットがある一方、返還金が回収できない場合の損失補償といった課題があり、金融機関とも相談しながら検討することが必要であると考えております。
 また、特別会計の設置につきましては、予算の弾力化が可能となり、奨学金の収入・支出の経理を明確にするといった効果が期待できますが、一方、収支のバランスの安定化が求められることとなります。
 こうした手法につきましては、それぞれメリット・デメリットがございますので、今後、課題を整理しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、お話にございましたように、奨学金の原資となる返還金の収入率を高めることは、奨学金返還に関わる公平感を担保する意味からも、大変重要でございます。
 そこで、返還金の未納に対しましては、教育局を挙げて督促の強化に取り組むとともに、さまざまな機会をとらえて、返還意識を一層高めるよう努めてまいりたいと考えております。
 教育委員会といたしましては、このような形での取組を行いながら、奨学金予算を最大限に有効活用し、学業の成績が優れ、学資の援助を必要としている生徒の期待に応えられるよう、奨学金制度の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(再質問)
 奨学金制度の答弁の中で、検討するという前向きな答弁をいただきましたが、今年度も非常に厳しい状況だと思います。検討という答弁であったので、私はそれなりに理解しましたが、来年度までに検討が終わらないと、また同じような状況が生ずるのではないかと懸念をしておりますが、具体的にもう一度答弁を来年度に向けていただければ、また、若干補足をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

(再答弁)
 来年度に向けての奨学金のあり方ということで、お話をいただきました。
 現在も奨学金制度の今年度の状況整理をしている中で、確かに応募状況が増えているということで、大変頭を痛めているのが、率直な実情でございます。
 こうした中で、二つの視点、一つは、抜本的な制度改革という意味で、お話のありました業務委託や特別会計の設置ということになりますと、いろいろなメリット・デメリットが考えられますし、制度改革というのは将来にわたる課題がありますので、私としては、議会にもご理解いただき、条例改正を伴うことにつきましては、積極的かつ慎重に検討する必要があるということで、前向きに検討していきたいというのが、基本的な考え方です。
 もう一点は、現状の中では、ニーズにどう応えていくのか、現実対応として、予算と選択ということの中で整理をしなければいけない課題であると、これについて他県の状況を見ながら、本県独自の考え方で、教育委員会の責任において考え方の整理を、当面来年度に向けてしていきたいと考えております。


 相模総合補給廠の返還について
【質問】
 在日米軍の再編に伴う最終報告により、相模総合補給廠は17ヘクタールの土地が返還され、また、返還予定地に隣接する35ヘクタールの土地も共同使用が可能となる。
 これまで米軍基地の返還に際しては、有償三分割の処理基準が適用され、一体的な利活用の妨げとなる場合があったが、相模総合補給廠には適用されない見通しとなっている。
 ただし、米軍から返還される土地は国有地であり、地元自治体が利用する場合にも有償譲渡が原則であることには変わりなく、地元自治体の大きな財政負担となると懸念される。
 そこで、国はこれまで長年にわたり地元である相模原市に大きな負担を強いてきたことから、その代償として、@返還予定地を有償で譲渡するのではなく、無償で譲渡又は貸付を行い、さらに、まちづくりや地元の地域振興のために財政支援も行うべきと考えるが、所見を伺いたい。
 また、A相模原市が策定する返還予定地の利活用計画に、県としても策定段階から参画し、返還後のまちづくりに積極的に関わっていくべきと考えるが、併せて伺いたい。
【知事答弁】
 最後に、相模総合補給廠の返還問題と返還予定地の利活用計画の策定について、お尋ねをいただきました。
 相模総合補給廠は、JR相模原駅前を中心としたまちづくりの上で、大きな障害となっているため、県では、かねてから、相模原市とともに、その早期返還を要望してきたところでございます。
 その結果、議員のお話にもありましたように、今回の米軍再編において、ようやく、その一部ではございますが、返還や共同使用に合意がなされました。
 私も先日、補給廠を視察し、地元にとって大きな負担となっていることを改めて実感するとともに、相模原市当局から、今後の課題などについて、お伺いしたところでございます。
 今後、土地の取得費などの面で、地元に過大な負担が生じ、円滑な地元利用が進まなければ、返還の意義が失われてしまうことになります。
 5月30日の米軍再編にかかる閣議決定においては、新たな負担を担う地元に対して、地域振興策等の措置を実施する旨の決定がなされたところでございますが、補給廠の一部返還に当たりましても、長年の地元負担の重さも考慮し、国の「思いやり」として、具体的な措置を打ち出すべきであると考えております。
 したがいまして、県といたしましては、引き続き、相模原市と連携して、無償譲渡はもちろん、財政支援などを実施するよう、国に強く求めたいと考えております。
 また、返還予定地の利活用計画の策定や、返還後のまちづくりへの県の積極的な関わり、ということでございますが、返還後のまちづくりは、市だけでなく、県にとっても大切なことであると考えておりますので、県としても、市の計画策定に当たっては、できる限り協力し、適切に対応してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は、以上でございます。


議会質問

平成17年6月定例議会
本会議 一般質問

平成17年6月28日

インターネット議会中継


 被災者住宅再建共済制度について
【質問】
 大規模災害後の被災者の生活再建や被災地域の復興にとって、被災者個々の生活基盤である住宅の再建が最も重要な課題の一つである。
 兵庫県では、本年3月、住宅再建共済制度条例を制定し、この9月から全国に先駆けて共済制度を実施することとしているが、小さな負担で大きな支援を受けられるものとなっている。
 本県において、ひとたび大規模地震が起きれば、被害が甚大になり、地域再生までに相当の時間がかかることは間違いない。
 そこで、本県でも、被災者住宅再建共済制度を創設すべきと考えるが、所見を伺いたい。また、全国制度化に向けて、どのように施策展開を図っていくか、併せて伺いたい。
【知事答弁】
 多額の費用を必要とする住宅再建の被災者支援のあり方につきましては、自らを助ける「自助」、互いに助け合う「共助」、公的支援である「公助」の三つの取組みをバランス良く総合的に行う必要があると認識をしております。
 自助の取組としては、地震保険への加入に加え、住宅所有者の皆さんが自ら耐震診断を受け、必要な耐震補強を行っていただくことが大切であります。
 また、公助としては、全国的な公的支援制度として「被災者生活再建支援法」を改正し、全都道府県が合計300億円を拠出し、居住安定支援制度が昨年4月からスタートしたところでございます。
 ご質問のありました共済制度は、自助と公助の間を埋める住宅所有者の相互扶助の「共助」であり、共済制度の導入により、被災した家屋の再建が円滑に進むなど、県民生活における安全と安心の確保のための基礎を築く、有効な仕組みであると考えております。
 しかしながら、県単独で共済制度を創設した場合、ひとたび県内で大規模地震が発生すれば、一度に多額の出費が見込まれ、破綻のおそれも十分考えられますし、加入者の共済負担金がどうしても高額にならざるを得ません。また、共済制度を創設するための億単位の準備金、制度を維持するための運営方法や運営経費の面で大変難しい問題もございます。
 このようなことを考慮いたしますと、県単独の共済制度ではなく、加入者の掛け金の額を出来る限り低く抑え、安定的に運用するために、全国規模の制度として構築していくことが望ましいと考えております。
 このため、本県としては、これまでも関東地方知事会や全国知事会などを通じて、国に要望してまいりましたが、来年度に向けては、改めて、県単独でも国へ要望をしてまいりたいと考えております。

 リフォーム業者登録制度について
【質問】
 国では、現在、民間住宅の耐震改修もメニューに入れた地域住宅交付金制度を創設するなど、減災対策への機運が高まっているが、実際の耐震改修にあたり、悪質なリフォーム業者が介入し、個人の意欲を減退させる事件が後を絶たない。
 建設業を営むには、建設業法に基づく許可を受けなければならないが、500万円未満の「軽微な建設工事」については許可が不要となっており、これが悪質なリフォーム業者の参入が可能となる一因となっているため、既に、埼玉県では、「埼玉県住まいづくり協議会」が業者の登録制度を独自に導入し、信頼を回復するための取組みが進められている。
 本県でも、悪質なリフォーム業者を排除し、県民が安心して施工できるよう、リフォーム業者の登録制度を導入する必要があると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 最近、訪問販売による住宅リフォームをめぐるトラブルが増加してきており、県としても問題となっていることは認識しておりまして、議員のお話にもございましたリフォーム業者の登録制度も、悪質な業者を排除していく取組みの一つと考えております。
 本県内におきましては、高齢者向け住宅リフォームの円滑な推進を図るため、「社団法人かながわ住まい・まちづくり協会」が平成14年度から登録制度を開始いたしました。
 この制度は、高齢者向けの住宅改造に関する研修会を受講し、適切に業務を行うなどの誓約をした県内の施工業者を登録するもので、平成17年3月31日現在、371社を登録し、県内の福祉関係相談窓口などに名簿を備えて利用していただいております。
 また、全国レベルでも、「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が、同様の誓約をしたリフォーム業者の登録情報をインターネットを活用して提供しております。
 本県といたしましても、県民の皆さんが安心してリフォームを行うには、こうした県内の登録制度の充実は有効な手段であると認識しておりますので、今後市町村や住宅関連の業界団体とも協力し合いながら、より実効性のある制度としてまいりたいと考えております。
 具体的には、幅広く県民が活用できるよう積極的な制度のPRを行うとともに、インターネットの活用やリフォーム全般への幅広い対応など、登録制度の内容の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

 小児通院医療費の助成について
【質問】
 合計特殊出生率が4年連続で過去最低となるなど、少子化の進行に歯止めがかからない状況にあるが、こうした状況を解決するためには、子供をもつ家庭の経済的負担を軽減することが重要と考える。
 こうした中で、国は、児童手当の対象学年のさらなる引き上げなど、経済的支援策の検討を始める。
 小児医療費の給付について、近県では、東京都、静岡県、栃木県が既に小学校就学前まで、埼玉県が4歳児まで各種医療保険の自己負担分を助成する制度を導入しており、本県は最も対象年齢が低く、制度的に遅れている。県内でも4割の市町村において、小学校就学前の児童に対して給付が行われている。
 そこで、子供を抱えた家庭の経済的負担の軽減に向けて、県内全ての市町村において、小学校就学前まで小児通院医療費の助成が行えるように、対象年齢を引き上げるべきと考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 小児医療費助成事業は、一義的には、子育て支援の担い手である市町村が事業の実施主体となり、県が助成しているものでありますが、子育て家庭への経済的負担軽減策の一つであると考えております。
 本県では、精神的にも、経済的にも負担が大きい入院時の医療費助成に重点を置き、その対象年齢を中学校卒業までとし、この点では全国でもトップとなっているところであります。
 通院の助成対象年齢につきましては、平成13年度に市町村の参加のもとに設置した「神奈川県小児医療費助成制度協議会」での検討を基に、平成15年度から従来の1歳未満から3歳未満まで引き上げる等の改正を行ったところであります。
 しかし、実際の通院の助成対象年齢は、各市町村が地域の特性等を考慮し、独自の判断で年齢引き上げを実施しているために、県内市町村間で差が生じていることは承知をしております。
 こうした現状の中で、37市町村から、平成17年4月に小児医療費助成事業の制度見直しについての要望を受けました。
 その趣旨は、「小児医療費助成事業の年齢拡大などに応えるには、他の医療費助成制度を含め、将来にわたる安定的かつ継続的な運営に向けた抜本的な制度の見直しが必要である。」というものでございます。
 一方、子育ての経済的負担軽減策のあり方全般については、今後、子育てにかかる経費の実態や制度の状況など、基礎となる調査を行い、学識経験者や子育ての当事者が参画する懇談会で議論をしていただくこととしております。
 そこで、本事業については15年の制度改正から2年が経過しておりますが、実施主体である市町村や多方面からの要望もございますので、対象年齢・所得制限・市町村への支援のあり方など、先のあり方懇談会の議論とも合わせ、市町村との場を設けて研究してまいりたいと考えております。

 セカンドオピニオン専用外来について
【質問】
 県立病院で、セカンドオピニオンを実施していることは評価するが、残念なことに、専用外来を設けておらず、一般診療窓口と同じ扱いとなっている。
 がんなど特に要望が多いと思われる病院については、専用外来を設けても良いのではないかと思う。また、セカンドオピニオンには、より信頼性が求められることから、経験豊かなベテラン医師を優先して配置するためにも、専用化が必要になってくると思われる。
 県立病院のセカンドオピニオンの実施状況を見ると、9割が県立がんセンターとなっており、県立がんセンターへ専用外来を設置するニーズは極めて高い。
 今後、患者の声に応え、受診の早期化を図るためにも、県が率先して専用外来を設け、セカンドオピニオンの普及に努めるとともに、患者が納得し、安心できる医療体制を確立すべきである。
 そこで、県立がんセンターに、セカンドオピニオン専用外来を設置すべきと考えるが、所見を伺いたい。
【病院事業庁長答弁】
 セカンドオピニオンは、患者さんや家族の方々が、主治医以外の専門の医師の意見を聞くことによって、より良い治療方法を選択するための仕組みであり、本県の全ての県立病院で昨年7月から実施しております。
 その中で、県立がんセンターは最も件数が多く、1ヶ月当たりでは約52件に上り、また、診療科別に見てみますと、肝臓、胃、大腸などの消化器系及び肺などの呼吸器系の相談が多く、1件の相談時間は30分から1時間が費やされており、多くの患者さんが内容に満足され、納得して帰られていると考えております。
 現状のセカンドオピニオンは、専門的な疾病に関してのものでありますので、部位ごとに、診療や手術を行っている経験の豊かな専門医がお話を聞くこととしております。
 そのため、相談を受け付けている曜日、時間は、基本的に、各診療科の担当医師が外来診療を行っている時間の後に設定し、県立がんセンターでは、全体で20の診療科について1週間に合計で37人という多数に医師がセカンドオピニオンを受け入れる体制を整えております。
 一方、曜日、時間をあらかじめ定め、セカンドオピニオン専用の固定の時間枠を設けるためには、現在の体制に加えて、医師の確保や相談場所の設置等人的、施設面からの相当の制約がありますことから、現行の方法によって円滑に運用してまいりたいと考えております。
 お話にございましたように、今後、がん医療におけるセカンドオピニオンの要望はますます増加していくものと思われますので、各病院のホームページをわかりやすく見直すことや、受付の曜日を明示していくなど、県民の皆様がより相談を行いやすい方策について今後とも検討してまいります。

 がん情報・相談センター機能について
【質問】
 がん患者等に対する意識調査によると、がん医療に不満を持つ人は80%にものぼるとともに、医療の質や治療法の情報開示を求める声も強く、統合的な情報提供機関については、99%もの人が必要だと考えている。
 現状では、問い合わせ先も分からない、どこの病院が自分と同じ症例を治した実績があるのかも分からない、そして、どこに行けば自分の命を預けられる医師がいるのかも分からない状況にある。その一方で、インターネットやマスコミなどによる状況の氾濫に翻弄されるという、正に「がん難民」という言葉が、がん医療の状況を物語っている。
 より多くの情報、より正確な情報が、一刻も早く患者の方々に提供されることが望ましく、そのためには、まず、早期にがんに関する情報機関を、県立がんセンターへ設置する必要があると考える。また、情報提供に留まらず、適切なアドバイスができる相談機能も合わせて必要である。
 そこで、県立がんセンターに、がん情報・相談センター機能を設置すべきと考えるが、所見を伺いたい。
【病院事業庁長答弁】
 がんにり患された患者の方々の中には、医療機関を選択することや治療法を選択するにあたって大きな不安を持っている方がおられるということは、よくお聞きいたします。
 その理由としては、まず、がん治療は、手術、化学療法、放射線治療などいろいろな手法を組み合わせて行われますが、がんは一人ひとりの症状がいろいろと異なる疾患であり、がんの進行具合によって様々な治療の選択肢があることが挙げられます。
 また、がん治療は、地域や医療機関によっても治療格差があるとも言われていること、更に、がん医療に関する情報があふれている今日にあっては、患者さんにとっては、かえって正しい情報を見分けることが難しい状況にあること、などがございます。
 患者の方々が、がん医療に関する正確な情報を得た上で、がんの専門医に相談しながら治療方法を決定したいと望んでおられるのは当然のことであります。
 情報発信のしくみづくりにつきましては、国立がんセンターの今後の在り方としては、「情報センター」の設置が提言されておりますが、県立がんセンターでは、本県の基幹がん診療拠点病院として、「がんへの挑戦・10か年戦略」の中に、最新のがん医療の情報収集と提供を行うために、がん情報発信の仕組みづくりを位置づけたところであります。
 具体的には、県立がんセンターが中心となりまして、がんの臨床研究やがん情報の収集、提供を行い、それらをネットワーク化する機構を設立することとしております。
 本年5月に有識者による機構設立のための懇話会を設置しましたので、今後、この懇話会でのご意見を踏まえながら、平成18年度の設立に向けて取り組んでいるところであります。
 この取組みの中で、県民、医療従事者、研究者に対する情報にどのような内容を盛り込むべきか、また、より効率的に提供する方法について、十分検討してまいりたいと思います。
 がん医療に関する相談に関しましては、「がんへの挑戦・10か年戦略」の中に、相談体制等の検討やがん相談人材の育成が位置付けられておりますので、今後、関係機関と十分相談しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 県有施設におけるシックハウス対策について
【質問】
 県立保土ヶ谷高校で起きたいわゆるシックハウス症候群問題については、化学物質に対する正しい知識の欠如、シックハウスに対する認識の甘さにも原因があると考えられる。果たして、人の命を預っているという認識を、一体何人の職員が持っていたのか。私は、猛省を促したい。
 保土ヶ谷高校で起こったシックハウスの恐れは、他の県有施設全てにあると言え、こうしたことが繰り返されないために、今ここで、しっかりとした対策を取ることが必要と考える。
 そのためには、県有施設を設計、工事する立場の職員をはじめ、その施設を管理する職員もシックハウスとは何かなど、医学的な方面で、しっかりとした知識を身につけることから始める必要がある。また、今回の事件を受けて、県独自の安全基準の設定も必要と考える。
 今後、県有施設のシックハウス対策について、具体的にどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 県立保土ヶ谷高校における事件につきましては、昨年秋に実施した屋上防水工事に使用した溶剤が建物の内部に浸透し、健康被害をもたらしたものと推定されておりますが、屋外の工事が教室内に影響を与えることは、事前に予想できなかったことから、対応が遅れてしまったと聞いております。
 私も、「ウィークリー知事現場訪問」で、現地を視察し、教員や生徒の皆さんなどから状況をお聞きするとともに、今後の対応について意見交換を行いました。
 このような事件が起こったことは、大変残念に思っているところであります。
 現在、教育委員会におきましては、外部の専門家を加えた検討委員会を設置し、事件の原因究明及び対応策、また、再発防止策について検討を行っております。
 議員ご指摘のとおり、今回の事件は、一高校だけの問題ではなく、すべての県有施設において起こる可能性があることから、今後、再発を防止するために、県庁全体で対策を進めていく必要があると考えております。
 全庁的な対策を進めるためには、関係職員が、シックハウス症候群等に関する知識を深める必要がありますので、症状や原因となる化学物質などについての研修を通じて、職員の資質の向上に努めていく所存です。
 今後のシックハウス対策につきましては、まず、現在、建築工事における材料の取扱いに関して、従来からの取組みに加え、設計・施工の各段階で配慮する事項をまとめた指針や詳細な手順を定めたマニュアルを作成しているところでございます。
 さらに、建物を管理する上で、必要な調度品や日用品などを選定するにあたっての留意事項を取りまとめたマニュアルを作成し、県有施設における総合的なシックハウス対策の強化に努めてまいりたいと思います。

 アクセス道路整備について
【質問】
 私の地元である相模原市では、現在新たな産業集積方策を検討しており、今後、さがみ縦貫道路へのアクセス道路が整備されることにより、さらなる産業集積が進むと期待している。
 県道52号相模原町田の「麻溝小入口交差点」から「相模原公園入口交差点」までの2kmについては、市の構想と連携した整備を進めることにより、地域振興につながると思われることから、早期に都市計画決定を行い、事業着手すべきと考える。
 都市計画道路相原城山線については、既に事業化されているが、工事の進捗が目に見える形となっていない。既存産業集積地域へのさらなる産業集積が促進され、また、今後の市町合併を考えた場合、津久井地区へのアクセス道路としての役割も期待されることから、早期完成を目指して事業進捗を図るべきと考える。
 これについて、今後のスケジュールと併せて、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 県道52号相模原町田と都市計画道路相原城山線は、「さがみ縦貫道路」へのアクセスをはじめとして、相模原地域の東西方向の交通を担う主要な幹線道路でございます。これら二つの路線は、「さがみ縦貫道路」と連携することにより、広域的な交通利便性の向上に寄与し、地域経済の活性化に必要な役割を果たす道路であると認識しております。
 そこで、県道52号でございますが、現在、仮称の相模原インターチェンジから「麻溝小入口交差点」までの約1.1kmの区間について、「さがみ縦貫道路」に合わせて供用開始できるよう、重点的に整備を進めているところでございます。
 お尋ねがありましたのは、その東側、「相模原公園入口交差点」までの、延長約2kmの区間でございます。この区間では、JR相模線との立体交差の形状、あるいは、沿線に立地する小学校、公園などへの影響について、相模原市やJR等の関係機関と調整しながら、かねてより検討を進めておりましたが、今年度中には、ルート・構造の案を固めるという段階に、ようやく至ったところでございます。来年度には、この案を地元の皆様にご説明し、ご意見を伺いたいと考えておりまして、こうした調整作業を踏まえながら、都市計画決定の準備など、事業着手に向けた取組みを、進めてまいりたいと考えております。
 次に、都市計画道路相原城山線でございます。この路線のうち、新小倉橋とともに供用開始された区間の東側、延長約1.7kmについて、現在、事業を進めておりまして、昨年度末時点で、約8割の用地買収が完了しているところでございます。今後は、残る用地の買収を進めるとともに、来年度からは本格的に工事に着手し、早期完成を目指してまいりたいと考えております。

 さがみ緑風園跡地利用について
【質問】
 さがみ緑風園の跡地利用計画としては、平成11年度に改訂された「かながわ新総合計画21」に「人材育成研究センター」、現在の実践教育センターを相模原市内に整備することが明記されており、その候補地として、さがみ緑風園跡地が考えられていた。しかし、県は、平成14年11月、この方針を撤回し、当面は、看護教育大学校跡地を活用することとしたが、結局、横浜市旭区の衛生短期大学校跡地に移転することを決定した。
 相模原市域における県の方針転換は、これが初めてではなく、平成5年頃に相模原市麻溝台に県立「健康科学センター」を設置する構想を発表したにもかかわらず、平成8年に同施設の設置を突然撤回している。こうした度重なる方針転換は、まさに「背信行為」であり、相模原市民は、憤慨している。
 さがみ緑風園跡地については、県は真摯な態度で、地元相模原市とも協議のうえ、今後の計画を示す必要があると考える。そこで、さがみ緑風園跡地について、今後どのように活用していくつもりか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 さがみ緑風園跡地は、議員のお話にもございましたが、昭和40年に篤志家の方から、障害のある人々のために役立ててほしいということで、県に寄付されたものでございます。
 県では、この趣旨に沿いまして、昭和42年に県立さがみ緑風園を開所し身体障害者更生援護施設として活用してまいりました。平成15年4月に同園が市内の麻溝台に移転した後は、社会福祉法人の授産施設の建替のために一時的に利用しておりましたが、本年4月以降は未使用となっております。
 相模原市内への県施設の整備は、これまでに、健康科学センターや、県立保健福祉大学の附置機関である実践教育センターの設置計画がございましたが、その時々の県の財政事情もあり、これらの計画を変更せざるを得なかったことは議員のお話のとおりでございます。
 さがみ緑風園跡地の今後の活用につきましては、つい先日、6月17日、相模原市長から、これまでの経過を踏まえた県としての当該地の跡地利用を検討してもらいたい旨、ご要望もいただいているところでございます。
 県といたしましては、今後、この土地が篤志家の方からの寄付地であることや、これまでの実践教育センターの整備をめぐる経緯などを十分踏まえて、市民、県民の皆さんに役立つ跡地の活用方策を市や関係の方々のご意見も伺いながら、早急に探ってまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございます。



議会質問

平成16年6月定例議会
本会議 一般質問

平成16年7月16日

インターネット議会中継


 次世代育成計画について
【質問】
 出生率の全国平均が、過去最低の1.29となり、都市部で特に低くなっている。
 全国でいち早く、小学校入学前までの医療費の無料化など、積極的な子育て支援施策を展開している東京都江戸川区では、1.37と高い数値を維持しており、自治体における次世代育成施策への取組みが、出生率維持向上への鍵になるものと考える。
 国において、平成15年7月に「次世代育成支援対策推進法」が制定され、地方公共団体は、平成16年度中に地域行動計画の策定が義務付けられた。次世代育成支援の基本となる地域行動計画は、県の全ての行政分野からの視点が、不可欠となり、実効性の高い施策としなければ、絵に描いた餅となる。
 そこで、今回の計画策定が部局縦割りの施策建てになることなく、部局横断的な施策をきちんと議論して、位置付けるとともに、実効性のある計画とする必要があると考えるが、計画策定にあたっての決意を伺いたい。
【知事答弁】
 地域行動計画についてのお尋ねですが、次世代の育成につきましては、「神奈川力構想・プロジェクト51」におきまして、県行政の最重要課題のひとつに位置付けております。
 このような中で、今年度、次世代育成支援対策推進法に基づき、県の地域行動計画を策定してまいりますが、地域の子育て支援や母子保健・小児医療、教育や青少年の健全育成、仕事と子育ての両立、さらには安全・安心なまちづくりなど、極めて幅広い分野の取組みを総合的に推進していくことが必要不可欠であると受けとめております。
 そこで、計画策定にあたりましては、まず、本年6月に「神奈川県次世代育成支援対策推進協議会」を設置し、次世代育成支援に関係する学識者、各分野の団体、専門家等から、行政の縦割りに捕われない率直かつ建設的なご議論をいただいているところでございます。

 延長保育、休日保育の充実について
【質問】
 待機児童ゼロを目指す取り組みとして、既に開園している保育所の機能充実を図る取り組みも重要である。仕事をもった女性が、出産後に安心して子育てを行いながら職場に復帰できるように支援することは、極めて重要な施策の一つであり、多様な子育て支援と保育サービスの充実が一層望まれる。多様な保育サービスの一環として、延長保育や休日保育などが行われ、仕事を持った女性の強い味方となっているが、全てのニーズを満たしているわけではない。
 そこで、今後、県としてどのように延長保育、休日保育の充実に取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 保育事業の充実に関しましては、「神奈川力構想・プロジェクト51」の戦略プロジェクトに「保育サービスの充実」を位置付け、具体的な構成事業といたしまして、「保育所整備の支援」と並んで、「多様な保育サービスの拡充」として、延長保育や休日保育の実施の支援などに取り組んでいるところでございます。
 まず、延長保育につきましては、基本の保育時間の前後の早朝や夕刻の時間帯に実施するもので、県所管域の保育所の77%に当たる220施設で既に取り組んでおります。今後は、保護者の就労時間や通勤事情などにより、利用者ニーズの地域差もございますので、市町村における的確なニーズ把握を働きかけ、平成18年度までに230施設での実施を目標に、一層の拡充が図られるよう支援してまいります。
 また、休日保育につきましては、県所管域の4市2町の保育所、計8施設で実施しております。今後、市町村毎に中核的な役割を発揮できる保育所での集約的な実施を基本に、平成18年度までに15施設での実施を目標に、市町村への働きかけや支援を行ってまいります。

 小児医療費の対象年齢引き上げについて
【質問】
 子どもを持つ家庭の経済的負担を軽減することは、次世代育成支援において非常に重要で、小児医療費に対する助成の充実は急務である。
 現在、県では3歳未満の通院医療費と中学生以下の入院医療費について、市町村助成を行っているが、厚木市、綾瀬市、寒川町、二宮町などの市町村においては、独自に給付対象を小学校就学前まで引き上げ、給付の充実を図っている。各市町村において、単独で、給付対象年齢を引き上げることは、財政的に大きな負担を伴う。
 そこで、子どもを抱えた家庭の経済的負担の軽減に向けて、県内全ての市町村で、小学校就学前まで小児医療費の給付が行えるように、県助成制度における対象年齢を小学校入学前まで引き上げるべきであると考えるが、所見を伺いたい。
【知事答弁】
 この制度は、市町村が実施主体となって、それぞれの考え方と地域の実情に応じて取り組んでおられます小児医療費助成事業に対して、次代を担う子どもたちが健やかで豊かに育つようにとの視点から、疾病の重症化の防止と医療にかかる保護者の経済的負担の軽減を図ることを目的として、県が市町村に支援しているものであります。
 この取組みは、健康保険等適用後の小児医療費の自己負担分を助成することから、基本的には国の医療制度との関わりの中で考えられてきているものであり、県では、入院にかかる医療費の助成を重点に行ってきたものでございます。
 この助成制度は、市町村から通院にかかる対象年齢の引上げ等について強く要望を受けておりましたので、平成13年度には、市町村の参加のもとに設置しました「神奈川県小児医療費助成制度協議会」で検討してまいりました。
 その結果を受けて、県では、平成15年度から、通院助成対象年齢を従来の1歳未満から3歳未満まで引き上げる等の改正を行ったところであります。
 その後、通院助成対象年齢を引き上げている市町村もございますが、まだ新制度の2年目でもございますので、当面は、この制度のもとで、市町村の実施状況や国の動向等を見守ってまいりたいと考えております。